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― …→酒場の回想 ―
[酒場に向かう道中、クラットに掛けられた言葉を思い起こす。荷物の重さには、にこっと笑顔を向けたけれど]
(――紅クレーレの花とかあったら、譲って貰えます?)
[ヘロイーズはクラットに、わざとらしく指で丸、コインマークを作ったが、直ぐにくすっと笑って冗談だと示す。
仕事道具は持たせる訳には行かないので断ったものの、
今回の、保存と自分用の採取品はお願いしても構わないかもしれない。]
[酒場まで、自分用の採取品を一部持ってもらうのを条件に、
紅クレーレの花を譲るのを快諾した。]
―南の樹海―
[ジェスロが何か投げるような動きをした、と前方の梢からバサバサと音がした>>63]
――?
[ふわり、と背を伸ばし耳を澄ませ、気配を探る。
風の魔素の力を借りて聴覚を強化できるが、耳に入るのは聞きなれぬ鳥の声ばかり。
戻ってきたジェスロの手にはボーラに絡め取られた鳥が]
樹海は危険とは聞いていたが、森のとば口でこのような危険種が出るとは……
唾液で鉄を焼くとは恐ろしい鳥もあったものだな。
知らずに相対したらどうなることか……探索をするにも慣れた冒険者の手助けがやはり必要だな。
君がいてくれて助かった。
[ぽん、とジェスロの肩を叩こうとして思いとどまり、一歩後ずさった]
― 酒場 ―
[青年の目的も掲示板。
冒険者と違い、依頼をする側ではあるけれど]
へえ〜
こんな依頼もあるんですね。
[ぴらりと捲った依頼は、モデル求む。条件は英雄譚に出てくるような格好を自前で用意]
あ、いい依頼、ありましたか?
[ガッツポーズするヘロイーズ。
花を譲ってと頼めば、最初はコインマークのサインで「ええと持ち合わせが!」とポケットを裏返したりもしたけれど、結局荷物持ちの仕事で紅クレーレの花を譲ってくれた。荷物運びでいいんですか? そう言ったけれど、確かにこの花と交換の価値があるほど青年には重かった]
全然重そうに見えなかったのに。
[ヘロイーズにガッツポーズを返す。
何となく腰が痛い気がした]
―南の樹海・湖畔近くのキャンプ地―
[狩猟の再支度を一通り終え、暫くはその場に留まっていたのだが――。
出かけ際、イスルギには「数日は掛かるかもしれない」とは言い残してきているが、それでも可能な限り迅速に依頼を達成するのが最善だ、とロッテは意識している。
幾許かの思考の結果、ロッテはひとりでここを発つことを選んだ]
………しかし、あの御仁には詳細は見えなかったものか。
見間違えで騒ぐ、などあるべきではないが……。
[採取の成果上々に見えたヘロイーズたちは少なくとも危機に遭遇してはいなさそうだったし、他に行き違った冒険者たちの多くも何事かあったようには見えなかったのだ。
首を傾げるでもなくただ呟いて、そのまま、キャンプ地を後にする]
[依頼の張り紙をする。
ほんわりあたたかい手触りのポコが言ったので気づいた。まだ近くにいたなら湯たんぽ代わりになりそうな頭をやっぱり撫でつつ]
依頼にすればいいんだよね。
[巨大化の魔法求む。噂でも可。ただし実験はしないでください。そんな依頼書が、掲示板の下の方にこそりと一枚。
後は8(10)とか6(10)とかの依頼だ。誰もこなさなくてもいずれは自警団が何とかするだろうけれど]
いつになるかわからないしね。
[何せ人手不足の自警団、だ]
[根付くかは分からない、というオノンの言葉>>72に、それで充分と伝える。かの特効薬は裕福な層でもなかなかに手に入らない、ましてや一般家庭ではまったく手が出ないほど高価なもの。その原料が運良く広がれば。
そんな話をしていると、>>66。そういえば、出身は旧大陸とは聞いたことがあった気はするが、詳しい話は聞いたことがない]
…。
[口調は軽く聞こえるけれど、聞いていいものか分からずにジェスロの顔を見上げたが、結局口には出さずに周囲の警戒に意識を切り替えた]
―→南の樹海、キャンプ地を出た辺りで―
?
[先人たちによる魔法と機巧の守護の範囲から少しだけ外に出た時、遠くの木々の間に走る――飛ぶ影を見つけた]
あの飛び方は、 ヴィロバード?
そんな筈は。 否、……。
[先程の未確認情報の件も思考回路の中に廻る。
幾らかの警戒を保ちながら、慎重に歩を進めていく。
足元のブーツを下草が擦る音がしてしまったが、それに気づいて危険種が迫ってくる、ということは 今のところはない。
そうしているうちに、やがて見えてくるのは幾人かの人影]
― 酒場 ―
[掲示板を眺めているヘロイーズに、
酒場の主人が声をかける。]
「それにしても早いもんだな。
ヘロイーズも、来てそろそろ7年は経ったか。」
[タウン・ナリヤ。十数年程前に新しく開拓された町、定住者は意外にも少ないが、この酒場の主人は長年この町で店を開いている。]
「親父さんとこの店に現れた日の事はよーく覚えてるとも。
そっちのチビ助もな。何か飲んで行くかい?」
[ヘロイーズは少し悩んだ後、頷いた。
疲労回復効果と後味スッキリの、
爽快系ドリンク、スズラ蜂蜜ジュースを指差し注文する。
スズラとは、鱗状の皮に包まれた酸っぱい実の成る植物で、その実はビタミンと魔素が豊富に含まれているのだった。
クラットにも、酒場の店主は注文を聞くだろう。]
―南の樹海―
[ヴェルに案内されて到着したキャンプ地で、ロッテには出会えたか。
あたりを点検していると果物と書置き>>1:8を見つけた。署名は『冒険者,ヘロイーズ・ヴァルサールより』とある]
……ヘロイーズ・ヴァルサール?
[名前を口に出すと、優美な響きに聞き覚えがある]
どこで会ったのだったか、随分昔だったような……
ヘロイーズ……ノクサの村の祈祷師は……違うな、アカデミーの同級生は確か……いや……
うーむヘロイーズ。ヘロちゃん。……ヘロちゃん?
[口をついて出た愛称に記憶の片隅がひっかかった]
ああ、宙船発掘のヴァルサール博士!あのヘロイーズが、冒険者?
……。
…?
[エドワーズには最初こそ質問をされたものの、途中から必要以上には話しかけられていないのに気付いた。よくよく注意すれば、その質問は自分にした方がいいんじゃないかと思うものまでオノンやジェスロに振っている]
……。
[なんとなく年上の男性が…特に兄に近い年代の男性が苦手で必要以上に警戒していたが、いい人ではあるらしい。そう認識を改め、エドワーズの質問に二人が困っていると、小さく注釈を入れたり代わりに答えたりするように心がける]
[クラットには、
紅クレーレの花を多めに蕾付きのものを譲った。]
「みゅ…」
[リトが欠伸混じり声を上げた。
頭の上のリトをそのままに、振り返る。
どうやら男性の冒険者のようだ。
ふるふると首を左右に振って、にこっ。]
[仕立てのよさそうな服や持ち物からいい家柄の人なのだろうとは察せられた。けれど見たことのないものを見つけるニ興味津々といった顔でメモを取っている姿は、案外フィールドワークにも慣れていそうだ。
キャンプ地近くの群生地で薬草を採取していると、近くでエドワーズが屈みこむのが見える]
え、と…
[少しの逡巡。けれど]
あの、葉、だけです。根に薬効はないから…植えると、簡単に増えるんだけど…薬を作るのなら、葉と、茎があれば…
[アブラハムの依頼内容からして、必要としているのは薬の原料だけだろう。キャンプ地に行ってみたいという言葉に、こくりと頷いた]
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