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[再び、神様の頭が揺らぐ。
わとと!とバランスを取れば直ぐ傍にはテトラの身体。
主と仰ぐのであれば。貴方と共に。
会話の断片断片から、テトラさ、神様の御使いばなるがね?と何となく思い当たるも
幸せそうなにゃあという鳴声、穏やかな神様の声にもう一度、お口をチャック。
自分を優しく撫でた手、お客様を優しく抱く腕。
姿は見えずともあたたかい神様の身体にも、2匹のけものの身体にも、
等しく夜空の花の光は降り注
きぅ。]
じぇっ。
[……口は閉じれども、お腹の虫は黙らなかった。
静かに咲く花は花火の様な轟音はせず、その腹が鳴く音を誤摩化す事も無く。
思えば神様の為にかけずり回り、小さな胃袋の中身は既に栄養として消耗され切ってしまっていたところ。
きまり悪そうにお腹を抑えるが、時既に遅し]
[メデューと手を取り、道なき道を歩く。
どこに向かっているのかは分からない。
だが、不思議とこっちで間違いないという自信はあって。]
(風が……こっちから……?)
[ふと、開けた場所に出る。そこには――]
……テトラ?
[彼女の姿を見つけた。傍にパーシヴァルと……どうにも形容できない『存在』がいるのが分かる。]
[風が吹きすさび、彼女の長い髪の毛を自在に揺らす。
その姿はまるで、何か束縛から逃れて今にも宙に浮きそうな予感すらして。]
……行く、のかい?
[どこに、誰と。とは全く訊かず。
もう、彼女は自由なのだから。――僕は、そう感じていた。]
[2人は腹の音を聞いただろうか、どちらにせよこのムードを…!と
誤摩化す様にくるくると頭や尻尾を毛繕いしたりする浮遊リス。
その傍を不意に、棒手振の飲み物屋が陽気な、歌う様な呼び声を上げながら通り過ぎて]
んぁあ!
にいちゃ、其れラムネばね!?
ちょーだ、ビー玉ちょぉだあ!!
[透明な頭からひょいと、棒手振の青年の頭に飛び移る。
彼からすれば急に何処かからリスが飛んで来た様に感じただろう。
まさかそこに不可視の何かが居るとも思わずに。空のイリュージョンが起きている今こそ、おせんにキャラメル…等の稼ぎ時。注意深く周囲を観察できる状態でもない筈だ]
せばな! 神様、テトラさ、飲み物ば飲むべ?
夜ぁ…納涼星がもっと、もっと綺麗ばなるのは此れからだべな。
この夜ば明けても…まだ神様行っでね所あるべし?
テトラさも海の廃墟ば見ね? せっとも湖さ見に行くがねぇ?
にゃんこなら磯ば魚捕えがね? くふふっ、ちっちぇ星だども此所だけが納涼星ではねべ。
んだがらちゃぁんと、飲み物ば飲まねば!!
涼しうても水分ば大切!!
安心せね、奢るべな?
で!…なーぁにいちゃぁ去年凍石ば欲しがっちょったろ?
あっちゃ今年ば冬、にいちゃぁの為に見っけてそれば今ご神木に…
[ちょっと2人から離れたからOKとでも言うのか。
再び持ち前の甲高く早口な鳴声で一気に捲し立て、一方的に話を展開する。]
……んぁっ、ポールさ、メデューさ!!
[小川側から歩いて来た2人の姿を見つけたのはその時のこと。
2人が見えない『神様』の上に乗っていた時点のリスの姿を見ていたかどうかは定かでは無い]
…パーシヴァル!こんなところにいたのか。
……もしかして、そこにいるのが「神様」?
[パーシヴァルの姿を見つけ>>66。風に乗せて届いた「神様」かと思い尋ねた。]
くふ、くふふっ、くふふふふっ!!
ポールさ、だいせぇがぁい。こん人ば神様やびんっ!
素敵ば人きね、神様ば為にあっちゃいっぺごちそう集めたの。
[棒手振りの頭の上から、ぱぱーん!と両手を広げて
静止する風船を。テトラを抱く歪みを示し。その後にご神木の前の屋台グルメ達を指差す。]
…じぇ! そごの風船の袋ば中も皆ば為に買った焼きトウモロコシべな!
腹空いたならば食べ、食べ!!
……んにゃぅうっ、腹ば空いたんはあっちゃだったぁ。
[先程のテトラの笑い声>>68がすぐに蘇って来て、恥ずかしそうに尻尾で頭を隠した]
っぺー★
[説明しよう!
ウィッチちゃんは、皆で小川の蛍を見に行った後、宵闇に潜む祭り好き(?)の獣と短時間の間に魔法勝負(物理)を繰り広げ、強敵と書いて、とも、と読む仲にまでなっていたのだった!
その為、様々なイベントには関われなかったが、こう見えても不思議な魔法少女。美味しい出番への嗅覚は鋭く、ちゃっかりとポールとメデューの奇跡イベントには、魔法の力(?)を送っちゃったりなんかしていた。けしてこれは駆け足の解説などではなく、ト書きである。]
[そして今現在のウィッチちゃんはと言うと、とも、と共に再び屋台街へと戻って来ていたのだった。両手には、沢山の屋台の食べ物を抱えて、もぐもぐぺろりんこ。]
ひゃー、美味しいものが沢山だっぺー★
空も星屑花火で綺麗だし、星の皆にも見せてあげたいっぺー★
[ウィッチちゃんは空を見上げて、この夜を記憶するように目を輝かせる。月の杖の先には胡粉◆色に光が仄かに宿っている。
もしかしたら、パーシヴァルか、[黒猫 テトラ]辺りに出会っちゃうかも?]
テトラ……。
[最後に会った時とは、何かが違う彼女。何故だろう。今の彼女を見ていると――とても嬉しい。]
テトラ――君の居場所は、どこ?
[今度は答えが返ってくることを確信して。僕は訊いた。]
そうか。見つけたんだね。
…ははは、あははははっ。
[笑いが零れる。テトラも、パーシヴァルも、―メデューも。]
皆、幸せなんじゃないか。
どうして、こうなったんだろうね。
風が、星が、皆を導いたのかな。
[――もちろん、僕も。隣にいるメデューの手を、ぎゅっと握った。]
[顔を覆う尻尾の隙間から、近寄って来る胡粉色の光に気付く。
んにゃ?と尻尾をどけてみれば、そこには嬉しげな魔法少女。]
くふ、くふふっ!
お客さも納涼星ば楽しんでるがね?
でもやっぱ水分足りてね!
[彼女の抱えたごちそうを見て、にぃちゃ、追加で飲み物一本!と威勢良く声をかける。
出会ったばかりの少女にも奢る気満々のリス。皆に飲み物が行き渡れば、
さささ、乾杯でもせね?と勧めるのであろう。
きっとこの夜が明けた次の朝も……彼等に付き纏い、例の早口で観光ガイドでもおっぱじめるか。
また何処かからおいしい物を集めにかかるのか。
此所ば来たみなが、しあわせたぁれ!!
自分の住処の星を、各々が幸せな時を、楽しんで貰えれば。
お喋りなリスにとっちゃぁ、それが自分の幸せなのさ。
その幸せが、厳しい長い冬も乗り越える糧となる*]
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