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あっ、もしや龍の涙石の加工ですか?
[何故かピンと来たらしい。]
どんな形に加工でしょうか?
簡単なものなら直ぐに、難しいものなら少々お時間頂ければ作りますよ!
[注文を聞く。]
8人みんなでまるく繋がって、フェアリーサークルを作る。
どろどろに溶けた何かの妖精が緑色のねばねばでわたしと繋がった。
見ると彼は涙を流して喜んでいる。
動くのもしんどそうだった。
ここまでの旅路も平坦なものではなかったのだろう。
スターライナーのみんなと、今までの旅程を思い出した。
わたしは、ここまで幸せだった。
そしてわたしは今も幸せだ。
空を見上げた。流れ星が降ったのを合図にみんなで声を上げる。
叫び声か、歌声か、ただの擦過音かわからないけど、みんなで声を上げた。
声に呼応するように、星ぼしが次から次へとおちて行き、足元の細かい白砂が光りだす。
いや、砂じゃなくて、わたしの身体が光っているのかもしれない。
昔、子供たちを空高く飛ばした光は、崩れ行くわたしの身体の粉のかけらと混ざり合って、一層きらきらとかがやいていく。
もういちど空を見上げて声を張り上げた。
音が、ハーモニーを奏で、メロディーになる。
宇宙が目前に迫り、一瞬、意識が昔に飛んだ。
― 655年前・ぼろ家の前 ―
数週間前から家の前の荒野を彼がなにやら整地している。
何をしているか聞いてみても笑ってごまかされるだけだった。
そして今日。
大きなエンジン音がぼろ屋の周りに響き、慌てて外に出ると、みるからに中古だが、単発低翼の軽飛行機が確かに目の前にとまっていた。
呆然としていると、コクピットに乗った彼が、こっちに向かってぐっと親指を立ててきた。
それでも頭が追いつかず、彼の方をぼーっと見ていると、彼は翼の上に出てきて、照れたように苦笑しながら、
「俺と一緒に、また、空を飛んでくれないか?」
とわたしの方に手を差し出した。
わたしは嬉しすぎて、思いっきりうん!と首を縦にふった。
ははは、と笑ってしまった。
どうりでかの星で彼の幻が出てくるわけだ。
幸せな夢は彼の夢だ。(>>48)
彼の生きた時代には加工するすべのない精密なネックレスは、彼のわたしへの思いでなく、わたしの彼への思いの結晶だ。
わたしが本当に彼の人生の翼になれたのかは、あの日、彼の元を離れる選択をした時点でもはやわかるすべはない。
過去は過去でそれが事実だ。
ただ、わたしの心のずっと奥深いところで、彼がわたしの650余年の人生の翼だったというだけだ。
(楽しかった思い出がつらくて惜しいのは、一時だけだったよ。
あなたのことを忘れないでよかった。)
ありがとう、という呟きは声にならない。
上天の流星に目を細める。
胸元のネックレスが砂に落ちる音がして、目の前が光に包まれた。**
もちろん、つ
[口を塞がれた]
『そうだな。この仔たちの姿を、刻んでくれないか?』
[スッチー・キューちゃん・残雪に暖かい目を向けた。]
―少し回想―
[小型翼竜種な、ぱたぱたケなんとかさんは、
幸せの言葉をかけると、]
ボクも、幸せ貰っちゃった♪
[と嬉しそうに呟きながら、スッチー達の元へ向かいました。]
双子の父 リチャード が見物しに来ました。
―星の生まれる星の駅―
[男は、ある列車の到着予定ホームで足を止めた。期待と不安がない混ぜになったような表情を浮かべて周囲を見回し、傍らの灯りに目を止める。]
……綺麗だな。
リアとリルの小さかった頃を、思い出すね。
“……Twinkle, twinkle, little star…”
[鬼灯に似た植物の優しい灯りは、まだ娘達が幼かった頃のベッドサイドの洋灯に少し似ていた。
心の中に居る誰かに語りかけるような口調でそう呟くと、娘達に子守歌を歌う亡き妻の横顔や慈しむような歌声を想い、懐かしい歌を小さく口遊み始めた。]
ふええっ
ええと…、それは出来ますけど…、
宝石にですか?台座の方にでしょーか?
[師匠さんから話を聞いた後、ケなんとかさんは頷きます。]
少しだけお時間を頂きます。
”When …sun is gone……the traveler in the dark, ”
(生き生きと輝いていた太陽が失われ……
…一人、暗闇の中に取り残された旅人には…)
[輝く金色の瞳と瞳。生まれ故郷の星ロワン・ディシーを、笑顔と花でいっぱいの星にと願った妻>>3:322>>3:323。ノロンドに戻ったのは>>3:325、彼女の願いに反するレアメタルの軍事利用を止める為だった。]
(…カナン紛争の終わりは、少しだけ見えてきた。
けれど…娘達は…)
[男の親戚でもあるノロンド星の次期大統領の青年と、
ラピス星の時期女王は、2人とも紛争の長期化を望んでいない。
2つの星の統治下にある、ロワン・ディシーのような植民地惑星同士が、かなりの数、密かに同盟を結び、独立を目指す動きも水面下で始まっていた。]
[男が、星の生まれる星に亡命を果たしたのは、ロワン・ディシーが滅んだ後、1年ほど前。大統領の一族とはいえ、軍の方針に反対したため、監禁状態で研究に従事させられていたのだ。]
“……As your bright……Lights the traveler……”
(小さな星灯りこそが、行く道を照らす希望の光)
[どんなに探しても、双子の娘達の行方は杳として知れなかった…
今朝、知人から一本の通信が入るまでは。]
『ドクター・グリーン、
行方不明の娘さんが二人いたりしませんか?』
[知人の母親の友人の息子の彼女の弟が、最近、宇宙クジラの骨の星へ行く途中で、乗った列車のメモリアル・ノートを読んだらしい。星を掴むようなアナログな話だけれど、何人もの善意の人を介して、シリルの願い>>4>>5は、父親の耳に届いたのだった。]
>>240>>246
[ケなんとかさんの声に薄目を開き見た。
すぐに目は瞑られたが幸せな気持ちは消えなかった。
とても暖かかった。]
「……さん!」
「お父さん……!」
[いつの間にか待っていた列車―スターライナーが到着していたらしい。間近く聞こえる懐かしい声の二重奏に、はっと振り向くと、駆けてきた涙を浮かべる双子の娘達に、左右から思い切り抱きつかれる。]
“……Twinkle, twinkle, little star.…little star,
How I wonder what you are!”
[レリアの延命は叶うだろう>>4:332。
シリルの左手はより自由に動くものになるだろう>>26。
双子と彼は、妻の願いを叶える為にロワン・ディシー独立の動きに巻き込まれることになるけれど、それはまたいつかの別のお話。]
……リア、リル…!
[今はただ、心の中の妻の歌声を聴きながら、言葉にならない程の驚きと喜びを以て、還ってきた双子星を抱きしめた** ]
『宝石でお願いする。宝石のような、この仔達を。時間はいくらかかっても構わないぞ。これからは、いつまでだって居られるからな』
[ゆったりと微笑んだ]
師匠は残雪と会ったばかりのはずなんだけど、なぜだかそうは見えないな。
[スッチーが不思議に思ったのは、また別の話]
[手を繋いで駅の近くを散策したり、
この星特産のお菓子を買ったりした後に、
車掌の出発時期を伝えるアナウンスが聞こえてきた。]
この星では何時でも歌が聞こえるな。
[メルヴィを見る。]
ボ、ボクは次の駅に行く予定が…。
わ、分かりました!
総力を上げて、皆さんの姿へ加工します。
[間に合わなければ郵送という手もありますが、
ケなんとかさんが自分の胸をドンと叩きました。]
じゃあ、ちょっと待ってて下さいね。
[ごろごろごろごろごろ!
カートと荷物を列車の自室へ運び込むと、代わりに、携帯作業台を持って来ました。駅で、彼らの前に小さな作業台を広げ、一体型の椅子に座ると、灯りをパチンと付けます。
加工用の道具をずらっと並べ、むむむと3匹を睨むように見ました。]
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