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― 駅 ―
[馥郁たる花の匂いが立ちこめ、花びらが舞う。
舞う花びらは幾数重。祝福のように舞い降りては地に落ち消えゆく。
気品溢れる顔立ち、黒曜石の眸は半眼。きらりと澄み切る光を放つ。
口元には穏やかに微笑みを。額の中央には赤い粉。
黄色い薄い衣に下半身は覆われ、上半身は陽に焼けた健康そうな肌を覗かせている。
右足をゆると踏み出し、花びらを一枚踏まう。
その眸が、不思議そうな眼差しに変わった。
蒸気機関車の姿をした銀河間特急便を見上げる。]
はい、本当にすごい早業で…とても助かりました!
[少女の驚きの声>>66には、同感だと頷く。左手があまり使い物にならないので、自分一人だったらかなり時間を要しただろう。二人に内心で改めて感謝しながら。>>67>>68の言葉を聴けば。]
メルさんと、マルセーさんですね。
お会いできて、とても嬉しいです。
あ、大丈夫ですよ、わたしと…姉のレリアも、
同じ「スターライナー」に乗る予定です。
わたしが花を、姉がケーキを商いながら、旅を続けてきたの で、ちゃんと個室での商業許可証もありますし。
姉の作るケーキは…なんというか、えーとその、とても芸術的なのですが…あ、いえ、妹のわたしからしても、美味しいので、
食べにいらしてくださったら嬉しいです。
[どうやら口調から甘いものが好きそうな様子の二人に、
少しでもお礼ができればいいなと、笑顔でそう伝える。]
― 大浴場・女湯 ―
[脱衣所に着くと、切符を認証して自動で扉が開いた。
さっそく一張羅のお出かけ用ワンピースとドロワーズをばっと脱いで、浴場に飛び込む。
なお、切符は名札入れに入れて首から提げている。
列車の扉は普通に人力でも開くのだが、...的にはややしんどい重さなのだ。
その場でぐるっと見回して、浴場内に自分ひとりしかいないのを確認すると、すぐに浴場の電気を消した。]
(前回の続きが気になるんだよね)
[浴場の天井の投影プログラムでは、今は影絵でお話と字幕とが上映されているのである。
確か今日で上映内容が切り替わったはずであった。]
しかし早く気づきなさいって感じよねー
[頭に小さなタオルを載せて独り言を呟きながら湯につかり、上映が始まった天井を見上げた。]
― 廊下 ―
ごんがーー
[...的に物語は衝撃の結末を迎え、ぐすぐす泣きながら廊下を飛んでいる。
実は御年721歳。基本的に涙もろい。]
今日はごんの弔いに飲むわ…ビールを…
[それでも風呂のあとの一杯は譲らず、そのまま食堂車へと向った]
特殊能力って……ふふっ。
私の手伝いなんていらないくらいだったんですから。
[マルセーの呟き>>69にくすりと笑い、シリルの言葉>>73に楽しげに同調する。]
マルセーさんはスターライナーから出てきたから分かったけど、シリルちゃんもなの?
まあ、素敵な偶然!
それにしても若いのに商売なんてえらいのねー。
[両手をぱちんと合わせて子どものようにはしゃぐ。
かと思えば、自分より年下だろう少女の話>>73におばさんのように感心した。]
私は当分スターライナーに乗車する予定だから、シリルちゃんのところもお姉さんのところも絶対行くからね!
本当に楽しみ!
[胸の前で合わせた両手をぎゅっと握った。]
一体ここは。
ガイアを感じられない。
地球ではないのか。
[気付けば、手には切符が一枚。
シャラン―――――両手首には黄金の輪。
こすれ合う柔らかな金属の響きは幻想。
両の足首には、黄金の輪。首元にも黄金の装飾がある。]
― 駅 ―
[切符に書かれているのは、何処の星の言葉だろうか?
それでも彼─ラーマチャンドラ─には「銀河間特急便スターライナー」と読む事が出来た。]
裏面にも何か。
「…よりラーマへ」。
知らない名前だ。
[辺りを見回した。
ラーマが察した所、ここは駅のようだ。
行き交う人々の中は、人と呼ぶには難しい生き物も行き交っている。
そのうちの数人はラーマの方を見ていた。
先程、光と共に唐突に現れたので驚いているようだったが、殆どの人々は何処か見慣れているのか、そのまま歩いている。]
― 食堂車 ―
ぐすぐす、えーと、星の高原ビールと、宇宙ホタルイカの刺身と、あと何か地のものくださいー
[相変わらず涙ぐみながらも席に着きがつがつ注文する。
実は体に対するエネルギー効率が相当悪いのである。
あと食堂車の料理はタダなので食べなきゃ損だからである。]
ううう…、へー、お好きに焼きかぁ。服が汚れないように食べないとだな。
[持参のミニジョッキにグラスからビールをうまく掬い上げながら、食事を続けている。]
私も良い方とお知り合いになれて嬉しいです。
こちらこそ、よろしくお願いしますね。
[マルセーの言葉>>78に、微笑みと背筋の伸びた綺麗なお辞儀を返す。]
おっと、私は食堂車に向かっていたのでした。
それでは、また後ほど
[そう告げると、二人に軽く会釈をして、スターライナーの車内へ戻っていった]
ふふ。シリルちゃんは可愛いなー。
[すぐに顔を赤くする少女に本音が漏れる。元々好意は隠さない性質だ。
しかし必要に迫られてとの言>>82に一瞬申し訳なさそうに眉を寄せたが、すぐにそれは掻き消えた。]
うん。私お花も甘いものも大好きだから。
ふたりじゃ大変なこともあるだろうし、私に出来ることなら何でも言ってね!
こう見えて、力仕事も出来るのです。旅も長いしね。
[細い腕を勢いよく曲げる。力こぶはできない。
それに気づいて恥ずかしそうに笑った。]
― 駅 ―
[気付けば目の前に、薄紫色の生物>>0が居た。]
貴方は、……。
「はい。私はスターライナーの車掌ププモア・ブルーベです。
本当の名前は、とても長いので通称です。」
「本日はようこそ。
どちらの銀河まで行かれますか?」
[車掌ププモアは、ラーマに話題を投げかける。]
んん?
[辺りを覆った柔らかな光とどこか清廉な香り、シリルの声>>86で視線を移す。]
――ああ。乗客さんかなー?
[ププモアと話している姿>>87を目に留め、どこか納得したような声色で話す。]
不思議……うん。不思議な"存在"かも、ね。
少し待って欲しい。
ここは一体何処ですか?
「ここですか?
永久独立星オオサーカです。
この駅で暫く停留した後は、この銀河でもとびきり面白い星の一つへ向かいますよ。」
「時々居るんですよね。
全く何も知らずに、切符だけ持ってスターライナーに呼ばれるように乗られる方が。」
[唖然とした様子のラーマに、車掌は分かっていますよと言いたげに頷き、蒼い星で切符に触れる。★マークが直ぐに付いて、]
……ぼくは、ここに書いてある、けーけーあーるという人からの招待のようです。
[ラーマは車掌に切符の裏面を見せた。
しかし、その文字は見る見るうちに薄れて消えてしまう。]
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