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安部 御門 に 5人が投票した。
霜月 半葉 に 1人が投票した。
安部 御門 は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
暗雲が去り、まぶしい光が降り注ぐ。――全ての人狼を退治したのだ!
/* ←なんとなくこれ付けたけど、進行中付けてなかったし今更だなあ。
何人か初同村の方がいらっさる気がするんですが、ちょっと記憶があやふやになっている今日この頃。
「あず」こと asbntby でございます。最近は忘れた頃にしか村に入っていないレアキャラであります。いや体力ないんですよマジで。
山麓の街、遼往。
方角にして東の区画に、隠岐工房と呼ばれる店はあった。
陸屋根のビル群が続く新興地に佇む、切り妻瓦葺き。近代化著しい一帯に於いて、昔ながらの風情を残す平屋は、地元では知る人ぞ知る古書の専門店である。
紅い着物の女主人と、中華風の衣装を着た美青年。そんな二人が経営すると噂されていた小さな場所は、少しばかり前、あっさりと看板を下ろした。
今では、二つ分の平屋が、息を潜めて朽ちる時を待つばかり。
彼らを隠すように、周りには次々と大きな摩天楼が聳えている。夏には、店舗の前を走る道路に陽射しが降り頻った光景も、汗を拭いながらホースで水を撒く女主人の姿も、今では見られない。昔を懐かしむ者が前を通りがかれば、香ってくるのは、開け放たれた店の中で慌しく動き回る人影ではなく、僅かばかりの線香の匂い。かつてこの街を駆けた白い車体も、店の前にも、母屋の傍にも、どこにも見受けることはできない。
線香をくゆらせるもの以外、そもそもの人の気配が感じられないその家屋も、新聞受けに溜まった物資は溜まるばかりではないらしい。
誰かが中にいる。
紅い着物の女の人が外出するのを見かけた。
推測と噂はなされながらも、店が閉じられて以後、その実体を見たものは誰一人としていなかった。
母屋の庭、その隅に建てられた小さな墓。
『老麺屋之墓』と掘られたそれは、土に塗れることも、蔦に撒かれていることも、苔に侵されているでもない。一日一度、立てかけられた花の水が変えられ、線香の煙が細くたゆたう。
縁側に備え付けられた引き戸が、細かく硝子を震わせながら開かれた。壁の木目で翅を休めていた蝉は、慌てた様子で庭へ飛び去り、線香の煙を避けるようにして、空の向こうへと消えていく。
床が足音に軋む。足を下ろせば縁側の下には簡素なつっかけ履き。墓へと歩く人影の衣は紅い和装、黒い髪、黒い瞳。――手には、お供えのスイカ、丸ごとひとつ。切ろうと努力した痕跡すらない瑞々しい夏の風物詩を、墓の前に供えて、女は笑顔を浮かべていた。
短い祈りを捧げた後、紅い着物の女は、天に昇っていく煙を見つめながら、遠く、蝉の声を聞く。塀の向こうでは雲が飛び交い、風と陽射しの間を縫うようにして、鳥が群成し、手も、目すらも届かない遠くへと飛んでいった。
空に見るべきものが無くなっても、煙が途絶えるまで、そうして呆けながら過ごす。目を瞑っても、意識を溶かしても、川のせせらぎも人の声も、どこにも聞こえないけれど。
線香が灰に還れば、女は立ち上がった。役目を失ったホースを尻目に、如雨露へ水を汲み、墓とは少し離れた場所に植えられた桃の苗木に水を落とす。
一夜を通しても目に見えた変化はない。
毎日、毎日、ただ水を与え、待ち続ける。
水を撒き続けたその手に、果実が収まる日が来るまで。
「――――桃は、もっと育つでしょうか。母上」
果実を手にする日は、きっと来ないであろうことを、彼女は知っている。誰に教えられるでもなく、生まれた時より備わった摂理。
土に塗れ、雨に濡れ、虫を潰し、枯れかけた枝葉を手折った。
汚れた掌に、実った一つのモノが収まることはないだろう。
それでも、墓と苗木の世話をする。
偏に、彼女の大切な人に、願いを託されたから。
偏に、彼女の大切な人に、任されたから。
偏に―――、彼女自身が、果実の味を知りたいと願ったから。
「土御門さんのところにも、お花を供えませんと」
立ち上がる手には、淡い青色の花と、どこにでもある糸巻きが握られていた。
彼女は隠岐工房と呼ばれた家屋守り続ける。掛け軸の裏に秘された部屋も、店中に置かれた過去の知識も、今はもうここには無いけれど。
「……霜月さんは、どうされるでしょう。聞いてみましょうか」
同居人の答を聞くべく、家屋の中へと戻る。
家屋が朽ちる時よりも、彼女の命が景色に還る時は早く訪れる。
それでも、何事も起きない日々を生きていく。
最期のその時まで――彼女が願った、在りのままの姿で。
―― 元より。
忍びとは、陰に、暗部に、闇に生くるべき者。
その功、その名、その生涯を歴史の底に覆い隠し、忘れ去られるべき存在をこそ隠密と呼ぶ。
悪党と呼ばれた者共より生まれた甲賀の忍び。
その一派が隠岐。
――彼らが継ぐ命という名を知る者も、無論あるはずもなし。
ただ一人が、禁を侵した。
ただ一人が、外来の者と交わったことにより生まれた血筋。
門外不出は闇より漏れ出し、更なる誓約を必要とした。
遼往市での戦いが終わった後、紅い着物の魔術師は姿を消した。
その身に似た赤い色の雫と共に、長く伸びる影だけを残して。
魔術師としてこの地に在った彼女は、生持つ者にもう一つの名を名乗ることはなかった。名乗る時は必滅の時。必滅とは即ち、生ある者が死に落ちる時。彼女の名は死と共に葬られ、そうして、彼女の本当の名を知る者はなくなっていく。
誰に仕えることもなく、誰と繋がることもない。
そこに仕事があるならば、宵闇と共に現れる者こそ、選定の山で生き延びた、隠岐家の末裔。月影すら映さないその行き先を知る者など、誰もいはしない。
― どこかの街 ―
―――― りょーかい。です。
あー。そう心配せんとってください。必ずやりますし……そら風強いですけど、他よりは条件ええですよ。悪い条件やと思ったら撤退するんも考えの内ですし、 あっ
[使い古した黒いスマホから聞こえていた声が、途絶える。
長い息を吐いた。ビル風に揺れる黒い羽織。その奥より伸びた両手に握られた、彼女の背丈には不釣合いな対物ライフル。]
……まあ射距離2000はどう考えても無茶やけどな。
[引き金には手をかけず、スコープだけを覗き込む。
背後に浮かび上がるのは、極小まで凝縮された「硬質」の炎。]
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