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[分かっているのだ。
どうせ灰のもと、誰もが死ぬのだと。
自分もそうなるのだと。
それはあのとき、前の村で。
夫が死んだときに思い知らされた。
逃げるようにその村を離れ、今の住まいに移って。
毒舌もいくらかなりをひそめて。
この土地で骨を埋めても後悔はしないと。
決めたことを、忘れてはいない。]
さ、おいで。
こっちを抜ければ早い。
[少女の前に立って、脇道に入る。
空を見上げたのは涙が滲むのを忘れるためだ。
自分にも羽が欲しいと、女は強く思った。]
……それが。
それが、君の望みなのかい。
[分かっているのだ。これは男の我儘だ。
ギュルを教会へ連れ戻したのも、
ランスを引きとめようと腕を伸ばしているのも]
君にとって、一番救われる選択なのか。
[手が取られることは、なく]
………………………。
ごめん。いつも、我儘ばかりで。
[男は声を震わせながら、笑う]
君を困らせるようなことを、よく言って。
[ぽたり、ぽたり]
本当に優しいのは、君の方だって。
いつだって思ってた。
[涙を流しながら、
それでもできるだけの笑顔を、友人へ向けた]
[唇をかみしめながら、わたしは顔に包帯を巻き直します。
えいっ、と心の中で掛け声をかけながら立ち上がると、化粧台へとずんずん歩んでいきました。
引き出しの一つから、飾模様の入った、両の掌を広げた程度の大きさの箱を取りだします。
蓋を開くと、わたしにとっての宝物がまだ、朽ちることなく残されています。
箱が無事な間は、きっとまだ、大丈夫でしょう。
その中から一つ。
わたしが初めて舞台に立った時にマスターから頂いた髪飾りを取りだしました。
そっと髪のひと房を結いあげて、そっと髪飾りをつけます。
灰となってしまった頭皮から、ごそりと髪の毛が抜けおちましたが、元より髪の量は多い方なのです。
大丈夫です、気にしていません。
髪飾りをつけ終われば、鏡とにらめっこし、小さく頷きます。
明日の朝はこれでいきましょう、と、小さく笑いました。]
[そんな風に、宝物箱の中を整理していけば、マスターから頂いたものがいくつか出てきました。
その中から、わたしの声を収めた音楽盤を選びます。
もう蓄音機は壊れてしまったけれど、これだけでも持って行って貰いましょう。
そうして、音楽盤は傍らに置き、宝物を箱に片付けようとして、手が止まります。
一つの小瓶に目が留まりました。
小瓶には、飴玉の様にも見える透き通った玉が2つ、3つ、入っていました。
いつだったか、酷く咽喉が痛み、その日の演奏を諦めようかと思っていた時がありました。
その時にポラリスさんから頂いた、異国の魔法の薬です。
普通の薬と違い、特別な魔法が練りこまれていると彼女は説明してくれましたが。
今のわたしのこの身体に、それは効果があるのでしょうか。
わたしは瓶をじっと見下ろしながら、暫し、考え込んでいました。**]
[教会へ行く道の途中には、先程寄った酒場がある。
誰かが立ち寄っているかもしれないと考えれば、
教会方面へ向かう前に酒場に立ち寄るかもしれないが、
セルマは居住区・酒場・教会の何処へ向かおうとしたろう。]
[唐突に呼吸のつまる感覚。衝撃。
みしりときしむ音は、カインか、カインが激突した何かか、その両方か。
密着度が上がったせいで、紫煙のなごりが目にしみる。
土の香りも葉の香りも、かつてのものとは全く違うから戸惑う。]
……ひょい。
ひゃいん、らいひょーふか。
[唇で食んだ飴が押されてつまらないように注意しつつ、まず、ぽんぽんと彼の背をタップする。
呻けるのならそこまで心配無用か、などと早合点しながらも、労るように彼の背中をさする手の動きにした。
鹿のお陰で馬の痛みはほとんどないから。]
いひゃいのは、わはった。
ひゃぐさめてひゃるから、
ひょりあえず、ひょけ。
[ひょけ、の命令にのろのろと従い、らいひょーふだと、力なく手を上げて見せた。
カインの飴の行方を、若干涙目のあまり良いとはいえない目つきが見つけ、何かを言おうとして、背中の痛みにみっともなく呻く。
元々の小さなとある一族の住処が其処だと、意識はしてもはっきり確認し認識するには暫しを要した**]
[教会と墓地は共同になっている。そして墓地があるのは――例によって村の外れだ。死は忌避されるものであり、死病の発生する恐れのある墓地もまた、隔離しやすいよう外れとなる。
かつては小ぢんまりとしながらも荘厳さを保っていた教会も、訪れる人の減少に伴い、また灰によって痛み、荒れ果てていた。
空の灰色を伴って、非情に薄暗い退廃的な印象を醸し出すものに変わっている]
いや。
我儘を言っているのはおれだ。
[首を左右に振る。
友の涙を見れば、胸がひどく締め付けられた。
けれど、涙は出なかった。
災いを振りまいておいて、泣くなど。
できるはずがなかった。]
今まで散々甘えておいての、これだ。
文句のひとつでも言ってくれ。
[――ぱちり。
視線が見慣れない天井とぶつかり合う]
………、おねえさん?
[眠気の取れきっていないふわふわした声で誰かを呼んで、
すぐに、自分で自分の言葉に首をかしげることになる]
なんで。
――ここでねてたんだっけ。
文句か。そうだな。
賭け勝負の結果が分からないまま逃げるなんて、
ずるいよ…。
[泣いたことなんて、
最近ではほとんどなかったのに。
涙を乱暴にぬぐいつつ、何とか言葉を続けて]
[ゆっくり身を起こすと、身体から毛布が滑り落ちた。
拾い上げて被せなおして、はたと気付く。
思い出したとも言うべきか]
これ、もしかして。
さかばのおねえさんが?
[辺りを見回すが彼女の姿はない。
それを認識すると同時に。
目を覚ましてから――いや、その前からずっと傍を取り巻いていた暖かさが、
すっと消えていったように感じて。
震える。
毛布をしっかり被ったままソファに身を沈めてそれをこらえようとする]
――…っ。
[くぐもった声が漏れるばかりで。
スー自身も気付かないうちに流れ、ナデージュの手で拭われた涙のあとからまた、
もうひとすじ涙が流れることは、なかった**]
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