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仕方ないだろう。地上で会えなかった分が暴走した結果だ。
[基本真顔。]
事案か。事案だな。
こちらには自警団がいないようだから眼鏡は地上でタイーホされたらいい。
…セイバーリリンか。また新しいセイバーが誕生したのかな。
[ルナティック4Kテレビに映し出された映像を見てぽつり。]
さあ、戻れ。わしは今、何も考えとうないのだ。
わしは……忙しい。
[そういう物言いを、弟が見逃してくれるはずもなかった]
『兄上の言う忙しいとは、地蔵の絵を描くことですか。兄上はいつでも世の中を厭うている。兄上!師直を排しなさい!それで政はうまくゆくのです!』
……それよ。
お前はそう言うが。わしはお前のいう通りに、何もかも排してきたぞ。北条も、親王も、三木一草も、北畠も、新田も、全て殺してきた。先帝以外は全てだ。
ところがどうした。これだけ殺して、まだ世が治まらん。
昨日は師直がお前のやり方は古い、お前を遠ざけよと言うてきた。今日はお前が師直を排せよと言う。わしは後どれだけ殺せば良いのだ。それでいて、国師は禅を修めよと言う。
人を殺して、浄土も見なければならぬ。
忙しい。わしは……忙しい。
『それが兄上の言葉ですか。…仕方のない方だ。良いでしょう、好きになさると良い。』
[師直と弟が幕府を二つに割って争い始めるまでに、時間はかからなかった。]
−中央・噴水前−
[てってって。
ここ最近バスを使っていたのキャスターは忘れていたかもしれないが、みちるの足は結構速い。
それは、走るだけではなくて、歩くスピードも同じだった。
商店街の古くからあるお店で糠を買い求め、そこのおばあちゃんにたけのこの茹で方を紙に書いてもらったメモを大事にかばんにしまいこむ。
それから足は家のある方向とまったく反対に進んでいく。
噴水の前までやってくると、脇にあるベンチに腰掛けた。
足元で、チルチルが土をつついてはひっくり返す]
チルチル、みちるはどうしたらいいのかな。
…みちるは、なにができるんだろうねえ。
[よくわかんないね、とつぶやきながら足をぷらぷらと揺らす]
―教会―
[ノックと共に教会内へ入る。]
管理者はいるだろうか?
少々聞きたい事がある。
[厳密に言えば質問があるのは自身ではなくサーヴァントだ。
しかし、まずは管理者がいるかを確認すべく問いかけた。]
ー2階ー
[クレーターの端で、意識を失ったまま倒れている。辛うじて消滅こそはしていないが、その体からはあちこちから血が流れ、指先一つ動かすこともままならない。
遠くの方、頭上で人の声がした気がした。誰のものかもわからない。
ただ、リリンは生きているだろうかと、その思いだけが頭を掠めたまま、再び意識は遠退き、その姿は消耗を止めるためか、霊体へと化していった。]
[――――― ぷつん、と。突然何か途切れる感覚。
本を読み、道具を作っていた手が瞬時に固まる。
自分の身に何が起きたか。
気付かないわけがない。
この感覚は、―――二度目だ。]
……
[さぁ、と顔色が一気に引く。]
……、…… みちる!!!
[どだだだだ、と激しい足音が廊下に響く。
この洋館の中にいない事は解っているが、何か手掛かりはと探す。
何かを調理した匂いがした。
机の上を見ると一枚のメモ。>>39]
――――――――
[言葉を失った。]
―回想・教会前〜2F菫の場所から>>42―
――、これは、……一体
[2Fは、煉獄の炎に焼かれたと言っても生温い有様だった。何をどうしたらこのようになるのか。 ]
宝具……?でも、ここは……
っ、ヒイラギ、待って!
[ヒイラギが駆け寄ったもの。
倒れている、ぼろぼろになったリリンの姿をまず捉える。]
ヒイラギ、彼女はまだ、生きていますか?
――あの後此処で戦闘が……?
此処は今戦いには不向きなのに、如何して……
[疑問に巡らす視界の端、唯一無事に残った可憐な菫が、揺れた]
まさか、此れを守って……?
[ 口元を押さえた。――ヒイラギの大切な場所なのだと、そう言ったのを気に掛けてくれたのか。 ]
― 1F西・教会 ―
[軽トラックの荷台から樽を下ろし、その身は実体化したまま
――灰色の鎧の間からは、申し訳程度の包帯が見えていたか――
教会の正面扉を潜った。]
違いますぞマスター。
聖杯や、あのチャリオットから流れてくる『にゅうすばんぐみ』というものが申しておりました。こういう時には、作法があるのだと。
[そう告げると、一度教会の外へ出て扉を閉める。
そしてそれを、片手で勢いよく開きながら入ってきた。]
頼もう!!!
[ドンガラガッシャン]
―昨夜2Fで―
[ 一部が硝子質なのは、
一度融けてから固まったからか。 大きく空いた穴の下、覗き込めば、今まさに。>>47]
――白刃の!!……っ、
……、実体を保てない程に消耗しているのか……
[ああ、でも、まだ気配はある。
存在を繋いでいる。ひとつ、息を吐く。
――物語を見せて貰うと、そう言ったのに。倒れられるのは、嫌だった。不穏なことを口にしていたのはさておいて。]
――待って、ヒイラギ
騎士を呼べば運ぶことも――、ヒイラギ、待って!
[ 止める間もない。拠点に移動するという宣言 、あまりにあやういと吟遊詩人も思おうものの、側を離れるわけには行かない。――それは、論外だ。]
……ちゃんとついてきてくださいよ、白刃の方……貴方はリリンの、刃でしょう……?
[ 宙を掻くように手を伸ばしてから
ヒイラギの拠点へ転移した。**]
あの駄天使、天に帰りたいらしいな。
[竹を割って簡易的に食器を作りながら]
正気か? 本当につまらぬぞあそこ。
貴様……。
[頭を抱える、少し真面目な話を下と思ったらこれである。
やはり真面目な話はしてはならないのかもしれない。]
[この世界には知らないことがいっぱいだ。
それは自分でもわかっている。
何より、最初に突きつけられたのはこの場所だ。
自分が、母から聞いた”御伽噺”は決して優しいものではないのだと]
…わかってるもん。
[わかっているつもりなのか、本当にわかっているのか。
それはまだみちるの中ではあいまいな事だ。
左の目を手のひらで隠して、また白日にさらす。
青い鳥は、こちらを見上げていた。
みちるが首をかしげると、チルチルも首を傾げた。
もう少しかしげると、青い鳥はみちるの肩に]
[立って走ってはこけるを二、三度繰り返した辺りで肩を落とした。
自分の不徳が原因だと思うと面持ちは神妙。
『いつか死ぬよ。君がそれを理解して同行しているのは罪だ。』
『その未熟なマスターを守りきれるといいね。』
―――――『保護者きどりの魔術師よ。』]
ッ
[だん、と壁に手を打ちつけていた。]
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