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[後見人となった、叔父からすれば
あの事件の引き金であり、
ダハール=ブロアが当主になるにあたり
懸念事項も多く含まれる彼女を
彼が忘れており、唯の快活なブロアであるのは
喜ばしいことである。
そのため、他の障害の有無の確認に留まり
知識として伝えはすれど
記憶自体の復旧は勧めることはなく
本人もまたそれを希望しなかった。]
[それでも、姉 リヴリア=ブロアは
名実上はブロア性を持つものだったため
一般的にはブロア家の遠い親戚として
医療費の支給と日常生活可能範囲のリハビリ手配と
庶民の範囲での生活資金は手配されていたが。]
[ダハール=ブロアは当主の座につき、
ブロア家の別荘の一つを邸宅として住まうことになる。
昔よりも狭いそこに、前屋敷の使用人を
すべて呼ぶことは叶わなかった。
が、出来得る限り、望むものに声をかけ。]
……ん、庭はワットに任せ……
あー……いや、その、なんだ。
小さくてもかまわない、
庭の一角に桜を植え、
常春の空間を作れるか?
あと、なんと言ったか……ムラサキ、ツユ、くさ?
は、この庭に育つか……?
[庭師ワットは以前は花の名前も怪しい
少年だったダハールが
具体的な希望を口にしたうえに
花の名前まで口にしたことに目を瞬かせる。]
……いつだったか、夢に見たんだ。
それだけだ、深く気にするなっ
[普段はブロア然とした当主が、
しつこい追求に根負けし
まだ、20前らしく、ふて腐れながら
そうとだけ、零す。
……ワットはダハールが少年時代
自身は夢を見ないことを
聞いたことがあるだけに、その返答も
やはり、目を丸くするが、
それ以上は、彼は何も口にしなかった。]
身体はいい、なんていうんじゃありません。
[たしなめるような口ぶり。
まだ混乱しているのか、頷いているのか、首を降っているのか、動作が混乱している。
…ただ、ひどく変な方を向いているわけではないので、
明るい、暗いの区別くらいは付いているのだろうと判断した]
約束したの?
グレートヒェンと。会うって?
[ううん、と悩む。
その必死な様子に。]
[おとなしくするから、連れて行って。
とぎれとぎれのその言葉を解釈して、真っ白な天井を見上げた。
まだ亡骸はそのままのはずだ。
――ローザには何も言わずに出てきてしまったから。
帰ってこないのか。
その問に、静かに首を縦に振ったのみで。
……しばらくの沈黙の、のち]
本当に、おとなしくしている?
このあと、きちんと治療を受ける?
もう脱走しないで、私のいうことをきいて
ちゃんと療養するというのなら、連れて行ってあげるわ。
……グレートヒェンが、どんな姿であっても、暴れないのなら、ね。
[移動手段は、自分が抱きかかえていくくらいしかない。
そのためには、暴れないということが第一条件だった。
……ついでとばかりに付け加えたこともあるけれど]
[ ――ねえ、きいてる? きこえてる?
わかってる、ちゃあんとわかってるよ。
例えばあなたが、
遠くの空で星になって輝いてるなんて奇跡は、
誰かが信じなければ成り立たない。
私の他に誰が、それを、信じられる? ]
[悩むような長い長い沈黙のあと、ようやく紡がれる言葉に、私はこくりこくりと頷いた。
グレートヒェン……ああだからグレイヘンだったのかとあの舌っ足らずな声を思い出せば、嬉しくて頬が綻びそうになる……
けれど]
……ぁい
[『どんな姿であっても』その言葉に綻びかけた頬が強ばる。
私を連れて最期に飛んでくれた彼女の翼は、痛々しいまでにボロボロで、それが現実世界とリンクしていることを思えば、良くない予感はいくらでも思い浮かんだ。
最悪の場合……それすらも脳裏をよぎるのは、彼女の傍に常に『死』という影がちらついて見えていたから。
半ば死を受け入れ、それを望んでもいたあの時の自身が微かに被る]
ゃくそくします。
[一度頷いてから少しだけ長く思いにふけり、それから唇を噛みしめるようにして、もう一度呟いてみせた。
どんな再会になろうとも会いに行く。
それが私の告げた約束だったから]
― カスミのそば ―
[ あ と微かに聞こえた音。
その表情は、呆然としているような、放心しているような。
それ以上、喜怒哀楽は読み取れなかった。
何を内心思っているかも分からぬまま、
一文字に結ばれた唇を見て]
…すぐにはわからないわよね。
ごめんね。
もし会いたくなったら、いつでも言って。
私を呼びたくなったら、手元のボタン、押してちょうだい。
― リヴリアのそば ―
約束するのね。
[じ、とその瞳を見つめる。
こくりと頷かれたあと、しばらくの沈黙の後につぶやかれたその言葉を復唱すると
彼女をつないでいた器具を外し出す。
最後に、結ばれた包帯をほどいて
ゆっくりと抱き上げた。
本来ならば、絶対安静。
骨折の様子もまだ完全に分かっているわけではない。
――それでも、少しでも負担がないような体制を取らせる]
― グレートヒェンのそば ―
[そうっと腕で抱きかかえ、静かに移動する。
……たどり着いたその先、グレートヒェンは、
安らかに眠るような表情をしていた。
――わずか、微笑んでいるようにみえるのは、気のせいだろうか。
もう体温もほとんど残ってはいないだろう。
そんな判断をしながら、ベッドへと近づく]
――少しだけよ。
あんまり長い時間、ここにはいさせてはあげられない。
[そう言って、近くの椅子に腰掛け、
少女たちの顔を近づけるようにした]
[所詮自分が傷つきたくない一心で、相手の言い分に乗っただけだと思われても知ったことか。
強い思いを胸に、手を離して身体の力を抜いた。
ふわり、ふわり。意識が浮き沈みする。
時間の流れも分からない空間、まるで夢の続きのような。
だから、すぐには気付かなかった。
どこかのベッドで少女の命の灯が消えてしまったことにも、
消えてしまった少女に会いに、どこかのベッドから飛び出した少女がいることにも、
すぐ隣のベッドから、泣いているような声が聞こえてくることにも]
[繋がれていた器具が外れ、包帯が解かれる。
最後にふわりとした浮遊感。
彼女によって抱き上げられるのは二度目……けれど今度はもう暴れたりしない。
抱かれた胸は暖かくて…つい思い出す。
私を最期に抱いてくれた今から会いに行く彼女のことを。
苦しみと虚栄の北風、私が呼んだ北風なのにそれからも私を護るように包み込んでくれた小さな身体に大きな温もり。
この人とは身体も違うけれど、運んでくれる心地よさに目を細める]
ぁりあとぅ……
[服の胸元を握りしめて、小さな声で呟く]
[『少しだけ』と告げて腰掛ける微かな振動が私の身体にも伝わってくる。
ここにグレイヘンがいる。こみ上げる喜びはまるで買って貰ったばかりのおもちゃに手を伸ばす子どものように。どこかで感覚を狂わせていて、あの時のシャルロッテの言葉もどこかに吹っ飛んでいってしまっていた。
『どんな姿であっても』という言葉すらも。
だから、今か今かと待ちわびて一生懸命身を乗り出した。]
ぅれいへん……
[眠っているのだろうか? 返事はない。
私は呼びかけて手を伸ばす。
顔に近づけてくれたのだろう。最初に胸元だろうか? 衣服に手が当たる。
気付けば良かった。微かな寝息すらなかったことに。
気付けば良かったんだ。
そこに人の気配がなかったことに]
……… だい、…じょうぶ?
[心配する言葉とは裏腹に表情は薄い。
ある程度は動くようになった右腕を床へと伸ばし、
腕の力だけで身体を床へとひきつけようとして、]
―――っあ! ………ぅ、
[途端にバランスを崩し、肩からべしゃり、と投げ出されるように着地。
ゆっくり起き上がると四つんばいの姿勢でまずは足りないもの――眼鏡を探す。
どうにかベッドサイドテーブルから見つけ出したそれをかけるとカーテンへと近付き、
向こう側をのぞきこんだ]
ぐ…れいへん?
[まさぐるように辿々しく這った指先が頬に触れた。
私の手が止まる。
── 冷たかった。
ただただ冷たかった。まるで夢のセカイの北風のように
寒風に晒された人形のように]
ぁあ……ぐれいへん
ぐれいへん ぐれいへん
[ゆっくりと名前を呼んだ。噛まないように、回らないように一字一句を噛みしめるように彼女の名前を呟いた。
…返事があるはずがない。彼女の温もりはもう殆ど費えてしまっていたのだから。
それでも私は何度も呼び続けた。
あの時私を包んでくれた温もりをたぐり寄せようと。
けれど、けれど──]
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