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[皮肉なもので、少女は未だ知らない。
今しがた夢の中で別れを決めたばかりの少女が
すぐ近くで目覚めを迎えようとしていることを。
言葉のかたちにもならないその声は、
医師に、だれかに届いただろうか?]
…………。
[渾身の力で声を搾り出せば、
それだけで力尽きたようにそっと目を閉じた。
涙が目元からふわりとこぼれる。
こぼれた涙は酸素マスクを伝って、
白い枕へと流れ、染みを*つくった*]
[まだ夢が夢の形を残す内に。
太陽と星は手を繋いでやって来た。
空を黒く染めるのは太陽に重なった月。
2人の手首でブレスレットが輝く。
それは遠くからでも渡り鳥の標になるには十分で]
――おともだち、なれたのね。
[目を細めて微笑む]
ぐれいへんとおそら。
いっしょにとんで――くれる?
[今ならば。
あの月の裏側まで行ける気がする。
そうすれば花水木が望んだ太陽にだって。
星売りが求めた星にだって。
ほんの一瞬でも手が届くような気がした。
これが終わりのユメならば]
[ならば、その一瞬だけで良い。
彼女達の煌めくユメまで一緒に着いて行きたい。
もうどんな憧憬も叶えられない渡り鳥とは違って。
彼女達はまだユメを創る事ができたから]
いっしょ。
[このユメを超えるまでは。
そして、このユメが醒めるまでは。
左右両の手で2人の手を取る。
翼を広げれば雪のように羽根が散った。
花水木の髪飾りを一度だけ、見やる]
いくね。
[風を払うように大きく羽ばたく。
重さという概念を掻き消すように、向かう先は――そら]
[景色が変わっていく。
近くなる星、小さくなる世界。
綻び欠けて行く夢の大地が遠ざかっていった。
少しずつ2人の存在が薄れて。
意識だけのものになっていく。
それでもきっと。
2人なら、互いの姿を最後まではっきり見る事ができただろう。
空で輝く、太陽と星ならば――きっと。
やって来たのは、まだ夜を保つ星売りの空。
明けなかった夜がもうじき終わる。
握っていた2人の手を引き合わせて、微笑んだ]
[そして、手を離す。
そのまま2人は空に留まって。
その存在が燃え尽きるまでこうやって。
ほら、光るのだろう。
花水木の右手で、太陽が。
星売りの右手で、明星が。
その光がとても綺麗だったから。
渡り鳥は羽ばたく事を忘れた。
風の中を真っ逆さまに墜ちながら。
手を、振った]
ばいばい。
[明けの真白な空に、羽根が、散った――**]
― 夜を纏う少女の話 ―
[カスミと呼ばれていた少女は。
彼女が眠るきっかけになった事故まで、大病を患うことも大怪我をすることもなく、
ましてや大切な人と死に別れることもなかった。
夕暮れ時、行きかう人でごった返す駅前で空を眺めるのが好きで、
丘の上の天文台を訪れては飽きもせずプラネタリウムに見入っていた、
そんな、ただ星が好きな、少女だった。
彼女の経歴で特筆すべき部分をあげるとしたら、
天文部の部長をつとめていた頃に、頑張る高校生としてとあるテレビ番組に取り上げられたことくらい。
ちょうど、数十年に一度の流星群が見られる時期が近かったのもあり、
それなりの視聴率を稼いだそうだが、
そんな数字に興味などなく、星を見上げる人が増えればいい、と、
素朴に思っていた]
[そんな彼女が、バスの事故から身体は生還してもこころまではかえってこずに、
眠り続けることを選んでいるのは何故なのか――
医師や介入者たちは、彼女を見舞いに来た友人から手かがりを聞きだすことができただろうか。
恋に破れた話。
「星を見つけたら思いを伝える」。
そう決めて、初めて好きになった人へ告白する機会を伸ばしているうちに、
彼に結婚前提で付き合っている人ができたと知ってしまった話。
哀しいはずなのに、彼らの幸せを願うセリフを告げて、別れた話]
『本当はすぐにでも奪ってやりたかった』
『何でこんなこと考えちゃったんだろ、私』
[『嫌いだ』。
さっさと思いを伝えなかった自分が悪いのに、
自分の気持ちを知らずに勝手に大切な人を作った相手の幸せを、
ぶち壊したくなった、こんな、私なんて。
だから星になりたかった。
遠くからみんなを見ているだけの。
そうすればもう、誰を傷つけることもない。
無論自分が傷つくこともない]
― 現から夢へ ―
[事故は明け方に起きた。
夜行バスの窓にもたれかかって、うとうとしていた。
目を開けば、すぐに空が見える位置。
甲高い音が聞こえた気がして、閉じかけていたまぶたを開く。
目覚めたばかりで光の褪せた瞳が、空に浮かぶ白い星を無意識のうちにとらえた瞬間、
轟音と衝撃がバス全体を覆った]
……綺麗。
[夢が尽きるまでの僅かな間、浮遊感だけがあった。
それにやすやすと身を委ね、無邪気な声をあげる]
ね、綺麗、ですよねえ。
[花水木の少女から返答はあっただろうか。
ともかく、彼女の方を向き、その髪に散っていく白と同じそれをようやく、見つけた]
― 少女たちの部屋 ―
[――白い、白い、空間]
[けど、さっきまでいたところとは、ちがう]
[どこ]
[ここは、どこ]
[ミズキちゃんは?]
―――、ぅ。
[わたしは、
どうしてだれかをちゃんづけでよんでいるんだろう?]
[――――わたしは、 『私』は、 だれ?]
[右手が、ベッドのシーツを弱々しく引っかいた。
自分の周りに散らばったカケラを拾い集めようとするように。
ぱたり、指の動きがやむと同時に、]
……… ん。
[弱々しく開けた目が、白い空間の正体を今度ははっきりととらえた。
といっても、どこかの部屋、としか分からなかったが]
………。
[カケラは散らばったまま。
だから、誰に対してか釈然とせぬまま、
どうしても言わなければならないことを、告げようと、口を開く]
……ぁ、――、――、――ぉ。
[『ありがとう』。
声にならない、ほとんど口の動きだけで伝える、感謝の気持ち。
伝えただけでは思いは満たされず、
届け、――とどけ、と願って息を吸う]
―――ひ、っ
[まるで泣いているような声しか出なかった。
そのうち本当に涙が出てきて、
ただでさえぼやけたままの視界が、ますますぼやけてきた。
明かりが、眩しい。
何かが――足りない**]
ー ミズキのそば ー
[起きるまでにの間、カルテを読み込んでいた。
彼女の病のことも、父親のことも、眠ってしまうまでのことも。
もしかしたら目を開けられないかもしれない。
…そこまで考えた頃、ゆっくりと開く、瞼]
おはよう。
私のこと、わかる?
私は、シャル。
あなたの病気の専門の医者ではないけれども、
ここの病院にうつってからあなたを診てきたの。
お父さまも何度かいらっしゃったわ。
お元気で働いていらっしゃるわよ。
[目をみながら、ゆっくりとはなす。
聞き漏らさないように、機械音の間に耳を澄ませ、唇読む]
…?
あ…う…い…?
[んー、と考え込むように首をかしげる。
カルテをばらばらとめくる。
父の名前でもなさそうだった。
…いろいろな名前を口でもごもごとさせたあと、ん、と思いついたように]
……カスミ?
[そう?と首を傾げた]
……
[私のの髪を掴み離すまいと引くダハール。
そうか…そういう決心でやってきたのか。
“家族”……嗚呼そうだね。最後の家族にしてしまったのは私のせいだ。
私の咎、私の責。
それを贖罪するのならば、私は彼のために、家族の一員として
弟の望むままに終焉を迎えるべきなのかもしれない。
でもね…ダハール。
貴方はどうしてそんな残酷なことを私に言うの?
……ううん、わからなくていいの。
でもね……]
私は君のそういうところが嫌いだよ。
ダハール。
自らの中だけで結論づけて、知った風な口をきく。
いつだってそうだ。あの女との諍いも
しゃしゃりでて“介入”して!
家族? ああそうかい家族かい?
じゃあ貴様にとって家族とはなんだ?
貴様の理屈では、家族なら傍にいるのか?
当人の意向は無視か?
それが貴様の言う家族か?
反吐が出る!
[掴んだ手をふりほどこうと、強固に抗う。
離さぬなら、己の髪を切り裂いてでも]
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