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[ドワイトさんに頭を撫でられるのは、どれくらいぶりのことでしょうか。
まだ教会で暮らしていた頃、何度か撫でて貰った記憶があるのですが。
立ち上がる背中を引きとめようと思ったのですが、その背中にかける言葉は思い浮かびませんでした。
言葉が浮かんだとしても、声は出ないのですが。
だからわたしは、ありがとうございます、と、心の中で呟くのです。
何度も、何度も、噛み締めるように。
そうしてまた、考えるのです。
わたしに何ができるのか。
残り僅かな時間を、わたしはどう生きるべきなのか。
そっと、左頬の包帯に触れます。
―――最近、灰化の進みが、早くなってきたように思いました。]
[思考は、歪んでいる。
死んだ人は墓地に運ばれるから、
墓地に運ばれていない両親は死んでいない、と。
どこかの国のどこかの街に、“おしごと”のために出かけていった両親。
東の村の結末も、北の街の惨状も、
他の場所の滅んだ経緯も耳にしていないかのように、
否、耳にしたとしても既に―――忘れて。
彼らが帰る日をひとり、待ち続けている]
[アルカの店で買い物をした。
"こんな"世の中になってから、流通は麻痺し、貨幣での交換は殆ど成り立たなくなってしまった。ある者は物々交換、またある者は労役、ある者は慈善家の真似事をして自分を満足させている。
そしてこの店は――かつて成り立っていた当たり前の再現を望んでいた。
幾ばくかの銀貨と引き換えに、僅かな食料を手にして、男は自室のあるアパートメントに足を向けた]
[息を吸って、吐いて。
歌うように、童謡を詠むように、言葉を紡いだ。]
さあ、星《エステル》は 降る 降る
灰色に落として 蒼穹を創ろう
……。
[目を閉じて、開いて。
ふ、と脱力したような笑みが漏れた。]
昔、ある「手紙狂い」が請け負った仕事がね。
そりゃーもう、不思議だったんだって。
まあ、私らみたいのに来るモノは、人に言えないモノの方が多いんだけど。
内容は、荷物を運ぶことと、口伝の“手紙”。
[首をふるふるとふるってから、ずれたキャスケットの位置を直す。
その仕草のせいで、表情は隠れただろうか。]
灰色翼人に会うがよろしかろう。
貴重な生き残りがいるからねえ。
……それと、魔法のことならポラリスかスーだねえ。
ただ、スーはもう危うい。何か情報が得られるかどうか……。
[本心としては、壊れかけの子はそっとしておきたいところだが。
この狭い村、少ない生き残りを巡れば、どうせたどり着いてしまうだろう。]
……ふふ、何の因果だろうねえ。
[今作る笑みは、苦いもの。
どうして苦いのか、もはや己にも分かるまい。]
[一人になれば、足取りはやや覚束なくなる。
他人が見ていない分、気をはる必要がないからか。
自室へ戻る途中、窓から見えた灰の降る空。
先ほどの鳩の姿が重なって見える]
――――――…嗚呼。
[そして今日はパースが村に来て10周年だったと思い出す。
通信屋の姿を始めてみた時、
男はもう十分に大人だったが、
それでも思わず問うてしまったことがある。
『私宛の手紙は、届いているかい?』
少年兵をしていた頃の記憶は曖昧で、
それ以前の思い出はほとんどない。
生死を彷徨った折に、
其処までの命を置いてきたかのように]
[…届くはずはないと分かっている。
家族や故郷の記憶はない。戦友はみんな死んだ。
名無しの手紙は届かない。
死者は手紙をよこさない]
ああ、それと。
エラリーにも会えばいいんじゃないか?
時に想像力というものは、関係のない部品をつなぐ糸になるだろうよ。
それに、彼の創作意欲も刺激されるだろうからね。
[馬のしっぽをしゃらしゃら揺らして、出せる情報をそろえて並べ、にこりと笑った。
それ以上は、今は何も言うつもりはないと言わんばかりに。]
[自室に戻ると、どんよりとした薄暗さと埃っぽい湿気た紙と、インクの匂いが迎えてくれる]
……
[無言のまま男は手に入れてきた食料を入り口近くに置き放ち、身体に見合わぬ机に置かれた中途を手にとった。
男の部屋は、閑散としている。必要以上に置かれているものが少ない。仕事に見合わぬ、書物の類も職の割に少ないかもしれない。
机と、灯りと、インクと、紙と。
保管用と思われる木箱が幾つか部屋の隅に転がっている。
その中でなぜか一つ、ドアの横に見合わぬ巨大な工具が、土のついたままに鎮座していた]
[――いやな、予感がした。
それは大抵が大袈裟な直感で、当たったとしても笑っていられるようなものなのだけれど。
このまま、少女が自身の記憶を取り戻すのが。
はたして良いことなのか?
それを彼女が望んでいるのか?
大事なところに立ち返った気がして、少女を振り返る……前に、手紙狂いに礼を言った。]
ああそう、牛乳に似た果実があれば、採って――
いや、いいか。
気を付けるんだよ。
[危険を承知で、軽く声を掛ける。
自分の用件に関しては、無理を言って果実を採取してもらったところで灰をかぶったそれを食べるのはいやだ、とこじつけて納得しておく。]
[椅子を引き、席に着こうとして――こ、と軽い音を立てて黒い傘が倒れて落ちた。
このままでいるとまた、何もかもを忘れて字の世界に耽溺してしまうことだろう。
その形のまま、男は暫く傘を眺めていた。
逡巡―― 傘を返すか。返さないか。
かつての、他の都市の陥落、その推移を鑑みて。
恐らくはもう、この村もそう長くはない。
今日もまた一人、死の際にいるヒトに出会った――
――ややあって、男は傘を拾い上げた。
無精についたまま残された灰が、ほろほろと部屋で掠れて消えた]
[自室へ戻ると、分厚い台帳を取り出した。
書き込むのは酒場の主人の名前と今日の日付。
其処に綴られるのは男が把握し得る限りの、
人々が生きて死んだ記録]
薬は…足りるかな。
ポラリスの所へ寄らなくてはいけないかもしれない。
[本当は花でも手向けることができれば尚良いのだが。
裏庭に植えた花は芽吹く気配はなく]
―――――…薄紅。
[髪にさすなら、と友人は言った。
彼自身のこととは思えなかった。
誰か大切な人のことを想ってのことだろうか]
[小さく笑みをこぼすと、男は机から何かを取り出した。
それから暫しの作業を経て―――…。
…やがて完成したものを、そっと箱に入れた]
[改めて少女の方を向く。
仕草は軽快であったが、身体の痛みは節々にとどまらなかった。
顔をしかめることは決してせずに、少女に問いかける。]
……アンタさ。
――――記憶が戻ったら、嬉しいかい?
[この灰色の世界で、空から降るものへ対抗しても無駄かもしれない。
少女に関する真実も。
つらく、悲しく、厳しいものかもしれない。
だから、改めて尋ねた。]
[カップの中身を空にすると、わたしはそっと立ち上がります。
それからスーさんの方を向くと、どうしますか、と尋ねるように首を傾けました。
スーさんに意図が伝わるか危ういのですが、手段がこれしかないのだから仕方がありません。
まず、調理場へと歩んでいけば、流しに使ったカップを置きます。
今となっては真水は貴重なものです。
客人としてのわたしが、勝手に使ってはいけない気がしました。
その足で扉の方まで歩めば、ぺこりと一度頭を下げます。
もしスーさんがついて来ていても、わたしは止めなかったでしょう。]
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