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―故・ヴァイイ伯の城にて―
[大広間にたどり着くと、ニクスに微笑み、繋いでいた手をそっと離した。広間に鎮座する銅鑼に近付き、それをじっと見つめる。]
あれー……ヴァイイ伯ってこういう趣味があったんですねぇ。
[ノックするかのように、右手の拳を軽く握り――…]
ごぉん、ごぉん、ごぉん、ごぉん、ごぉん……
[――…拳が5回、空を叩く。]
ああ、やだなあ。ホントに僕が叩いたりしませんってば。そんなことしたら、殺されちゃいます。
[こちらを睨む誰かの使い魔に、ニコリと微笑んだ。]
[こちらを見つめる使い魔――全身が黒い鱗と赤い体液に覆われた、四つ足の獣――の目を、ジュアンはじいっと見つめた。]
[――きれいな、青。
――"purified blue"]
[黒く染まった右手の爪がぴくりと動く。
―――衝動。
―――それを狩り取りたい、衝動。]
あはははは。
子どもじみた真似してすみません。
なんだかんだで、この「パーティ」が楽しみなのかもしれません。
もしかしたら、あなたのご主人も、この「パーティ」の参加者さんですか……?では、ご主人にも、よろしくお伝えください。
ああ、もちろん。あなたとも。
……よろしくお願いしますね。
[ジュアンの口許が、にいっと*歪んだ*]
……
[ロクな者が居ない。
些か退屈そうに、何もない空間より本を取り出しかけたとき、
大広間に新たな顔が現れた。
瑠璃色の琵琶。蒼の瞳。
眼を射るように鮮やかだ。
穏やかな笑みを浮かべたそれは、
戯れに銅鑼を叩く真似をする。]
――……。
[――5つ銅鑼が鳴るときに。
魔は、唇を歪めて笑う。
ウェスペルは、その様子を見るともなしに見ていた。]
[──紅い髪の男が、地の裂け目の傍に佇んでいる。
男の薄い唇には歪んだ笑み。
そして燃える隻眼は彼が居た地の底 ─ 深淵 ─を見詰めていた。]
・・・…
…残念だったな。
私も以前ほどの魔力は無い。だが、お前には…、
ヴァイイ伯を斃した時の傷と…、
私との《契約》が、致命的だったようだ。
[クァルトゥスが愛撫する様に擦れた声で呼んだのは、伯の死を知らせに訪れた銀色の悪魔の名だった。]
─…可哀想に。
お前は「願い」を叶える事が出来ない。
[地の裂け目の下。
クァルトゥスは、既に息絶えた銀色の悪魔を片目で見下ろす。
ぽかりと空いた虚ろな眼窩。
クァルトゥスの左目は失われて無い。
再生が侭ならないのか、敢えて戒めの為に再生せぬのか。]
お前の取り戻したかった「女」は──実は、私から離れる事が出来ない。彼女もまた、私の意志の及ばぬ《呪い》によって、私自身の真の姿と共に封印されている。
彼女を私から引き剥がし、取り戻さんとするならば…──
…かつての私を地下へ封印せし者へ、
お前が反逆した事になる。
敵うはずが無いな…。
[クァルトゥスは、自分自身を含め嘲る様な声を漏らした。]
[クァルトゥスの義手の内側から、軋む様な音がした。
まるで、男の言葉に抗議するかの様に。
──クァルトゥスの義手。
それは無数の血管を束ねた様な有機的な形状で、右腕よりやや長い。
暗赤色の義手からは、常に生命を死に至らしめんとする種の冷気が漏れており、恐らく、その指先が触れたなら、力の無い悪魔は一瞬で凍死するのではないかと思われた。]
私も「彼女」に逢いたいのだよ。
彼女に逢えると云うことは…私本来の姿を取り戻す事を意味している。
[ギシィッ]
[ギシィッ] [ギシィィイッ]
[深淵を見下ろしたまま隻眼を細め、抗議の音を楽しむ様に義手の指先に男はくちづけた。]
―ヴァイイ伯の館・広間―
……使い魔も、随分減ってしまったのではないかね。
[グラスを下げる為か、
やってきた尖り耳の魔に、声を掛けた。
使い魔は首を傾げるも、そうですね、とだけ答える。
この者は亡き伯の使いか、
或いは魔王の命により此処にいるのかは分からない。]
災難なことだ。
[淡々と呟く。
ロネヴェなど嬉々として引き裂きそうなものだと思ったが、
名前を口にした途端背後に沸いて出るような
よく分からない悪寒がしたため、
手で声を遮った。
使い魔は不思議そうに首を傾げた様子である。]
[よたよたと元来た方角へ飛び去る毛玉の使い魔を寸時眺めていたが、愛馬の不満げな軽いいななきを耳にして、優しい手付きで首筋を撫でてやる。
闇の馬はそれを了承の合図と取ったか、勢い良く疾走を再開した。
くすくすと小さな笑い声が風に溶けて消えていく。
細められた蒼い瞳には、依然として解けきれぬ無聊の色が残っていたが、それでも格段に気分は引き立ったようで、口の端は自然笑いを形作る。
乱れた髪の蒼が、夜の黒鉄のなかで花のように流れた。]
[ジュアンの言葉はやはり謎かけのように思えて、夜闇の青を宿した眼をかれの笑みへと向け、「淑女」として表には出すことはなかったが、内心では、「遊び」を断られたらしい事に唇を尖らせていた]
[けれどそれも主亡き城の広間へと入った途端、霧が晴れたように失せる。
「紳士」の手から放たれてしまえば、もう「淑女」の姿はない。
鳴らない銅鑼には視線も向けず、広い室内も狭いというように、軽やかな足取りでくるくると巡る。周囲の目を気にしたふうもない。
やがて夜の黒と血の赤に彩られた絵画の前で立ち止まり、片足を視点に180度方向を変え、館の者と思わしき尖った耳を持つ魔に歩み寄った]
ねえ、ねえ。
「パーティ」はまだなの?
[眼前の候補者に意識を向けていたかれは些か驚いた様子で、伝令の言葉を繰り返す]
それは知っているよ。
それがいつなのかが知りたいんだ。
[手の伸ばして、卓上に置かれた、深い緋を注いだグラスを持ち上げる。二本の指で底を支え、水面を揺らした]
[──その時。
天空よりクァルトゥスの元へ、故ヴァイイ伯の後継者「候補」に彼が選ばれたとの知らせが届いた。
クァルトゥスは感興を動かされた様子も無く、使い魔の言葉に隻眼をゆっくりと瞬かせたのみだった。深淵から一歩遠ざかり、銀色の悪魔へ最後の言葉を紡ぐ。]
「彼女」を取り戻したかったと言う、悪魔らしからぬ想いは理解し難いが。…お前がヴァイイ伯の心臓を、私の元へ運べた事を褒めたたえよう。
私が後継者の椅子を取る事を願ってくれ。
…クックックッ … ──
私が本来の姿を取り戻せば、
私の一部と化したお前も、「彼女」に逢えるだろう。
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