情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
おねえちゃんには心臓に病気があって、無事に生まれるかわからないって言われてたんだって。
でも、実際に生きて生まれられなかったのは、おねえちゃんじゃなくて、あたしの方だった。
生まれたときには、息してなくて。
蘇生も不可能で。
けど、心臓だけは、まだ生きてた。
だから、あたしの心臓は、おねえちゃんの身体の中に移された。
そうすれば、おねえちゃんも、あたしも、生きていられるから。
そしておねえちゃんは、毎日薬を飲むことと、ときどき病院で検査を受ける以外は、ごく普通に育っていった。
あたしも、おねえちゃんの中で一緒に生きて、一緒に育った。
楽しいときも、悲しいときも、ずっと一緒だった。
あたしとおねえちゃんは、ふたりでひとつ。
あたしのものは、おねえちゃんのもので、おねえちゃんのものは、あたしのもの。
そう思ってた。
パパとママは、心臓のことを世間に知られたくなくて、おねえちゃんにも、あたしのことを隠した。
生まれる前につけてくれた「ニイナ」って名前も、妹がいたことすらも、なかったことにして、おねえちゃんの中にある心臓は、どこかの誰かからもらったものなんだよってことになって・・・
誰も、あたしを見ていない。
誰も、名前を呼んでくれない。
視線はあたしの方を向いてるのに、見られているのはおねえちゃん。
呼びかけられる名前は、いつもおねえちゃんの「レイナ」って名前。
しかたないって、思おうとしたよ。
こうして、おねえちゃんの中で生きられるだけで、幸せなんだって。
・・・だけど、ちょっとずつ、耐えられなくなって。
ある日、とうとう爆発しちゃった・・・
その日、おねえちゃんは校舎の裏に呼び出された。
同じクラスの、男の子。
学校の制服はブレザーだけど、転校生だから学ランを着てて、ちょっと目立ってた。
その子は、「好きです」っておねえちゃんに伝えた。
おねえちゃんも、その子を好きなんだってことは知ってた。
だって、その子を見たとき、その子と話すとき、ドキドキするのは、あたしの心臓だから。
当然、結果は大成功。
喜んであげられたらよかったけど、
あたしは喜べなくて・・・
ずるい。
そう思っちゃった。
おねえちゃんは、あたしの心臓で生きてるのに、あたしは何も持ってない。
おねえちゃんは欲しいものをぜんぶ手に入れられる。
パパも、ママも、友達も、好きな人も。
どうして?
ずるい。
そう思ったら、急に心臓が暴れ出して・・・
そのあとは、覚えてない。
・・・気がついたら、ここにいた。*
[全てを話し終えると、ニイナは黙ってうつむいた。
こんな話を聞かされて、ウルはどう思うのだろう。
反応を見るのが怖くて、顔を上げることができなかった。
しかし、話せてよかった。
そう思ったのも、また事実。]**
ふ、え?
[カロラ女の子だったんだ、と問われれば>>1:97びくりと肩が震えた。手にしたカップの中で、自分の同様と同調するようにミルクが揺れる。
なんで気づいたんだろう、とカロラを凝視したところでミナの反応>>2:106は、逆に馴染んだものでほっとしてしまったような。
大概が自分を女の子だとは思わないし、女の子だと知った時は驚き目を見開かれるのが常だったから]
うん。
[目を見開く青年へはこくん、と頷くとえへへと悪戯っぽく笑う。
間違えられるのは慣れっこだったし敢えて間違えられるようにしているのだから、相手が間違えたことを気にしないようにと]
この方が、男の子に見えるかな、って思って。
[髪を切った理由は本当にただそれだけの。
上には二人の姉。跡継ぎの男の子を切望されていたのに女の子だったから。
女の子であることを責められる理不尽を、大人にぶつけるにはまだ子供過ぎて。
気にしないでいるには幼い頃から繰り返される言葉は鋭すぎた]
[戸惑うようなシャロの反応に>>18、笑顔は絶やさぬまま。
その動揺が手にしたミルクに伝わるのを見て少し目を伏せる]
……驚かせてしまったかな。
ごめんね、変なことを聞いて。
声と、仕草と、あとは――ちょうど、君くらいの妹がいるから。
男の子に?
……そうなんだ。ずっと、ずっと、小さな頃から、その髪型だったのかな。すごく馴染んでいて、似合っている。
可愛いよ。
[お世辞ではなく、そう思う。
だけど、ミナに向けた悪戯っぽい顔は、どこか無理をしているようにも見えて。男の子に見せようとしている理由には触れぬまま、ただ、可愛くなっていいんだよと、穏やかな笑顔で彼女を見た**]
[向けられる笑顔>>21にはまだ戸惑いの混ざった表情で、それでも口元を笑みに変える。
小さく手は震えていたかもしれないけれど。
彼が自分を女の子だと思った理由を聞けば、よく見ればすぐにばれてしまう嘘なんだと言う事を痛感した]
…、かわいい?
[似合っている、と言われれば嬉しそうに顔を上げたのは一瞬、可愛いいう単語には困った顔でカップの中のミルクへと視線を移した。そうした所で白い液体に自分の顔が映ることは無かったけれど。
即座にカロラの隣でミナが頷いているのに気づけばそろりとそちらに視線を移して]
男の子に、なりたかった。なれたら良かったなって、いっつも思ってた。
[もっとずっと小さい頃は姉のように可愛いものが好きだったのを思い出す。
いつからかそういうものから目を背けるようになったけれど。
目を背けてみたところで男の子になれるわけでも無かったけれど。
幼いながらに、両親の、祖母の願いをどうにか叶えたくて。そんな自分を見る母の目が、時々辛そうな色を見せるのにも気がついてはいた]
――シャロは女の子なのだから
でも、女の子はいらないって言ったよ。
――そのままで良いのよ。
ならどうしてお母さんは私を見る目が辛そうなの。
どうしてお父さんは男の子のような私を見て、本当の男の子だったらとため息をつくの。
――跡継ぎの男の子が……
“私”はいらない子なら“僕”になれたら良かったのに。
(それでもあなたは私のあいするこどもなの)
[お互い口に出さずにいる言葉は、相手に伝わることが無いままに。
すれ違ったまま、長い休みを家にいるのが辛くて参加した夏のキャンプ]
…星を、見ていたの。
[生まれた場所では見たことのない、満点の夜空。
家族の目の無い場所はとても楽しくて……そして、気がついたらここに居た]
[キャンプの日程は、父方の祖父母が住む田舎を訪ねる日程に重なっていた。
これに行きたいとチラシを出した時、母は何も言わなかった。
行けば自分の顔を見て跡継ぎのことを言う祖父母。辛い思いをしていることを少なからず察していたのだと思う。
わかったわと言って父に相談し、キャンプへの参加を許してくれた母]
行ってきます。
『気を付けてね。これ、お守り』
[そう言って渡されたお守りは、母が作った巾着の中に納められていた。
それは男の子のような姿をした自分に渡すには不似合いな、ピンクの花柄で女の子らしいものだった]
『女の子で良いのよ』
[そう母が言ってくれてるようで嬉しくて。大事にしようと思ったのに――]
……
[今は手元にないそれ。どこに置いてきてしまったのかとポケットを探った]
[ニイナは顔を上げてくれただろうか?
そのまま、先程と同じく彼女の頭を撫でる。
…そこに、彼女がいることを確かめるように]
君の姉さんは…幸せ、だったんだろうな。
[どう言ったものか考えて、結局出てきたのがこの言葉だった]
ご両親に愛されて、友達がいて。
学校に通えて、好きな人ができて…『恋』を、することができた。
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新