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【ラス・アルゲティ】
─ IRPO ─
[ラスは地上を睥睨する。
大半の者は誘導に従って逃げて行くが、中には抵抗する者>>104もおり、守ろうとする者>>124もいる。そして、喰い破ろうとする者>>145もいるのだ]
[風が。
少し強くなってきたらしい]
[アッシュブロンドの髪を風に揺らし、ラスは手招く。いつの間にかそこに握られていた瑠璃の酒杯を、優雅に唇に押し当てた。
そして空になったそれを逆さに捨てる。瑠璃の酒杯が落ちていくと共に周囲に、甘く、痺れるような香りが漂い始めた。
誘惑し、同士討ちを呼ぶ、魅了の香り]
――っ、やだ!!
[両刀を、目の前の妖魔に振り、駆け出す。もしかしたらまたバランスを崩して転んでしまうかもしれない、でも早く孤独から抜け出したかった]
どこ!?どこにいますか!?
[返事をしてくれと、声は相変わらずの合成音だが、叫ぶ。
もう独りは嫌なのだ、独りぼっちは――]
[強く願った。 誰か助けてと]
─ IRPO ─
自決しなさい!
[トキワの号令一過、コーヤの徒は一斉に自らの身体に術を打ち込みその場に倒れた]
…想定していたとはいえ……ラス・アルゲルティ
[口許をフードで覆い呼吸を抑えることでなんとか抵抗を続ける。だがそれもいつまで持つか]
【ジェイコブ】
─IRPO─
よいしょっと!ふう…。
[何とかナガサメの件を終わらせIRPOで休憩しようとした時、謎の暴徒>>148が。]
やれやれ…やっと休めると思ったが、どうやらまた取材の予感だね。
いい加減、休ませて欲しいなあ…。
[呟いた後、すぐさまジャッカルのいる病院へ向かう。]
[ぐしゃんっ]
[月面で繰り広げられたのと同じ光景が、相棒>>150の目前で繰り広げられた。おっといけない。相棒はR指定の適用範囲だ。リポーターさん、モザイク頼むよ]
待たせたな相棒!
…さっそくで悪いんだけど、起こしてくれな…おおー?
[くしゃくしゃのスプラッタ。と思いきや、内部から染み出した透明な体が繋ぎとめるようにして体が起き上がっていく。シスだ]
さーんきゅーう、シス。
[お礼を告げていたら、にゅるんっと当のシスが顔を出す]
『だれ?さっきもいたけど。なんだかとくべつ?』
[さっきは寝てたせいか興味が薄かったみたいだけど、ここに来て“繋がった”感情から察したらしいうん。そう。特別]
シスにも見せたじゃん。
わたしをいつも守ってくれる、正義のヒーロー。
[そこに疑いはかけらもない。のだけど。
シスに思い出を見せたとき、気づいちゃったのだ。
相棒は、ヒーローだから相棒って訳じゃない。ヒーローじゃなくたっていい]
そんで、一緒に居るのが何より嬉しくて楽しい、わたしの相棒。友達。
お、嫉妬しちゃった嫉妬しちゃった?
だーいじょうぶ。なんたってわたしの自慢の相棒だかんね。
シスも絶対気に入る。保障する。そりゃもう、絶対だね。
[我武者羅に電磁ソードを振るう、逃げるように足を前へとひたすらに出す]
お父さん、お母さん、カイヤ。
[自らの腕の中で冷たくなっていった弟と、自分を抱きかかえていくうちに温もりが失せていった母]
[ぽちゃん]
[周りの狂った叫び声がどこか遠くで聞こえる、まるで自分だけがここにいないかのように。
――嫌だ、誰か傍にいて。 独りにしないで。
その絶望はもしかしたら、かつて父が味わったものだったのかもしれない]
………。
[あぁまったく、わなわなとふるえる肉体が欲しい。
私の「正義の味方」はこんな軽い人なのかと。
少しくらいロマンチストな思いをさせてはくれないのかと。
先ほどまでの悲しみや絶望はどこへやら。
「何にも変わらない」、旅の友を見て、一言、言ってやりたいと]
なんだよー、ごめんよぅ。
…うん、ごめん。ごめんね。
一緒にいるって言ったのに。
[首を横に向けた相棒は本当に怒っているようで>>160。
相棒は超強いから大丈夫だって。弟くんもいるから大丈夫だって。分かれてしまったのが、悔やまれた。
悔やまれたので、謝る。悔やんだまんまだと生きた心地がしないので]
だーがしかし、こっから先は超絶無敵だ!
わたしがいて、相棒がいて、友達がいてシスもいるんだから超無敵!
相棒!背中は任せろー!!
[ばりばりー!そんな音を響かせながら、相棒の背中に迫った混乱した人たちにウイルスバレットをぶっ放す。
ちょっとやわらかくなった相棒は、割と隙だらけだ。やべぇかわいいと思ってしまうのも致し方あるまい。]
─ IRPO地下 ─
『「正義」を欲し、
「ヒーロー」を愛する、
一人のメカニックとして、君達にひとつ贈ろう』
「プログラム:ジャスティス」
『ダウンロードしたまえ。
同機種連携の攻撃を』
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