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[呆れ顔に気付いたのか]
寝床の提供受けるんだし、食事ぐらいは奢るさ
[ジェスロは口を開く。すかさず入った「泊まるつもりなんですか」という突っ込みが入ったものの、それをスルーし商人へと向き直った]
はいはい、えーと……お宅の取り扱いは木工製品ね。
んで…怪しい品物を運ぶやつを見たって?
[がらりと話題を変え、確認の為調書の内容を復唱するジェスロに、商人は困惑の表情を浮かべる。「いつものことなんで気にしないでください」という官憲のフォローが入ったところで、やっと落ち着きを取り戻したのか商人は口を開いた]
−西街道−
お〜、おねぇさん、ロッテさんじゃねェかぃ?
酒場のご主人さんに頼んで依頼の手伝いさしてもらいに来たんだげどもぉ
[ずるりずるり、盾に乗るほどもない距離を盾を引きずって歩み寄り、声をかける。
依頼の内容は、受け取った荷運びの手伝いであること、ロッテの報酬の取り分は減らさないよう話はつけてあること、それから、自分は聞いての通り交渉には向いていないこと、を、自己申告どおりの聞き取りづらい訛り言葉で告げる]
そっだらオレはてげとーに時間潰しでっがらよ〜
話がついだら教えてくんねが?
[に馬車の主との商談はロッテに任せる、と宣言して、オノンはふらりと道端へと歩み出る]
−道端−
♪〜
[今度は正真正銘の鼻歌を歌いながら、腰のベルトから小型の機巧を抜き出す。
ロッテの腰のものともよく似た拳銃のようだが、オノンの手にしたものは銃弾を打ち出す銃身の代わりに、往復式の鉄杭が仕込まれている]
ふむ……
[商人の話を聞きその内容を調書にとる以外に、適当な紙に箇条書きにしていく。木工製品業者の話をおおまかにまとめると次のようになった]
「街に入ったところで、大きな包みを持つ一団とすれ違った」
「大きなものであるのに荷馬車ではなく人力での運搬で、その仕事運びも不慣れなようだった」
「布がはだけた部分から水晶の細工物ものっぽいのが見えた」
「それだけ大きな水晶の取引が商人の情報網に引っかからないのはおかしい」
[そんなこんなで、できあがった書面をパシパシ叩いていると、酒場からの出前が届く。目の前の商人にも食事を勧め、自分もパンにかじりつきながら意見を求めてみる事にした]
[がちゃこ]
[慣れた手つきで弾倉を開き、一般によく見かける火薬カートリッジを差し込んだ]
[だんっ!]
[がちゃこ]
[だんっ!]
[がちゃこ]
[だんっ!]
[地面に鉄杭をあてがい、オノンが撃鉄を引くたび、深さ20cmばかりの孔が開けられていく]
でっかぐなれよ〜
[自ら開けた孔に、旅荷物よりも大きな頭陀袋から取り出した種を一握りずつ落としこみ、ひとつひとつ祈るような声と共に埋め戻して、一連の作業は終了。
作業の最初に戻って、機巧で地面に穴を穿ち、種を落として、埋め戻す。
ロッテに声を掛けられるまで、そんな作業を繰り返していた**]
まず、この街にノーパスで入ってこれる水晶っぽい細工物品物って時点で、あんたがブツはガラスか輝水晶な。他が水晶がすんなり入れるなら、俺はこんなところで三桁超の書類と戦う羽目になってない。
[「書類はなくとも、品物を検める事にはなるだろ?」と付け足すと、そういった手続きをよく目にしているのだろう商人と、その手続きをしているであろう官憲がと頷く]
隠して持ってくる時点で輝水晶なんじゃね?
ガラスの細工物ってなんの問題あるの?魔素含有量にしろ、そのほかの性質にしろやばいものじゃないだろ。
[輝水晶はそれそのものには魔素を含まないが、少々の魔素増幅効果がある。
それらは、十年前この街に来てから、街に入る為の書類を処理するためにつけてきた知識だった]
つまり二つに分かれてるってことだ。
[いきなりポンと出された結論に、先の話題とどう繋がってるのか把握できなくなった官憲と商人は「は?」と声に出し、お互いの顔を見合わせた]
[顔を見合わせる官憲と木工商人に、ジェスロは調書ではなく箇条書きした方の紙を見せる]
輝水晶はそれだけじゃ特に害はない。だからノーパスで入ってくる事ができる。OK?
[相手がコクコク頷くのを見て、話を続ける]
次になんで隠して持ってくるのか、だ。金持ちって人種がわざわざ隠すか?でっかい細工物。んじゃなんで買うんだよ、調度品ってなる。
[その話には商人が強く頷いた]
つまりー輝水晶のブツは調度品じゃないってことだ。
輝水晶に飾り以外のものを求めるなら、残るのは魔素増幅効果ってことになる。
[そこまで話を聞くと、官憲の一人が口を開き]
「でも、魔素増幅の水晶があったところで本体が――あっ!」
[そこまで言ったところでジェスロの言わんとした事に気付いたようだった]
そ。輝水晶とその本体。後者は相当量の魔素を含んでる。分けて街に運ぶなら、後者も調度品の体をとってくるかもな。純度の高い魔素水晶あたりが有力候補。
水晶系の調度品扱ってる商人に、何も知らせず運ばせるってのも…効果的かもな。
[いつの間に平らげたのか食後の茶をすすりながら、そんな事を口にする。入門手続きを行っていた官憲が「本体にあたるようなものは街に入ってない」という事を告げると]
んじゃ、やっぱ必要なのは二つだ。街の外と街の中。輝水晶と本体相当の物と、それぞれを持ち込んだ奴の補足だ。
「……ジェスロさんは向かわれないんですか?」
[やる事が決まったという事で、冒険者への応戦要請を出そうと酒場と組合へ駆け出す官憲を見送りつつ、二服目の茶に口をつけたところで、官憲が口を出した。その言葉にジェスロは眉根を寄せながら]
街に入っていいの?
[と、駄目もとで聞いてみる。「いえ、外の方です」と返ってきた返答に、やっぱりなという表情を浮かべ、今度は書類手続きをしている官憲の方へ]
純度の高い魔素水晶、それもでっかいの。触ったら何枚になる?
[と、問う。返ってきた「四桁いくな」という言葉にジェスロは机に突っ伏し]
まずは残った書類をかたす……
[と、呟いた**]
[目の前の相手の容貌と、自身の知識と照らし合わせる。
オノンの面立ちを赤い両目が暫し見つめる。
見つめた時、また、キリリと機械調の音がほんの微かに鳴っていた]
なるほど、酒場の旦那に使わされて、ということかい。
……僕は旦那を待たせてしまっているようだ。
[訛りのある言語を注意深く聞き、内容を把握する。相手の依頼のこと、報酬のこと、交渉のこと――。
そう言えば荷車も無しに来てしまったものだったな、と思い返した。
視線を一度、大盾の方に向けてから]
あい分かった。幾らか運んで貰えるならば助かるよ。
それでは、暫く待ってておくれ。
[それから、オノンの鼻歌と地面を穿つ音を背に聞きながら、未だ落ち着かない風の商人との交渉に戻る]
[至急の件とはいえ、何も考えずに高い買い物をしたりすることはあまり良い事ではないと判断した。
報酬とは別に、グラス代は立て替えで、ということになっているのだ]
水晶製のグラス……はやめておこう。店で使うものだから安い品で良い。
こちらのガラス製のものをこれだけ頼もう。
あぁ、もう少しまけては貰えないかい?この位まで……
[荷馬車に積まれていた調度品を直に取り出させ品定めしながら、一応の交渉成立をみたところで、今一度ロッテの目は幌の方へ、それから商人の目へと合わさる]
ところで、運んできた品は、今ので全部かい?
まだ何かあるような気はするのだが。
[明らかに動揺を含んだ商人の反応が、ロッテの赤い目に映る。
それが危険種や群盗に対して抱くような動揺と同質のものであるか否か――そこまでの微妙な心情の色合いまではロッテには覚れなかった。
そしてついでに言えば、幌に覆われたまま姿を見せない「商品」が持つ特質が、ロッテに感覚として伝わってくる、ということも無かった]
――失礼した。僕の現場は官憲の検問所ではないものね。
[それから、ガラス製のグラスが収められ、「割物注意」の焼き印が捺されている木箱を一つ両手で持ち上げて、漸くオノンの方を向く]
お待たせ。やっと商談成立したところだ。
では、この箱の運搬を頼めるかい?
もう一つ買い付けたグラスの箱は、片手でも担ぐことができる程度のものだし、僕が運ぶことにしよう。
[片手でも空いていれば銃を構えることはできる――と、荷馬車の護衛のようなことも考えながら。
少しだけ視線を下に向けたところで、ぱちりと瞬く]
そう言えば、先程から火薬の香と――音がしていたが。
何か採掘するものでもあったのかい?
[逆に何かを埋めていたのではとは思いつかないまま、箱越しに地表を眺めながら、他愛なく聞いて*いた*]
− <<巻き戻し 作業開始前 −
ああ、違ぇよぉ
ご主人さんにオレが頼んで手伝いさしてもらいに来たんだ。
悪り悪り。気ぃ悪くさせちまったが?
[ロッテの言葉>>49の、『酒場の旦那に使わされて』という部分を念を入れて否定し、悪びれもせず屈託なく笑う。
なにしろ自分で言い出したことなのだから、それで酒場の旦那に対するロッテの心証を落としては寝覚めが悪い]
?
[先刻ロッテが振り向いた時にどこかから機巧の音でも聞こえたような気はするものの、オノンはさして機巧に詳しいわけでもない。
駆動音の出所が分かるわけでもなければ、その音の意味するところを推理することができるわけでもない。
結果。オノンは気にしないことにした]
−早送り>> 現在へ−
おー、お疲れさんだなぇー
[声を掛けられて>>51地面に向いていた視線を上げる。
手にした機巧が弾き飛ばして顔に飛んでいた土くれを軽く払って、ロッテから木箱の一つを受け取る]
ん?おぉ、これがぃ?
今ここさ種植えてたんだげどよ
こりゃー、アレよ、都会語で言う『らいふ・わぁぐ』っちゅーやつよ
[他愛のない質問>>51に、いいことを聞いてくれたとばかりに得意げな笑みを作って解説を始めた]
草木はどんな小っこげなやつでも魔素を集めて循環させる働きがあっがらな。
旅歩きしながら、めっけた種を次の新しい土地に植え付けて歩ぐ。
それがオレんとこの田舎で旅に出るやづの約束事なんだ。
[約束事と言いつつ、強制されてやっているわけではなく、楽しんでやっていることはその口ぶりからも聞き取れただろう]
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