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―星の生まれる星の駅―
[男は、ある列車の到着予定ホームで足を止めた。期待と不安がない混ぜになったような表情を浮かべて周囲を見回し、傍らの灯りに目を止める。]
……綺麗だな。
リアとリルの小さかった頃を、思い出すね。
“……Twinkle, twinkle, little star…”
[鬼灯に似た植物の優しい灯りは、まだ娘達が幼かった頃のベッドサイドの洋灯に少し似ていた。
心の中に居る誰かに語りかけるような口調でそう呟くと、娘達に子守歌を歌う亡き妻の横顔や慈しむような歌声を想い、懐かしい歌を小さく口遊み始めた。]
ふええっ
ええと…、それは出来ますけど…、
宝石にですか?台座の方にでしょーか?
[師匠さんから話を聞いた後、ケなんとかさんは頷きます。]
少しだけお時間を頂きます。
”When …sun is gone……the traveler in the dark, ”
(生き生きと輝いていた太陽が失われ……
…一人、暗闇の中に取り残された旅人には…)
[輝く金色の瞳と瞳。生まれ故郷の星ロワン・ディシーを、笑顔と花でいっぱいの星にと願った妻>>3:322>>3:323。ノロンドに戻ったのは>>3:325、彼女の願いに反するレアメタルの軍事利用を止める為だった。]
(…カナン紛争の終わりは、少しだけ見えてきた。
けれど…娘達は…)
[男の親戚でもあるノロンド星の次期大統領の青年と、
ラピス星の時期女王は、2人とも紛争の長期化を望んでいない。
2つの星の統治下にある、ロワン・ディシーのような植民地惑星同士が、かなりの数、密かに同盟を結び、独立を目指す動きも水面下で始まっていた。]
[男が、星の生まれる星に亡命を果たしたのは、ロワン・ディシーが滅んだ後、1年ほど前。大統領の一族とはいえ、軍の方針に反対したため、監禁状態で研究に従事させられていたのだ。]
“……As your bright……Lights the traveler……”
(小さな星灯りこそが、行く道を照らす希望の光)
[どんなに探しても、双子の娘達の行方は杳として知れなかった…
今朝、知人から一本の通信が入るまでは。]
『ドクター・グリーン、
行方不明の娘さんが二人いたりしませんか?』
[知人の母親の友人の息子の彼女の弟が、最近、宇宙クジラの骨の星へ行く途中で、乗った列車のメモリアル・ノートを読んだらしい。星を掴むようなアナログな話だけれど、何人もの善意の人を介して、シリルの願い>>4>>5は、父親の耳に届いたのだった。]
>>240>>246
[ケなんとかさんの声に薄目を開き見た。
すぐに目は瞑られたが幸せな気持ちは消えなかった。
とても暖かかった。]
「……さん!」
「お父さん……!」
[いつの間にか待っていた列車―スターライナーが到着していたらしい。間近く聞こえる懐かしい声の二重奏に、はっと振り向くと、駆けてきた涙を浮かべる双子の娘達に、左右から思い切り抱きつかれる。]
“……Twinkle, twinkle, little star.…little star,
How I wonder what you are!”
[レリアの延命は叶うだろう>>4:332。
シリルの左手はより自由に動くものになるだろう>>26。
双子と彼は、妻の願いを叶える為にロワン・ディシー独立の動きに巻き込まれることになるけれど、それはまたいつかの別のお話。]
……リア、リル…!
[今はただ、心の中の妻の歌声を聴きながら、言葉にならない程の驚きと喜びを以て、還ってきた双子星を抱きしめた** ]
『宝石でお願いする。宝石のような、この仔達を。時間はいくらかかっても構わないぞ。これからは、いつまでだって居られるからな』
[ゆったりと微笑んだ]
師匠は残雪と会ったばかりのはずなんだけど、なぜだかそうは見えないな。
[スッチーが不思議に思ったのは、また別の話]
[手を繋いで駅の近くを散策したり、
この星特産のお菓子を買ったりした後に、
車掌の出発時期を伝えるアナウンスが聞こえてきた。]
この星では何時でも歌が聞こえるな。
[メルヴィを見る。]
ボ、ボクは次の駅に行く予定が…。
わ、分かりました!
総力を上げて、皆さんの姿へ加工します。
[間に合わなければ郵送という手もありますが、
ケなんとかさんが自分の胸をドンと叩きました。]
じゃあ、ちょっと待ってて下さいね。
[ごろごろごろごろごろ!
カートと荷物を列車の自室へ運び込むと、代わりに、携帯作業台を持って来ました。駅で、彼らの前に小さな作業台を広げ、一体型の椅子に座ると、灯りをパチンと付けます。
加工用の道具をずらっと並べ、むむむと3匹を睨むように見ました。]
[駅の近くにある鬼灯のような灯りに触れ、その暖かさに笑みを零したり。
星が生まれるときに溢れた光を粉にしたドロップクッキーを買ったり。
幸せな時間というのは、どうしてこうも早く過ぎていくのだろう。]
はい。
何だかとても、心が暖かくなる歌。
[ハンスの言葉に柔らかく微笑んで、肩に頭を寄せた。
アナウンスを聞いて、スターライナーへと向かって行く。]
[ケなんとかさんは、玄人な腕さばきを見せながら、
龍の涙石を加工し始めました。
スッチー・キューちゃん・もふもふ残雪。
3匹の姿が、見る見るうちに宝石に生まれて行きます。]
………。
[黙々と作業し始めて、30(36)0分後…。]
ふぅ……。
やりました。
加工し終えました。
どーぞ!師匠さん!
皆さんの姿の【龍の涙石】です。
[人に有らざる集中力で加工し終え、
出来たばかりのそれを差し出します。]
おや。凄い。
[しばし感嘆]
にしても・・・・・
[そこには、木陰ですやすや眠る師匠達がいた]
自分で頼んだのにね。歳は重ねても相変わらずだよ。三つ子の魂10000までっていうしね。
あ、ありがたく受け取っておくよ。
>>265
[食べているのは星のアイス。
トッピングはキラキラ光る黄櫨染◆色の星の粉。
この星の麦のような植物で皮部分は作られている。]
・・・・・・。
こんな風に歩けて、嬉しい。
[肩に頭を寄せられれば、
少ししてから気持ちを言葉として口にした。]
誰がこの歌を歌っているのだろう。
[列車の入口で後ろを振り返る。
行き交う人々の上の空で沢山の星々がうまれている。]
はぁ…。
む、むむ…こういうのは良く有る事ですから、
気にしてないのです。
[とかスッチーさんへ言いますが、
何時も押しとかに弱いし流される感じです。]
ええと、この加工残りは頂いちゃっていいです?
[星のアイス>>269(星の粉は銀朱◆色を選んだ)を食べながら、ゆっくり歩く。
なんてことない時間。けれど、とても大切な時間。]
これからもずっと、もっと、一緒に歩きましょうね。
[星に誓いを立てるように、はっきりと言葉にする。
そう考えると、とても神聖な言葉に思えた。]
もしかしたら、生まれてきた星たちの産声なのかも。
そう考えると、より愛しく思えてきました。
[ププモアに手を振ってスターライナーへ乗り込む。
上半身だけ振り返ると、優しく目を細めた。
心に響く歌たちは、これから歩むべき道へ背中を押してくれるようだった。
発車の時間が近付く。]
>>272
[些細な一言が嬉しくて愛しい。
言葉では表さずに手を強く握ってメルヴィに伝える。]
ずっとずっと一緒に歩くよ。
あ、
・・・先に消えないで。
[メルヴィにわがままなお願いをする。
ぎゅぅと力が籠められる。]
・・・
ふふ。
[手の力を緩めた。
瑠璃紺◆の星が昇るを見送って、
ププモアに会釈して歌を背に列車に乗り込む。]
(…と、つい言っちゃいましたが、
この残り、何に加工しましょう。)
[ぱたぱた。
出来たばかりの3匹の宝石を眺めながらそんな事を考えていたとか。*]
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