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−樹海奥の崖−
お〜、ありゃまた難儀だねぃ?
[オノンの盾は、地面との間で風を吹かせて浮かぶものだから、そう大した高さまでは浮かび上がることができない。
ヴェルの示した先を見上げて、溜息をついた]
エドワーズさん、なんがちょうどいい魔法あっがぃ?
あれだったら、ちぃっと時間もらうけんどオレがとりに行っで来ようと思うんだげどもぉ
[その時間の間、その場で待っていてもらうことになるけれども、と。
ジェスロにも同様に問うが、彼の得物は絡め取ることができても獲って戻ってくることは難しいだろうと思うと、やはり向かうのは自分かエドワーズの仕事になるのではないか、と、思う]
/*
いや……ミスったの自分だしこの言い草はないだろうか。
変に気にしなくていいって自分は思ってるけど、向こうからするとそれで流せるようなもんではなかったのかもしれないし。うーん。
紅クレーレ、ねえ。
[よくもまあ、手に入ったものだ。
青年はくすりと笑う。クレーレ種の中でも特に赤く魔素を蓄えたもの。花を赤くするのは、クレーレ特有の毒素である。そのままはんでも害はないが]
毒しか喰わぬ、そんな者もいるんだよね〜
[町での青年は、駄目に三乗かけたような性格だ。
だからこうしてクレーレを持っていても、誰も気を払ったりしない]
我ながら、良い性格。
[また、くすり、笑った]
/*
理由書いた方が良いのかな。
・更新時間までに来れない人が居ること
・余裕がなく時間が足りないこと
・体調不良なこと
最後のはあまり表で言いたかったので。
1番目だけでも私は充分賛成理由になるんだけれどね…。
―南の樹海奥・通称「黒い湖」付近―
[――「奥の黒い湖」といっても、それでもこの付近はガガーやヴィロバードの元来の生息域よりはやや手前、といった位置にある。
地中から溶け出した特殊な金属の成分を含むこの湖は、それら金属の微妙な配分によって黒く染まっている。
そんな黒い湖を木々の間に垣間見る形で、ロッテは身を潜め、湖の状況を注視していた]
― 朝・自宅 ―
[台所に立つと、
粉、マカ鳥の卵とケルルの樹液を取り出した。
粉は旧大陸からのもので、マカ鳥は樹海まで分け入らずとも新大陸で飛んでいる食糧に出来る中型の鳥類だ。
樹海にあるケルルの樹は、成長すると、直径3〜5mの球が数十程繋がり(結合部は瓢箪を思わせる)地上を這っており、葉は一切ない。地上部表面で大気・光・魔素・水を吸収し栄養を合成をする。
充分な栄養が溜まれば、尖端から新しいこぶが生えて来る。このこぶを傷つけると、中から樹液が出てくるが、これが家畜の乳に成分や味が似ている。
人類以外へは有毒で、毒素を分解出来る樹海の生物しか食べない。大型翼竜種の一部では、薬代わりなのか舐める姿を目撃されているが確かな生態は未確認。
乳と違い、長期常温保存が出来るのが特徴でもある。採取方法は、樹皮を傷つけ、樹液が流れ落ちるのを受け止めれば良い。
種は、樹の中央部分に出来、こちらは50cmぐらいの球でとても転がり易く、時期が来れば離れる。]
[お玉を使い、フライパンに広げて焼いていく。
膨らみ易い粉なのか、全体的に疎らなきつね色がついていく。
小さめのパンケーキを72枚焼くと、ポコが戻ってきた。]
コルドさんの依頼の品、わかったら後で教えて貰おう。
[身軽な男だから命綱一本で下っていけるような場所にいるものが依頼の品とは、青年は思いもよらない。
鉄板で焼くというから、ほ乳類の肉だろうか、なんてとっても幸せな想像をしている]
鉄板なら魚も美味しいよね。
ああ、あれは網焼きか〜
[以前オノンとも話したか、生魚の話し。
幼い頃は漁師の町に暮らしていた。だから生魚も焼き魚も食べたことがある……危険種は、さすがに子供には無理な相手だ。
性格は、全く漁師に影響されずにこんなだけれど]
早く安全に漁できるようにしてあげたいな。
[北の方の空を見上げた。
ヘロイーズの家はもうすぐか。
青年は時計を見る。
北の割れ谷に立つこと、招待状をくれた彼女にはきちんと話しておかなければ行けないと思う。
おみやげでも何か、などと考えてしまう青年は、やっぱりどこまでいってものんき者だ*]
― 朝・自宅前 ―
ふんふんふーん。
ふんふーん♪
ふふふふーん♪
[小さい割烹着を着て、
でたらめな歌を歌いながら、
自宅前の道を箒で掃いている。]
ふんふんふーん♪
ふふふふー。
[さっさ、さっさ、さっさ]
おはよーございます!
今日もいー天気なのだー。
[頭のあれには、周囲にゴムを通した
小さな白い帽子が被せられていた。]
― 朝・自宅前 ―
トニーくん、おはよーございます!
今日はどこへお出かけなのだ?
[人間だけでなく、犬にも朝の挨拶。]
お隣さんも掃いておきましょー。
さっさ、さっさ、さっさ。
キレイキレイです。
うふふー。
[くるるん]
[からの写真たてには、銀のブレスレッドが架かっている。
その前に飾られているのが、細かい鈴を飾り付けられた紅クレーレ]
オト ミセマセ クラマセ トモラセ
[指で、花を弾く。
ちりちりんと高い音が鳴った]
[無事に崖下まで下り、マンゲツガニを待つ。
やはりクラブローパーの影響もあるのだろう、なかなか姿を現さなかったものの、一晩粘って4(6)匹は手に入れることが出来た。
あとはこれを持ち帰るだけだが――]
そう簡単には終わらせてもらえないか。
[匂いを嗅ぎつけたか、壁で蠢くものがあった。
ざわざわと這い出して来たのは、フナムシを大きくしたような生き物だ。
危険種としては小型サイズだが、噛まれればかなり痛いだろうし、何より依頼の品を傷付けられては困る]
流石に全部は相手してられないな……!
[ロープを掴むと、登るというより跳ぶ動きで、崖を上がって行く。
途中フナムシに取り付かれそうになると、手や足で素早く払った。
ようやく縁に手が届くかという所で、上からも折り重なるように落ちて来る影が見えた]
邪魔だ!
[ロープを片手に持ち直し、開いた右手でクロスボウを引き抜く。
狙いを定め引金を引くと、数匹が矢で貫かれ、更に近くの数匹が余波で吹っ飛んだ。
群れの密度が下がったタイミングに、一気に登り切る]
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