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―中央区高級ホテルスイート存在区画―
[あっけに取られたのは刹那。]
――……これは これは。
[ふふ 、く。――と。
甘い、弦楽器の震えのような忍び笑いは
押さえた口元から毀れた。
――ああ、すばらしい。
曇天のような灰色の鎧、戦士の身体。
物語の気配に、吟遊詩人は眸をきらきらと輝かせた。]
お気になさいますな。
そう刃物の切っ先のような表情を
せずともよろしいですよ。
名の在る武人とお見受けしますが。
―中央区高級ホテルスイート存在区画―
……なんとまあ。多少の美辞麗句には慣れているつもりでいましたが。
貴方の言葉はなんとも甘い毒のようですね。
[言葉を合わせるところなども小憎らしい演出だ]
何ともこそばゆいものよ。芝居がかりながらも、ただの一つも虚言を感じさせぬ褒め言葉というのは。
[まさしく。この問答こそも、まるで歌合わせのようではないか]
しかしまあ、この通りの状況。長居も――?!
[流石に急に実体化するとは思っていなかったのでびっくりしながらもケイを守るように立ち位置を変えた事は褒めてあげてほしい>>212]
……。
[尤も、すぐに色々察したが]
[尋ねている間に、その姿が露わとなった。
その体躯から想像するに、セイバーかランサーだろうか。
それとも、バーサーカーかもしれない、などと]
苦労している表情だね。
でも、性格わかりやすくていいと思うけど。
サーヴァントとしてはやりにくいのかな。
[そんな感想を零しながら、かぐやの言葉に従ってお暇しようかと部屋の主の方を見た]
それじゃあ、帰ります。
これは、個人的な興味だけど、あなたのサーヴァントの戦い方を、見てみたいな。
[そう言って頭を下げた]
私のサーヴァントはこの様にサイズが大きいものでな。
あまり迂闊に顕現させたくないのだよ。
[名を問う言葉には]
アルフレートだ。
協会所属の魔術師である。
[>>214 彼が求めるものを
正確に知る術は、吟遊詩人にも、望月玲にもないが
首根っこを引っつかまれた主とその従者らしきに
笑いを零すさまは、何処か似ていた。
>>215名乗る「兄里」に、
蜜の様な声で、
「レイよ」と望月玲は答える。
序(ついで)のように、己のサーヴァントについては「レティ」と呼ぶのに、すぐその場の者は気づくであろう。]
……うむ。まあ、見ての通り、わたしたちも行こうと思うので。
[見れば部屋の持ち主の一人は歓迎しているようだし>>218]
……がんばって?
[一番場違いな言葉を、その鎧の偉丈夫にかけた>>212]
召喚される英霊に若い時期のものと、そうでない時期のものがあるのか・・・・・・。
[あるいは、辰の一部である自分が召喚した者なので、最盛期からはずれたものが出てきたのだろうか。
パピーは、そんな想像をする。]
剣の呪いを持つが故にバーサーカーってとこか。
爆弾に手を突っ込みに行く気分だったが、もしかして王子自身も結構な爆弾・・・・・・とか?
[「無礼ですよ、パピー」と、辰からたしなめられる。]
いや、辰がどっかでそう思ったんだろうが。
でなきゃ、俺はこんな思考はしないのだし。
・・・・・・ああ、解った、解った、そんな大量の言い訳を送ってこないでくれ。
[そう言いつつ、ヘイズレクの反応を見た。]
…………賞賛はありがたく頂戴しましょう。
しかし、――あっ
[申し訳なさそうな顔をしている間にも状況は二転三転していく。どうやら幸薄そうな少女と魅了の女は帰るらしい。去り際、かけられた言葉にランサーは益々申し訳なさそうになった。]
………………ありがとう。
[そう、奥底から絞りだすかのようでかろうじて礼を述べた。何の応援であろう。何の礼であろう。ランサーには分かりようもなかった。]
サイズが大きいから隠しておきたいのは、なんとなくわかるよ。
[と、かぐやの十二単を思い出した。
聞いた二人の名前にありがとう、と礼を告げて]
協会所属か……。
うちも個人的な関わり自体はあるみたいだけど、私は直接知らないから。
[根源を目指すのが魔術師だと、聞いた。それで言うならば、兄里家は根源を離れて、別のものを求めたことになるのだろうか]
協会所属の魔術師であれば、聖杯についてはもっと詳しいんだろうね。
少し、うらやましいな。
[もっと詳しく聞いておけば良かった、と思う。
今の状況は正しいのかもしれないけれど、どこかおかしい。
それでも、協会所属の魔術師がいて、協会に監理者がいるのだからどちらもここの聖杯を把握しているのだろう]
[やはり、上へ行ってみるしかないな、と思いながら、そのスイートルームを後にした]
……さくら、何の応援だったのあれ。
[廊下を歩きながら、かぐやが掛けた応援の意図がわからずに問うた。
足は非常階段の方へ向かう。
目的地は屋上だった]
―中央区高級ホテルスイート存在区画―
お褒め頂き光栄です。
嗚呼……毒だなどと、そんなことはございませんよ。
[ほんの少しばかり面映そうに眼を細める。
己の胸元に手を当てる、騎士の礼じみた仕草。
文化と国が違えども、重なるところはあるらしい。
さて、そのやり取りにざっくりと割って入った
青年と、偉丈夫のやりとり。
アルフレート――そして「協会」>>221
魔術師であるなれば、
覚えのあるところだろうか。
主の眉月のような微笑からはうかがい知れない。]
他の英霊がどうかは、流石に判り兼ねるが
…俺の伝承は、年少期から没して後2代先までの長いモノだからな。
召喚されるクラスで年齢が変わるのは、伝承に沿っての上だ。
[少し勝手が違う事もあるだろう、と言葉を付け足した。]
――いや、爆弾扱いでも問題無い。事実だからな。
マスターの体調が、蔵書の調べ事が適うのであれば
北欧の伝承辺りを調べれば、『呪い』とやらはすぐに判る筈だが。
…口で、説明した方が?
聖杯戦争は各地で起きている。
無論協会も把握しているから情報は多くあるな。
うらやむほどではないと考えているがな。
一つだけ行っておくのであれば、
今回の戦争は異質だ……。
[それ以上は言わない。
敵に塩送る必要はないから。]
[部屋の主の瞳がきらきらと輝く。]
―――――名のあるかどうかは我が身では分かりかねること。
それは語り部の為すべきものであり、聞き届けた民の業。
いずれ、我が槍を見た貴君が評する機会もありましょう。
侘びの駄賃として振舞うも良いでしょう。
――いや、その。なんというか――失礼をした。
[アルフレートの首根っこを掴んだまま、ランサーは扉を閉めた。]
―中央区高級ホテルスイート存在区画―
[>>220 吟遊詩人の主たるおんなは、
白い少女の言葉にたおやかに微笑んで見せた。
「そうね。機会があれば、楽しいこと、しましょ」
そう、そうする時は吟遊詩人に
無理難題を引っ掛けてくるのだろう。
セイバーのマスターを気に入ったから、氷漬けにしてみたい、なんて謂い出した時のように。]
ええ、そのときは、存分にお見せいたしましょう。
[従者自身もまた、答えることやぶさかではない。]
[出て少し。屋上へ向かう道すがら]
……何故か、最初に出てきた言葉があれじゃったのう……。
[いずれ戦わねばならぬ相手なのに、自分でも不思議ではあった>>228]
―中央区高級ホテルスイート存在区画―
ええ。賞賛はそのままお受け取りいただければこれ幸い。
[>>226 少女になぜか応援までされたのを見て、
くすくすと笑いを零す吟遊詩人であった。
これは戦争だが、得がたい会話の機会は存分に味わいたいと思う生粋の語り部である。]
貴方は律儀な方ですな。
[挙句こちらも素直な感想を添えた。]
[扉を閉めると共にランサーは疾駆した。それはアーチャーの時に見せた全力の疾走だった。背後は振り返らない。ホテルのフロントマンが振り返ろうと省みない。とにかくランサーは高級ホテルを正面入り口から脱出すべく全力で疾走した。正面入り口を越えてもなお疾走を止めなかった。気付いた時にはそこは見知らぬ路地裏であった。
ランサーの胸には確かな達成感が*こみ上げていた*。]
それは・・・・・・
[知りたい、と口にしかけて、ここで令呪の反応が密集していることを思い出す。
ここで話す事が、あるいは誰かに聞かれるかもしれない。
パピーはそう考えて口をつぐんだ。]
まあ、きっと辰が調べてくれるだろう。
[丸投げして、この話を終わらせる事にした。]
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