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―西拠点、庭園―
――ヒイラギ?
[軽やかなワルツが途切れ、
四角く平べったいものから微かに音声のようなものが漏れ聞こえる。
あれは遠隔通信用の仕掛けらしい、と知識の中にはあるが]
――、技術も進むと魔術だな……
[ひとり、感嘆していると。
声の調子が変わった。
俄かに眉を寄せて四角いものを覗き込む ]
切れた?――なぜ?何か彼らに異変が?
……あぁ、
来てくれると 信じていましたよ。
[増幅をはかる最中、突如、魔力供給の戻りを感じる。
会ったら熱い抱擁と接吻をしたい気分になったけれど、途中からこの国では法に触れると本能的に察した。そもそもできる状況ではない。]
― 3F ―
……システィーナ礼拝堂。
[見回し、つぶやく。
その天井に描かれるはミケランジェロの傑作だ。
広さや物品の縮尺にはだいぶ違いがあり、簡潔に言えばずいぶんと巨大化していたが……それは知識にある荘厳な出で立ちといささかも変わらない]
……竹?
[だがその礼拝堂に、異質なものが茂っていた。
否、異質な痕だ。
この壮麗な場所において凄まじい破壊を巻き起こしたその痕跡は、おそらく英霊の仕業であるだろうが……どうにも、景色に似合わなかった]
[掛かってきた番号当てに何度か呼び出し音を鳴らすも
不通のままだった。
屋敷へ戻りリリン達を探す。]
居ない…出ていったんだ。
[取るものも取りあえず、家を出ることにした。
行き先への心辺りなど無いのだが]
テラじゃないし。教会だし。
竹なんて飾らないわよ。というかどう見ても戦闘の痕じゃない。
[呆れた顔をしてみせる]
セイバー。
あなた、竹にまつわる伝承とか知らない? 竹の英雄とか。
がっ……
[魔力のこもった一撃で、パピーの腹部がつらぬかれた。
始めて感じる激痛とともに、車椅子から崩れ落ちる辰の姿を知覚する。]
……か、返せ……
[パピーが小さく何かをつぶやくと、のど元にオレンジ色の光が瞬き始める。
その瞬きが集積し、輝きへと変わった直後、灼熱のブレスが放たれた!
己を構成する金属を体内で融解させて叩きつけるドラゴンブレス。
文字通り身を切った攻撃が、辺りを熱波と光で包み込む!]
[止めるよりも先に、竜の身体を貫く腕に目を見開く。
――あの身体は、生体のモノでは無い。
貫いただけでは、事がどうなるとは思えないが、 しかし
その手に握られた水晶に似たその塊に、ぎりと歯噛みする。]
パピー!!!
貴様…ッ!その手を、離せ!!!
[掌へと魔力を巡らせ、瞬間。一振りの剣がその手へと収まる。
――鞘から抜けば、その剣の呪いは発動する。
…誰かを護るには、あまりにも向かない己の剣、だが。
それを悩む場合では無いとは、十二分に理解をしていた。]
…無論、取り戻す!!助太刀を頼んで良いか。
[男の言葉に、一つ、頷く。
…恐らくは、前回の聖杯戦争からの生き残り。一人でどうなる相手とは、思い難い――そう思う矢先、アサシンの目の奥、何かが鈍く光った気がして僅かに目を細めた。]
やはりそうか。まあ、そうだろうな。
……それでシステイナというのは何だ。菩薩みたいなものか?
まあ、何でも良いが。竹にまつわる英雄だと?
[少し考え込んだが、答えはすぐに出た]
知らんな。竹と言えばなよ竹のかぐや姫と決まっておるだろう。竹から生まれたこの世の者とも思えぬ美しい女で、国中の貴族や帝の求婚を断り、月へ帰っていったとかいう話だ。
…………ん?
[なにか思い出しそうな気がしたが、サーヴァントの気配がする。]
リリン。まだ誰かおるようだな。
[不意に、令呪のうずきを感じる。
ここに誰かが居るのだ。すでに4Fが開放されているから油断していた。
周囲を見回す。
見つけたのは知った顔。教会で会った、あの槍がどうのとか言っていた武人の英霊と、そのマスター]
っく……まずいわね。
何にも食べてなくてお腹減ってるのに、ご飯食べそびれちゃうじゃない!
[だから次1F行こうとしてたんですね]
!?
[魔眼から光が放たれようとしたのと同時に、パピーの放った火炎はアサシンの顔の半分を焼いた]
ぐ、ぐああああああっ!!
やってくれたなあ!!
[パピーの体を地面に叩き付けるように放り出し、アサシンはその手で顔を覆った。
火傷はそこまで深くはないが、魔眼の瞼は焼かれている。
治癒まで使えない。]
最後まで余計なことを・・・・・・見事バーサーカーが思うとおりに勝ち上がれば、お前の本体ぐらいは助けてやったものを!!
[苦しんでいるアサシンをよそに、バーサーカーが預かっている羽根にで、緑色の魔術回路が光り始めていた。]
………どこかで会ったような気がするが…
[近づいてくるランサーとそのマスターに教会で会ったとき、セイバーはだらけきっていたのでよく覚えていない。]
―西拠点―
[ ――さて、実は吟遊詩人は
セイバーがいなくなったのに気付いていた。
マスターの感知はできないが、
彼がいなくなったのならそういうこと。
おそらく上へと移動したのだろう
――と、此処までは想定内。
見られていては立ち去る後を濁すだろうという、吟遊詩人、いや騎士なりの美学である。]
――、……
[ ヒイラギは連絡が途切れたことにいたく動揺し
ともすれば詩人をおいて行きかねない勢いで行く。
それに付き従うのも己の役目、と。
しばらくの間は彼のやや後ろに静かに在った]
…、大気よ集いて、―― ッ
[竜の身体を貫くのに一切の迷いはない。
これが本来あるべき聖杯戦争の姿か、
しかし、――そうだとしても。
積み重なる違和感、異質感が違うと警報を鳴らす。]
我が腕を取り巻け…
[球体のアストロラーベを周囲に巻いて、右腕に風を帯びさせる。
>>231 助太刀、の言葉が掛かれば、無言でそちらを見て頷きを返す。
顔をアサシンへと向けたのはその後――、
目?、と認識するがこちらはしっかりと見た。]
[リリンはどうやら空腹のようだ。]
お前なあ……
だからもう少しゆっくりしようと言うたろう。
飯ぐらい食わねば戦もできぬと言うたではないか。
[そこまでは言っていない。]
こんなところには筍しかないぞ。それも灰汁を抜かんと食えんし。
まあ……戦わんで済むように善処することだな。
英霊の癖に察しがいいな。
その姿といい、貴様はこの国の英霊に違いない。
[かぐや姫の単語を聞いて感心しながら当たりをつける。
あえて、それが正解であるとは言わないが。]
あった事が歩きがするか。
貴様も阿呆のようだな。
[高めた評価は一瞬で地に落ちる。
まさか存在すら記憶されていないとは思わなかった。]
ヒイラギ、
白刃の方たちた恐らく上だ。
彼らもこの戦争の参加者、
出て行ったのなら
追いすがるべきではないよ。
次見えるなら、
戦いになるかもしれない。
[ これは、忠告。静かによく響く声を向け―― ]
――、それより、ヒイラギと協力関係にある、王子たちのことだ。
約束があるなら、それを果たさなければ。
― 3Fシスティーナ礼拝堂 ―
……そのことも含め、管理者に訊ねたいことがあったのだが。
次に出会う時に謎が解けることを祈るばかりでありましょう。
[先日のことを思い返しながら、焦げた竹を撫でる。
……これほど多くの竹が鬱蒼としながらも、天井に、壁に、聖壇の後ろにと散りばめられた芸術が損なわれていないのは、やはり彼女の技術の粋であるがゆえだろうか。
そうこうしている内に、不意にサーヴァントの気配を感じ、]
…………
[何故自ら近付いていくのだろう、と無骨な掌で半顔を覆いながら、一歩退いた位置で見守っている。]
…、申し訳ないのですが、私はキャスターのサーヴァント。
近接は、かなり、得意としません。
援護なら…任せてください。
[自身のクラスを明かして、剣を手にする王子と呼ばれた青年を見る。]
厭な感じがした目でしたが、…まあ、
貴方のマスターがやってくれたみたいですね。
[風を纏った腕を身体の前で球体を抱える形にすると、
地球を模った緑と青の球体が出現する。]
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