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美緒うまいわぁ。
なんでわいがわざわざこの場で切り出したかわかってるんやろなー。
こーゆー女の子好みやわ、愁。
そしてまたふらつくと。
え?
[にじり寄るようにしてきた愁に、思わず身を引いた]
そ、そんなこと、こんなところで言えないわよ。二人もいるし。
[と、小声で言って、目を逸らした。
頭の中ではフル回転で、あの時のことを思い出そうとしていた]
[そういえば父は一人であの家に今いるわけで。
ちゃんと寝て食べているのだろうか。
本に押しつぶされて干からびていないといいが。
そんな心配を子供の自分がしなければならないのも悲しい話だ]
お金にならないのは、別にいいんだけど。
……そろそろ年なんだから自分の身体を顧みて欲しいわ。
[聞こえないくらいの声でぼやいた]
あの、すみません。
注文お願いしてもいいですか?
[ふたりの話を邪魔したくなく、自分が纏めてオーダーした。
内容は少し気になるが頑張って気を逸らしている]
片思いってもー。
[少しおさげが揺れた]
うん、よろしくねっ。
あ、まだ交換してなかったっけ。
[アドレスなど交換
そういえば何も頼んでなかったのでパンを買いに**]
か、片思いとかアレじゃねーし!
それにまだ終わらんよ。青春はこれからだもんなー。仲良くしましょうぜ。
[失恋へこみ中な今ぐさーっと来るワードだ。
年上の幼馴染に抱いた理解不能で、海の底みたいで、でも冷たくないじわりと焦燥感のはらんだ微熱のようなイメージと比べると、山中の方が柔らかくて親しみがあると思う。]
おうよ、交換交換。
お祭りならワッショーイってなるぜー。楽しいし!
ん? あー。そういうんはうちのクラスレベル高いよな。
なんだなんだ、遠い目しちゃって。香月超頼りになるし、ちょいちょいっと手伝えばいいじゃん。
[自分でさえ美人、可愛いと思うんだから相当だ。
中学の頃の事情を知らないので好き勝手言ったりして。]
とっ…!?
[と、それに言い返したいことはあったが、美緒たちが注文を始めたので、口をつぐんだ]
(え、特攻…?え、だって、あの時は…)
[なんとなく会話の断片が思い出されてはきた]
え、みおちゃは、フルーツパフェ?
一口づつ分けない?
[慌てて美緒に笑顔で返す]
み、見つめてなんかない、ない。えへへ。
[明らかに顔を引きつらせていたはず]
途中まで書いたけどくどくどしくて投げ捨てたくなってきたから灰供養。明日考えよー。
[とりあえず3F行くか、と階段を上りかけたところで、気慣れぬ風情の着物に勧誘のチラシ抱えて下りてきた茶道部の先輩女子と遭遇。うわーやっぱ堅苦しそう止めようかな。と踵を返しかけたところでごっつい先輩男子にばしーんと背中を叩かれた。]
ぐえ。
や、こないだはどーもっす。
また見学させてもらおっかなーと。
[お茶の先生のお宅でご指導頂く日と学校での自主練の日があるらしく、しばらくは勧誘かねて校内で活動するらしい。せっかくだから、まぁいいかと空き教室についていった。]
ふーん、最初からどーんとカッコよくやっていい訳じゃないんだ……?
帛紗? え、ちょ待って。そこの畳み方分からな――え?
[]
[人の機微には敏い方だ。
それでもさすがに聞こえない話の内容までは悟れない]
そっか、3人とも資門で同窓なんだよね。
何か面白いエピソードとか、ある?
[それはもう無邪気に問うた]
そうそう、うっちーもせっかくだから食べなよ。
夏蓮、もちろん! 奈波も分けよう。
[快諾したけれど、夏蓮の顔の引きつりには小さく首を傾げた。
愁の変化よりかなり明白だったからだ]
うっちー…愁くんとは同じクラスになったことないから、それほど…。
ななちゃとは、時々遊びに行ったりかな…。
[と、美緒に答えるように]
な、なによ、伝説って。
[愁がいきなり自分のことを取り出したので、どぎまぎ]
― グランド ―
球技はちょっと……うーん。
[ボウリングやって分かった。
自分には物を投げるというか物が自分から離れていく系統のものについて、才能が無いかやる気が出ないのだろう]
…――武道とかも面白そうなんだけどね。
[球技よりかは興味は惹かれるが、医療を志す身としてはどこか割り切れない部分がどうしても残る。
誰かを守るために、という想いはあるけれど、その手段がこれと繋がる時期でもなかった]
じゃあ、やっぱりあれかな――。
[見やったのは、コートでも武道場でもなく。
1つはプール、もう1つはショートトラック――**]
うっちーで影が薄いんなら私はこの世から消えてる。
[きぱっ。
愁が中学の時は瓶底メガネだったという可能性もなくはないが、
まぁ夏蓮と奈波の様子からそれはないだろう]
へぇ、どんな伝説?
あ、まさか64分話し続けたとか。
[わくわく。聴きたいオーラびしばし]
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