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道化師 リヴリア は 道化師 ダハール に投票した。
道化師 ダハール は お花畑の ハル に投票した。
渡り鳥 グレイヘン は 道化師 ダハール に投票した。
お花畑の ハル は 道化師 ダハール に投票した。
道化師 ダハール は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、道化師 リヴリア が無残な姿で発見された。
闇が村を覆い、村人達は自らの過ちに気付いた。人狼達は最後の食事を済ませると、新たな犠牲者を求めて無人の村を立ち去っていった。
きらと、白く光る、世界の破片。
それは、羽の形をしていたか?
それは、花びらの形をしていたか?
ほつれる様に、世界は
領域の主がいなくなった所から消えていく。
海は砂浜を飲み込み、
山は枯れ果てて。星は降りつくす。
[桜の木にもたれて、少女は空を見上げている。
ひらひら、舞う桜の花びら。
ふわふわ、降ってくるグレイヘンの羽根。
夢のように美しい、滅び行く夢の世界]
綺麗だねえ。
[完成したばかりのたんぽぽの花冠を膝の上に置いたまま、少女は笑う]
今日は本当にいいお天気で、
風が暖かくて、
お昼寝日和、だねえ……。
[幸せそうに微笑んで、少女はお昼寝するように、瞳を閉じる――――**]
[終末のセカイの果てで私が最期に縋ったのは
救済だった──
嗚呼虫のいい話だ。大切な人の全てを奪い
永くの束縛の果て
咎も背負わず、贖罪も受けず
腐り逝く中に埋めようとした想いすら
その今際の今際に吐き出して
縋り 泣いた
生き汚くみすぼらしく
己が吐いた泥水まで啜り
生きたいと願ったのだ。私は]
[そんな醜い私を、救うと言ったのは誰か?
生きて良い世界を望むと言ったのはだれか?
見て良いと言ったのは誰か?
生まれ変われと言ったのは誰か?
── それは]
─ 少女の現実 ─
[そこにはただ闇があった。
眠りから覚醒し、見上げる天井などなく
ただただ闇がそこに横たわっていた。
ここはどこだろう? 誰かいるのだろうか?
わからに。何もわからない。
鼓膜に届くのは無機質な機械音
滴る点滴の雫
静寂のノイズを奏でる空調の音色
身を起こそうとする。
──動かない]
[身体の至る所を侵す生命維持装置という名の鎖がそうするのではない。
身体の全てが言うことをきいてくれない。
まるで鉛の身体。人形の身体。
意志だけが四感を駆けめぐる
耳は聞こえる。鼻腔を擽るのは独特の薬品臭か?
けれど、身体は動かない。目も見えない。
動かそうともがけば、爛れただそこに張り付くだけの
紛い物の皮膚が軋みをあげる。
声を上げようとすれば、
管に残る唾液の味とひゅうひゅうと喉を伝う薬の吐息。
これが現実
四年もの間疎かにしていた身体は既に私の意識を外れ
ただの偶像に成り下がっていた]
[── それがどうした。
私の心はその殻を破ろうと…もがく
指でシーツをまさぐり、渾身の力で身体を傾ける]
ぅぉ……け
ぅ……けぇ
[垂れ流すような言葉にならない声が、ただ息をするだけに用いていた喉を痛めつける。
痛い……灼けるように痛い
── だがそれがどうした?]
[刺さっていた針を、計器という計器を引きちぎるかのように身体を転がした。
転落防止用の衝立もあるだろう。構いやしない。
私は蛇だ。隙間を見つければそこに潜り込むまでだ。
よじらせくねらせもがきながら、私の目覚めた…今まで私を支えてくれていた無機質な籠から抜け落ちる。
ドスン──
衝撃と共に、激痛が体中を駆けめぐる。
まるで安っぽい瀬戸物のように骨が砕ける。
衝撃で息が詰まり目の前が真っ白になる。
── それがなんだというのだ?]
ぅえい…えん
[冷たい床を這いながら、身体を前に進めようとする。
立っては歩けない。それどころか腕だって満足に仕えやしない。
どこへ向かうのかもわからない。
それでも私は……ひたすらに前へと這っていく
会いに行くんだ
そう約束したのだから。
彼女は生まれ変われと私に告げ
私は私を殺して飛んだ。
あのセカイから逃れて飛んだ。
リヴリア・ブロアは腐り堕ち
ただ女が残った。名もなき女が。
その女を彼女は包む
生誕の祝福を私に届ける。
おめでとう<<はっぴー、ばーすでー>>と]
[ああ、覚えている。忘れていない。
忘れるもんか
この魂魄百の輪廻を巡ろうとも
忘れてなんかやるものか!
私の巡ったセカイの旅は
ただ、結論を先伸ばすだけの逃避のセカイだった。
己の欲望に忠実に、歪んだ憎悪を歪んだ愛情をまき散らし
現実を背負い立つ弟を供物に捧げ
ただただ無為に巡らせたそんなセカイだった。
覚えている。全ては私の咎 私の罪。
忘れて自由にと謳ったって忘れられるわけがない。
生まれ変わったって生きたくても
生まれ変われる世界じゃない。
だってあのセカイの中で私が一番大事にしたことは。
独り占めにして譲りたくなかったことは
“忘れない”ということだったのだから]
[夢を語る友がいた
星を奏でる友がいた
太陽を駆ける友がいた
波に揺れる友がいた
花に笑う友がいた
全てを包んで共に最期を紡ごうとした家族がいた
甘きに出会い友にしたかった者が居た
そして……
何も与えず何も成さぬこんな私を
救おうとしてくれた人がいた。
ボロボロになりながら、小さな身体で
勇気の翼を以て
渡らせてくれたヒトがいた
何も果たせず何も返せず
安穏の死を選ぶことはできようか?
──私にはそんな術はなかった]
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