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[借りている部屋の、ベッドの上。
夏蓮と一緒に隣り合って座りながら夜を過ごしている]
分ける必要が、ない……。
[耳に、ソプラノがすっと入り込む。
綺麗な響きが自分を落ち着かせる]
友達から始めましょうって、素敵な言葉なんだね。
夏蓮のおかげで始めて分かった。
[ぎゅう、と彼女に抱きつく。
柔らかな温もりに、心が解れていくのを感じた]
― ナナミが風邪から復帰した日 ―
[珍しく遅刻せずに教室に入ってみると、ナナミの後ろ姿。
後ろからだからマスクには気づいていない。鞄に入れていたクッキーの紙袋をナナミの頭の上にポン、と置いて]
おはよ。風邪、良くなったか?
― 一学期後半試験前のある日 ―
なーに腑抜けた顔しとんねん妖怪百面相。
[唐突に。
給水塔の上から声を降らせる。夏らしい、抜けた空と入道雲。
ぼんやりと、空ではなく地上を眺めて。]
授業さぼるんなら、せめてみつからん場所にせんかい。
そこ丸見えやで。
……ああ、最近は性根いれかえたんやったか?
[あの生活態度不良児がさっぱり遅刻もサボりもない。
なにかあったのかとはおもうけれど、それを聞く役は天敵の自分ではなく、きっと。]
[いつもの場所で、夏蓮と美緒を待つ。
皆、好きなら好きと言えば良いと思う。
自分も恋人が居た事はないから偉そうな事は言えないけれど…。
友達として、もう一歩だけ。二人で出かけて見たりして、
お互いの距離を図るとか。なんか違うな、と思ったら友達でいれば良い…]
…。
[ともいかないのだろうか]
[頭におかれた声と、かけられたクッキー…逆だ。
振り向いた先、両手をあげてクッキーを支えたまま、
すん、と鼻をすすった]
!
[ふと思いついて、彬を手招きした。
スケッチブック、がりがりと神社っぽいなにかを描いて、
なにか騒いでるような線を描いた。お祭りのつもり]
。
[自分と彬を差して、首をかしげた。
そして、美緒を差して、ちょっと目を細めて、愁も差して、
もう一度首をかしげた。愁も一緒です大丈夫?っと言った感じで]
[いつの間にか、そこに愁がいた。息を切らせて。
湧き上がる感情。
耐えるように唇を噛みしめ、無言でこっちに来て、と手招きした]
ごめんね。
[たくさんの意味のこもった謝罪。
こんな時間に呼んで、こんな問いを投げかけようとしている。
空を見上げた。
あの夜とはまた違う、夏の星空だった]
[触れた温もりを、忘れるか覚えているかという選択は意味がない。
忘れられるはずがないからだ。
そして、今、その台詞の意図を尋ねることは出来なかった。
だから。]
……うっちーはさ。
友達の好きと、恋人の好きって、なにが違うんだと思う?
[見上げていた視線を、愁に向けた]
[無言でジャングルジムを昇って、すぐ隣へ。
空を見上げれば、夏の夜空。
スピカは西のかなたへ降りて、代わりに天頂にベガが。]
なんてことないわ。
[きっと、いろんな言葉の詰まった謝罪。だからあえて、たった一言で、返す。]
ひとそれぞれやから、参考にもならんとおもうけどな。
[向けられる視線。それを感じながらも見返すことはなく。]
LikeもLoveも同じ水平線にあるだけの話や。その距離がどうであるかは別にして、な。
……ただまあ、その先に。
WantやNeedが。求めたり望んだりするものが存在するかどうか、やないかな。
[ぽつりぽつり、言葉を漏らす。]
相手にこうあってほしい、だからこうなりたい。
そう思えるなら、恋人の好き、でいいんやないか?
[半身を向けて、瞳をあわせる。わずかだけ、見上げる場所にあるそれを。]
[頭上から降ってきたよく知った声に、渋面を作る。顔は相手に向けないままだ。
よりによってなんでこいつだ、とか思ってみたところで]
…さぼるつもりできた訳じゃない
[妖怪だなんだはすっ飛ばして答えたそれは、嘘ではないけど本当でもない]
…いつまでもバカやってられる年でもないだろ。
そういうお前こそさぼるのか?ずいぶん最近色々忙しそうだが
[言って、振り返った顔はいつも通りの皮肉っぽい笑顔]
[振り向いた顔。まだマスクをしていた。大丈夫かと聞きかけたところで手招きされる。
何?と首傾げて寄って行くとスケッチブックに何か書いている]
んー?ああ、神社のお祭り、俺とナナミと美緒と愁で?
…俺と愁のどつき漫才みたい?
[肩軽く揺らして笑う。普段犬猿の仲だけど、本音の所で舅のやりとりは嫌いじゃない。
少し考える]
…今回は香月は一緒じゃないのか?三人セットなイメージ。
[ああそうすると男もう一人いなきゃ誰かあぶれるか、と]
[奈波からのメールに、携帯を握りしめる。
彼女には自分の惑いがすべてバレバレなのではないか?
なんて、考えたり]
『行く! 奈波とみんなで、行く!』
[考えて考えて、そうメールを送った。
奈波ありがとう、と最後に大切に打ち込んだ**]
― 一学期後半試験前のある日>>266 ―
はん、ならわいと同じやな。
[さぼるつもりがあるわけではないけれど、ぽっかりと心を空ける時間がほしいのは本当で。だけど。]
忙しいで?いつまでもバカやってられへんからな。
誰かさんが真面目に授業でとるのとおんなじや。
[時間には限りがある。だからこそ全速力で。
とまっている暇は許されていない、自分には。
屋上へ飛び降りて、すたすたと扉へ。
ふと、一度だけ振り向いて]
いつまでもお互い阿呆でもおれへんのや。進まないとな。
……なんかあるならいつでも聞いたるよ。天敵がそんなしけた面してると、こっちまで張り合いなくなるわ。
[そのあとは振り返ることはなく。]
[早い話が息抜きだ、というのはどうも相手と同じだったようで。だからといってそれを口に出せるほど素直でなく。
なんの気負いもなく同じだ、といえる相手がにかなわないと思うも口に出さない意地っ張り。]
おかげで今学期の成績はまともになりそうだ。
[まじめに授業、とぼそっと呟いた。
自分よりきっと愁の方が潔く見える。彼にはそれなりに思うこともあるだろうとは思うが、前に進むことをためらっている自分から見たら、うらやましいほどに鮮やかだ。
なんて思ってるのはもちろん口に出さないが]
…阿呆、お前に相談するくらいなら弁天様に行く。あっちの方が色っぽい。
[素直にありがとう、なんて言わないのもいつも通り。
振り返りもせずに愁が出て行ったのを見送って]
戻るか…
[口からでたさぼるつもりじゃない、を実行すべく、屋上を後にした]
[愁がキスしたらしい相手が美緒なのか、確信は持てなかったけれど。
皆で行くんなら良かろう。良い雰囲気っぽかったら適当にはぐれてしまえば良いし、
そうでもないようなら皆でいれば良いし]
…。
[改めて、いわゆる取られそうになって気付く、とかそういう感情が、
今ひとつ湧いて居ない事に気付く。だから違うんだ、と思うが、
逆に、何があっても、関係がどうなっても…という安心かな、
とも思った。じゃあそれこそ、恋人として、手を繋いだり抱き合ったり。
キスしたり………。ダメだと思う。やってみれば、わからないけれど。
最近どうも、思考がこんがらがる気がする。頭を振って、追い払った]
[彬に、心から頷いた。いろいろ思惑が無いでもないが、
二人をどつかせて置いて、美緒と回るのも楽しいと思う。
雰囲気次第で別れても良いだろうし。
夏蓮、は……なんとなくやめとこうと思う]
…。
[何かあったのか、と言う所までの感情にはなっていないけれど。
目線とか、態度とか、なんとなく。なんとなく。
少なくとも、自分の目の前では見せてないものがあると思う。
歌を見ても、なんかたまってる感じするし、と。
また一つ頭を振って、取り敢えず、夏蓮に感してはふるふるっと首を振った。
指を六本立てて首を振る。四本にして、首をかしげた]
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