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きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が3名、人狼が2名、占い師が1名、C国狂人が1名、共鳴者が2名いるようだ。
[ふわり、ひとつあくびを零す]
……ん。もう夕方か。
[腰ポケットから懐中時計を取り出して眺めた。
まだこの海辺では日が傾くような時間では無いだろう。
秋の野山の夕陽は、訪れるのが少し早い]
日が暮れる前に家へと帰らせてもらうよ。
それでは―― いつもながらすまないが、
料理をよろしく頼む。
[ぺこりと一つお辞儀をして、
海岸線の家から去っていった*]
― 黄昏のかえりみち ―
[行きと同じ道を辿って帰っていく。
天を仰ぎながら歩くのは常の癖だ。
けれどその口元から、明るいハミングは流れない。
黄昏時―― 昼と夜が交差する場所。
ただ黙りこんで少女は歩く。]
[山に近付くに連れて太陽の高度はどんどん下がり、
黄昏の空に灯る一番星。]
……… ゆめ見たのは、いつかつよく 輝く日。
[丘の麓、鳥の止まる葦の水辺を通る頃には、
月の無い、暗い空。
星がいくつもいくつもまたたいて、 ]
― 黄昏の水辺 ―
[空を見上げて歩いていたせいで
地面には気を留めていなかった少女は、
草の間に横たわる「なにか」に気づかない。
思いっきり蹴飛ばしかけた足が、
直前でそれを回避して]
………っ、 たっ!
[おもいっきり、*躓いた*]
─ 花畑 ─
[夢の少女の渇望がそうさせたのか、
それとも、渡り鳥の羽の音に、癒された少女の安穏か?
傍らの春の風が凍える北風を侵食したのかもしれないが…
微睡む花畑で夢を見た。
遠い遠い夢じゃない。
ここが彼女の花園だから、残る香りの夢をみる。
そう、遠い遠い夢よりも少しだけ近い夢の夢
夢の住人となった私がまだ仮面をつけず
嗤いもせず
私がまだもうちょっと私でいたころの夢]
『では、ハルさん? その花はどこから来てどこへ行くの?
風は何を運ぶの? 誇らず枯れず 夏を征かず、秋に佇まず、冬も耐えず。
そんなの花じゃないわ。廻らない季節だっておかしい。
なんで夏が来ないの? ねえ、なんで?
ぜんぶぜんぶおかしい。ぞんなの偽物じゃない!』
[それがどういうセカイかもわからずに
ただ逃げて
逃げて 逃げて
逃げて 逃げて 逃げて
たどり着いたのはこの花畑だった。
ハルは…私がこのセカイで逢った最初の少女
彼は?
…ううん。彼にはは逢ってないわ。
…逢ってないったら!
だって…
だって私はまだつけてなかったもの]
『気味が悪い!』
[そう言い捨てて、私は花畑から背を向けた。
常春の園 一面に芽吹く花々 絶えぬ微笑
すべてが理想郷のように心地よくて
まるで作り物のように都合が良くて
そんな夢幻のセカイに覚えた想いは「恐怖」だった。
大きな不安が渦巻いていた
大きな悲しみが飲み込んでいた
大きな感情が胸を焼き尽くしていた
恐れは、逆巻く思いの濁流を解き放つ
ああ、自らを棚に上げよくもまあそんな言葉が言える?
何も知らず 何も見ないで 何も聞かず
嗚呼、酷い私だ 醜い私だ
嫌いだ嫌いだ 私は嫌いだ
こんな私は消えてしまえばいいのに…と]
― 現実・医師の部屋 ―
あら、ローザ。
[すい、と顔を上げる。
ぽわんとした表情で、きりりとした顔立ちの彼女をみつめ]
目立った異常は、なし、ね。
[ファイリングされたいままでの報告書。
異常なし、という文字が並んでいる]
……しかし?
しかし、どうしたの?
[こてん、と言い淀む姿に、首を傾げる。
少女たちの世界になにかあったのか、続きを促すようにボールペンを机の上からとった]
[丘の上から、見るのをやめて
目をつぶった。
世界を見るのが自分のしごと。]
・・・・・首、いた・・・・。
[だけど、ずっと下を向いていれば首も凝る。
この世界においてそういった感覚は
ないものと思い込めばないのかもしれない。
だけど、染み付いた条件反射は簡単にはぬぐえない。
水に濡れたままでいれば寒いし、太陽に当たり続ければ熱い。
下をずっと見ていても、上を見上げていても首は痛くなる。
そういうものだと頭がそうなっている。]
自分が置かれた立場を理解している?
[オウム返しのように口にする。
眠りについた少女たち。
夢であることを理解している子がいるのか。
それでも目を覚まさないのはなぜなのか。
夢が夢だと、わかっていない子は―――]
そう、ありがとう。
……からかわれた…ねぇ…
[んー、とカルテをめくりながら、時折メモを取り]
ありがとう。
…体調は、どう?
夢 の中にいる間は、問題なかったけれども。
ふん、ふん。
こっちでも常にチェックしてるけれども、変だと思ったらすぐに言ってね。
戻って来られなくなっても、こまってしまうし。
……器?
[ゆるり、首を傾げたが――
その悩みの正体にすこしだけ微笑み]
ああ、そのこと。
…嫌なの?ふわふわした髪。
可愛いと、おもったのだけれどねえ…。
[ダメ?と首を傾げ]
夢のなかなのだし、すこしくらい変えるのもいいかなー、なん、て…
[黙っているリヴリア>>0:225が何を考えているか、少女にはわからない。
少女は、むずかしいことはわからない。
少女は、むずかしいことは考えない。
ただふわふわと、お花畑で笑っている]
笑顔は、人を幸せにする?
ハルは、優しさをお裾分けしてる?
そっかあ、そうだと嬉しいなあ!
[リヴリアの胸のうちは知らず、少女はのんきにそう言って、ふわふわと笑った]
ハルのね、得意は花冠を作ること、かなあ?
さっきもね、ミズキちゃんにお裾分けしたんだあ。
今度リヴリアちゃんにも作るねえ。
[不自然に途切れた会話を咎められることはなかった。
そのことに、内心ほっとしていたり……することはない。
もう、少女の中では、すっかり"なかったこと"になっているから。
ただにこにことご機嫌で、ホトケノザの蜜を並んで吸って、そうしてうとうととお昼寝するのだ]
―もう覚えていない昔のお話―
[リヴリアがお花畑に来るようになったのはいつのことだったか、少女は覚えていない。
お花畑はずっと、ずうっと変わらない。
時間の止まったお花畑で、少女の時間の感覚も酷く曖昧だ。
ぶつけられたまっすぐな言葉に、あの時少女はなんと答えたのだったか]
『お花は、どこにもいかないよう? ずっと、ここにいるの。
偽物? にせものって、なあに? 本物って、なあに?』
[不思議そうに首を傾げてそう答えて、けれど"夏"という言葉を聞くと、態度を一変させたのだったか]
『夏なんて、こないよ。
だって、夏なんて要らないもん。
夏なんて、ずっとずっとこなければいい。
ハルは、春しか要らないんだ。
ずっと、ずうっと、春でいいんだ』
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