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・・・。
未来は、決まっているのでは?
[屋敷があった。]
俺の未来は。
[勝手知ったる屋敷の廊下を歩み一室に入る。
マホガニーに似た光沢のテーブルの上に、
指輪が置かれている。
妖しげな光を放つ女性用の指輪だった。]
[薬屋の前で佇む。中から女性が出てきた]
『あなた、カンロさんのところに薬、届けてくるわね。』
[見覚えのない若い女性が店の中にいる店主と思しき人物に声をかける]
「あぁ、いってらっしゃいエルア、気をつけて」
[中から現れた人物を見て息を飲む。それは明らかに自分だった。さらに]
『マルセー、ちょっとフリッツと散歩にいってくるよ』
[幼い男の子と年配の女性が出てきた。
自分の記憶にはないが、先程の世界で出てきた母親が、歳を重ねた感じである。]
(これは…これはどういう…)
[さらに、別の世界では、自分が家族を持ち、幸せに暮らしているということだろうか。]
これは。
[政略結婚のために造られた烏黒ダイヤの指輪だった。
顔も見た事のない相手と結婚させられるのは憂鬱と、
湾曲的破局をしようと一度は考えたものだった。
宇宙カジノのルーレットで賭けに出し見事負けた。
最終的にはイザベラから返して貰ったが・・・。]
[つまり、人生の選択肢は何もひとつだけではないということだ。]
……好むと好まざるとにかかわらず…か。
[不可抗力で他に選択肢がない場合もあるだろうが、
細かい枝分かれの末にあるのが、今の自分である。]
『教授、どうやらあの人たちがそのようですぜ。』
『そのようね。あなたたちこんなところで立ち話もなんだからこのサスケハナ号に招待するわ。』
[教授と呼ばれる少女・・・とはいってもこんな年で教授とは・・・まだ若そうに見えるが・・・]
桂川君、あの子もこういっておるし、折角じゃから入ってみようかの?
[気になることもあるし、とにかく入ってみなければ。]
博士いいんですか?
もしかしたら私たちを油断させて、
『これからあなたたちは生贄になるのよ。そう新しい科学の発展のための礎になるのよ。ふふふ。』
とかいうに決まってますよ。
[博士は美少女によわいのは先刻承知なのだが、もしも博士に万が一のことがあれば、ユディトさんにどう申し開きをすればいいのか、とにかくおそるおそる船の中に入ることにした。]
あの時、断らなければ?
[賭けで手放しても破談にはなっただろう。
取り戻したのは烏黒ダイヤに後ろ髪を引かれたため。
最後に婚約を断ろうと決めたのは・・・。]
俺も選んだという訳か。
[振り向いた。
尼栗色の髪の女性が寄り添う姿が通り過ぎる。
傍らの自分は今と変わらない顔をしている。
名前はエマ。幾つもの星間企業を束ねる資産家の娘だ。
エマと婚約すれば家と家の結びつきは強くなっただろう。]
― ぼろ屋 ―
[ぼろ屋はあのぼろ屋と何も変わらない。
玄関扉の下の方には猫用入り口のようなナッツ用の小さな扉がついており、そこから屋内に入る。
ベッド際においてあるランタンの灯だけが光源の薄暗い室内で、老いた彼がベッドに寝ていた。]
ああ…
[彼は600年以上前に死んでいるし、ここは地球から遥か遠く離れている。
間違いなくこれは自分の意識や記憶から作られた幻だろう。
それでもこみ上げるものがあり、少し泣きそうになった。]
[老人はナッツに気がつくと、ベッド上から声をかけた。]
『ナッツ、お帰り。この吹雪の中、どこに行ってたんだ?
しかし、止まないな…』
[老人がゆっくり窓の外を見た。
いつの間にか外は暗い吹雪になっている。
とたんに家の中が冷え切っていることに気づいた。]
寒いじゃない、駄目じゃない、だから…
[死んじゃうのよ、といいかけて気づいた。
これは、彼の…]
『いいんだ、ナッツ。近くに来てくれないか。』
[黙って老人の枕元にふわりと飛んでいった。
ランタンに照らされた彼の顔は年齢以上にやつれて見えた。]
[何にも逆らわず流されて、
不幸も幸せもない世界で生きてゆく。
今はその生活が、息がつまるように少し色褪せて見えた。]
そろそろ、終わりの時間。
[周りの風はするすると辺りへ広がって行き、霧散してゆく。宇宙全ての者達がたどり着くこの星に、また帰ってゆく]
スッチー、また、きっと。
[強い思いがここでもまた新たに生み出された。それは、どこまでも純粋な思いだった。そして、それは形となって現れてゆく。その様子を満足そうに見つめ、静かに眠った]
ねぇ、具合、どう?
『はは、あんまりよろしくないな。
…実際のところ、もう、駄目だろう。』
[老人は疲れたように長いため息をつくと、痩せてしわしわになった腕を布団から出し、ナッツに手を差し伸べた。
ナッツは、老人の手に乗っかるように体を預けた。
冷たかった。]
『…今でも目を閉じると思い出すよ。
わたしが子供だった最後の夜。
君と一緒に中央都市の上空を飛んだ。
街灯と家々の明かりは眼下であたたかくゆらめいて、
夜空の月と白い星ぼしは静かにわたしたちを照らしていた。
わたしたちはいつものように、雲の上までぐんぐんのぼったあと、街一番の高さの教会の十字架に向かってスピードを上げて一気に飛び込んで、そのまま煌々と光り続ける灯台と、港の酒場と、波間に見え隠れする商船の明かりの方に飛び抜けていっては笑いあった。
月の光の中で君は今と何も変わらず綺麗だった。』
『わたしが飛べなくなった日。
君はきっとわたしの元からいなくなってしまうと思っていた。
でも、君は、終わりの今このときまで、わたしのそばにいてくれた。
そう、あの日からずっと、わたしは君を…』
[光の中から姿を現した。帰って来たのではなく、今形となったのだ]
ここは?
[きょろきょろと周りを見渡すと、どこまでも荒野が広がっていた]
何度も、ここは通ったよね。いくつもの人生があったんだ。
大丈夫だよ。ちゃんと、私の中に受け継がれているから。
[ナッツは老人の顔の横に飛んで行き、呟いた。]
わたしが卑怯だったのよ。
あなたが飛べなくなった日から、あなたはわたしがいつでもあなたの元を離れられるようにしながら、それでもわたしと一緒にいてくれた。
わたしも怖かったの。
あなたが飛べなくなって、もしかしたら、わたしはあなたのことをそんなに好きではなくなってしまうのかも、って。
あなたに甘えて、そのまま何も言わずにここまできてしまったけど、でもずっとわたしはあなたのそばにいた。
つまりはそういうことなのよ。
ごめんなさい、わたし、何もいえなかった。
[とめどなく涙があふれた。
老人は、指でナッツの涙を拭った。]
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