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メルヴィ。
メルヴィの話を、
聞かせてくれるか。
[何か抱えているように見える。
引き攣れた痛みを感じながら、
涙を落とす頬に触れるように手を伸ばす。]
……。
少し、長くなるかもしれません。
それでも聞いてくださいますか。
[迷うように瞳を伏せたが、名を呼ぶ声>>175に後押しされるように顔を上げる。
伸ばされた手との間を嫌うように、そっと頭を傾けた。]
あぁ。
[紫紺の髪に指を滑らせメルヴィに頷いた。
語り終えるまで黙って聞いているだろう。
微かな胸の痛みに苛まされながら。**]
私は貴族の父と平民の母の間に生まれたというお話は以前しましたよね。
父と母はそれはそれは愛し合っていたそうですが、身分の壁に阻まれ結婚できませんでした。
父も母もはっきりした人たちで、別れるならばとお互い全く干渉しない道を選びました。
ですから私も父は消えたものとして、母とふたり、城下町で静かに暮らしていたんです。
けれど――
[一旦、話を止める。
何かに耐えるように瞼を伏せると、息を静かに吐いて再び話し始めた。]
けれど、母が病に伏してしまって。
その病は、高度な技術をもってしても、痛みを抑え、延命することしかできないものでした。
当時、まだ幼かった私が途方にくれていたところに、父がやってきたのです。
「君がうちの子になってくれるのなら、お母さんの治療を援助しよう」
後になって聞いたのですが、父は無条件で母を助けようとしてくれていたのだそうです。
ただ周りの人間がそれでは首を縦に振ってくれなかった。
そこで条件として出たのが、私が跡取りとして家に入ることでした。
父は別の人と結婚しておりましたが、ふたりの間には子どもがいなかったから。
そのとき母はもう意識がなくて、選択権は私ひとりに委ねられていました。
母は父を今でも愛していましたから、他の人と結婚した姿に近づかねばならないこと。
私自身がひとりで、見知らぬ場所へ行く恐怖。
断る理由はたくさんありました。
けれど――けれど、私が一晩悩んで決断したのは、首を縦に振る選択でした。
母はすぐに国一番のお医者様に診ていただき、意識を取り戻すことができました。
私が母にこれまでのことを話すと、笑顔でありがとう、と言ってくれたことが何よりの心の支えでした。
私の義母となった方は、父との間に愛情はなく、信頼関係で結ばれていたようで、私も母も快く歓迎してくださいました。
貴族の礼儀作法を覚えることは大変でしたが、すべてが上手くいき、私の選択は間違っていなかったのだと思えば、それくらい何てことなかったのです。
父と義母の間に新たな子が生まれても、私の"家族"は誰一人私を追い出そうとはしませんでした。
妹も私を慕ってくれて、私も母も新たな家族の誕生を心から喜びました。
すべてが幸せで、きらきらしていて。
――それでも、終わりはやってきます。
母の命の灯が消えるときが来ました。
私たちの種族は体が残りません。最期は淡い光になって、天へ昇っていくのです。
少しずつ母の体が透け始め、握った手の感覚も薄くなってきたとき、母の口から零れた言葉は。
「寂しかった――」
そう言って、母は消えていきました。
私の選択が、誰よりも大切な母を苦しめていたのかもしれない。
父の傍にいることが、病室から出られない体が、私が他の"家族"の下で笑っていることが。
理由なんていくつも簡単に出てきて。
つまり私は、自分の選択が間違っていたと思いたくなくて、それらのことから逃げていたということで。
それに気づいたとき、私は何かを選ぶのが怖くなってしまいました。
私の存在そのものが、崩れていくような気がしました。
私たちは体が残らない故に、心を何よりも大切なものだと考えています。
考えや思いこそ、最後まで人々の心に残るのだと、そう信じています。
それが出来なくなったら、私には何が残るのでしょうか。
[声は震えていた。
震える瞼から、再び涙が一筋溢れた。]
だから私は、真実を知るために、別の未来が見ることができるという星に行くために、旅をしてきました。
もうすぐ、もうすぐそのときがやってくる。
……行くのが怖いんです、すごく。
だから、私は強くなんかないんですよ。
[今までのどんな笑顔より弱弱しいものだっただろう。
それでも笑みは絶やさずに、小さく息をついた。**]
――通路――
[一条と女性を前にして、突然頭に降ってきた]
ああ。メリークリスマス、だ。
[思わず口に出す。
そう、確かサンタなんとかというおじさんがプレゼントを配るらしいのもついでに思い出した。
なんだかとてもすっきりした気分である]
[プレゼント。
今まで関わったこの列車の乗客たち。
ハンスから貰い受けたお金]
……。
[これは有効な使い道なんじゃないだろうか。
ふっと浮かんだ案]
一条、ちょっと後で話があるんだけれど。
[自分ひとりでは心もとない。
一条はセンスも良さそうだし、何よりとても頼りになる気がした。
勿論彼の都合を第一に考えるつもりだが]
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