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[小さな身体で荒く息をつきながら、ミツルの動向を見守る。
狙い通り、攻撃は千早を庇ったミツルに直撃していた]
はぁ、はっ――…。
[残った魔力のほとんどを注ぎこんで、地に膝をつく。
何とかぱちんと指を鳴らして変身魔法を解くも、変身前後は魔力で召喚している拳銃を呼び出す事もできずに千早とミツルの様子を見つめた]
……ふん、その女が大事か?
…完全に狂ったかと思ったが、拍子抜けだな。
――ならば、先にその女を殺せば、どうなるのだろうな?
[つまらない、とばかりに吐き捨てれば、『ああ、そうだ』と悪戯を思いついたかの様に。何でも無いように――、そう非情に笑った。完全に制御を外れるだけの力は獣には無いが、グレンが戦いを選ぶ以上はそれは支配の範囲内の事で。
アレクシスに情はあれど、獣は根底は同じなれど情はさして無い。
単純に獣は何時か暗夜で彼に去り際に述べた様に――彼の力を見たい、という感情で動いていた。
>61目を見開く彼女に目を向けては、容赦する事無く、再び地を蹴っては重力で空間を圧縮させれば一気に二人に詰める。至近なれど本来範囲外の場所で人指指に当たる部分の爪を千早の左胸部分を狙って、貫かんと伸ばすが――――]
ぐはっ、お、俺は、ま、まだ死ねない…こ、こんな所で…
まだ、俺はエリィゼとクロロのために何もしていない…
それに千早にあれを…
[ミツルの元から小さな箱が落ちてきた、その中には千早に渡そうとした指輪が…
(/*これがきっと千早を守ってくれると思います…)*/]
―闇の底―
[手にした花は、白い大きな花弁を持っていた。
くるり、くるりと揺らしつつ、歩いていく。
時折現世の喧騒が耳を掠めるのは、
自分の一部を妹が持ち歩いているからだろうか。
足元に広がっていく花畑は、
彼らの癒しを祈っているようにも見えた]
[そして、彼と別れることになる前日。
もう演奏を聴いてもらうことができないことへ残念そうにしながらも、木箱の入った紙袋を取り出しながら、困ったように微笑んで]
これ、もしお荷物でなければ、どうぞ。
寝付きがよくなるかは、わかりませんが。
[渡したのは、発条仕掛けのオルゴール**]
― ??? ―
〜〜〜♪
[ 不意に聴こえてきたメロディに
はっ、として辺りを見渡す。
右上に、キラリと光る何か。 ]
……こんなところにあったのね
そりゃ、見つからないわけよ。
[ 戦禍に巻き込まれてどれほど経った頃か。
左足のアクセサリーを外し闘ってから、
肌身離さず持っていたオルゴールが
見当たらなかった。
仕方なく帝国の礼拝堂の演奏を
聴いていたのだが、
マオの演奏とオルゴール程の効果は
一度も得られず、毎朝寝坊の日々に。 ]
…生きて、帰らなきゃ
[ 身体を器用に動かし、
オルゴールに手を伸ばして掴み取る。
懐かしい音に耳を傾け、
黒曜石のような瞳を揺らす。 ]
[シエラが魔法で死者の兵の手を燃やすのに、思わず口笛を吹きかけて片手で口を覆う。あっぶね、とセシルを横目で様子を窺えば、すれ違いだったか彼女は手の燃える兵に視線を移していて。]
(やっぱりすごいよねぇ)
[幼い頃、彼女が自分に積極的にその才能を見せてくれることはなかっただろう。けれど、その才能や制御技術やらは耳に入っていたはずだ。この目で見たことも、もしかしたら。
出てくるように言われれば、セシルの心境にも気付かず手を振り振り一歩前に出て口を開く。]
やっほー、シエラ
久しぶりだねぇ…覚えてる?
[言いながら、いつでも扱えるようにロッドに手を添える。セシルの言葉に彼女が従わなければ、戦闘になってしまうかもしれないから。
彼女はなんと答えただろう。武器と、魔法の出番はあっただろうか。]
ダメ!!
[空間を捻じ曲げ、アレクシスの攻撃をアレクシス自身に返す。勢いを殺さなければ深々と傷をおうだろう。]
す…き…?
…ねぇ…まってよ…!!それだけ言って…おいていくの!?
ねぇ!!!
[膝の上にミツルの頭を乗せ、泣き喚いた。]
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