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叫んでも幽さんは何もしてくれなさそうだ。
仕方がないので辺りを見回すと、ヒモが天井から下がっている。
「なんだこれ、引っ張ってみよう。」
今にして見れば罠かもしれないという懸念があったが、今はそんな場合じゃない。
ぐいっと、紐を引っ張ってみた。
●
気が付けばがきんちょ君が紐をひっぱていた
いや、それは罠だろう
まだまだがきんちょ君も甘い
いや、それを見て見ぬふりをしている私も甘いのだろう
いいさ、がきんちょ君!
その罠は甘んじて受けよう
安い授業料だと思って受け入れよう
そう思った矢先・・・
■
紐を引っ張ると…上から白い粉が大量に降ってきた。
私は上手く口を手で覆うことができたのだが、
双子はもろに被ってしまったようで咳き込んでいる。
ただ、このとき後ろを幽までは確認することまではできなかった。
これがなんの粉だったのか、は今でも分からない。
ただまぁ、この粉のおかげで私たちは双子の構えた注射器を避けることができたのだから、「幸せの白い粉」とでも思っておこう。
やられっぱなしは癪なので反撃したいが…。
そういえばこの双子に弱点はないのだろうか。
大体どんな敵にも一つや二つくらいあるものだったような気がする。
さぁ、この双子の弱点は一体なんなんだ…。
●
罠の正体は粉ふぁさーだった
粉が口に入る
こ、これは
塩化ナトリウム!!?
単なる塩ふぁさーだった
そう言えばあの双子・・・幽霊っぽいよな
■
けほけほと咳き込む双子を改めて見つめる。
まだ幼い、子供達だ。
咳き込んでいる。
…咳き込んでいる?
今までなんの疑いもなく、彼らはこの孤児院の幽霊か悪魔の類いなのだと思っていた。
そしてそれに間違いはないように思う…。
獣人の「悪魔」という言葉や、見てきた数々の仕業。
どう考えても人間ではない。
でも…実体があるのか?
それともこの粉に何か…?
●
がきんちょ君も同じことを考えていたのだろうか?
ポケットから小さなロザリオを取り出した
ここは一気にたたみかけるチャンスかもしれない
私は床に舞い散った塩をかき集め、一心不乱に双子めがけ浴びせかけた
■
そうだ、お守り代わりに持っていたロザリオ。
もしかしたらあれはこの双子たちに効くのではないか。
そう思い隣を見ると、幽も同じこと思っていたのだろう。
私と同じことをしていた。
…私たちは一心不乱に手で幸せの白い粉を掴んでは双子になげ。を繰り返していた。片手でロザリオを握り締めながら。
「ごほごほ…なによこれ」
「げほげほ…いたいいたいよぉ」
そんな双子の声も聞こえた気がした。
…
どのくらいの時間続けていたかは分からない。
私は手を止めて前方を確認すると双子の姿はなく、
もともと双子のいたであろう場所にはあるものがあった。
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CN幽さんが床の粉をかき集め、双子に浴びせかける。
と、双子は一層苦しみ出した。
ふと、懐のロザリオが熱を帯びている事に気付き、ぎゅ、と握る。
あいつらが弱っている、今がチャンスだ。
そう直感した私はロザリオを握った拳を振り上げ、
苦しみ悶える双子に向かっていった。
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食らえ!これが神の裁きだ!
私はロザリオを握りしめてダッシュした
うおおおおお!ゴッドパワーディスティニー!(物理)
■
私たちロザリオがそれぞれ光を放ち、
やがて一つの光となって双子に突き刺さる。
その眩しさに私はしばらく目をそらしてしまった。
「…あーあ残念」
「せっかく新しいおもちゃがやってきたと思ったんだけどねぇ」
「もうおしまいなの?」
「ね、もう孤児院の出入り口を隠す力残ってないよ」
「あの人たちいなくなったらまたふたりぼっちだね」
「大丈夫、すぐにまたほかの人をよべばいいよ」
「だって…」
「退屈ってほんっとつまんない」
「「ねー」」
私は双子の声はだんだん薄れていっているのを感じていた。
…しばらく経って目を開けると双子のいた場所にあるものがあった。
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そこに現れたのは、一際大きな扉だった。
双子の「出入り口を隠す力」というのが消えたのだろうか?
恐る恐る扉に手をかければ、ギィィー…と軋みをあげて
扉は開いた。
まばゆい光に、目がくらんだ。
周りが見えない。
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何やら技名を叫びながら、CN幽が横を走り抜けていった。
双子に突進をしたつもりなのだろう、目をしっかり瞑ったまま、私が開けた扉の向こうへ走っていく。
ふいに笑みがこみ上げた。
なんて面白い、変な人なんだろう。
こんな人間的な感情を覚えたのは、久しぶりな気がした。
このどたばた騒ぎの悪夢は、終わったのだろうか。
私もCN幽の後に続き、まばゆい光の中へ足を踏み出した。
●
気づいたらそこは自宅だった
あれ?今までの出来事は一体?
「幽ー!あんたいつまで寝てんの!学校遅刻するよ!」
うるさいなーちょっと黙ってなババア
…そうだ、この体験を手記にしよう
そして出版社に持ち込んで出版して印税をがっぽり稼ごう
そう私の冒険はまだ始まったばかりなのだ!
※ご愛読ありがとうございました!幽ちゃんチームの次回作にご期待ください
欄外コメント
「読者の皆さんありがとう、編集長さんには感謝の言葉もございません。またすっげーエネルギーに溢れた作品を作って必ず帰ってきます!」
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今回は運良く脱出する事ができた。
だが、謎が解決した訳じゃない。
出会った数々の人々は何者だったのだろうか?
いつか、またここへ拳銃装備で帰ってこよう。
願わくは、その時に旅の話を語ってやれるように・・・・・・・
●
私は、この奇怪ま出来事を手記にまとめた。
また誰かがあの孤児院を見つけたら、何かの参考になるだろうという思いと、あの時の不思議な体験を後生にに残しておかなくてはという衝動から、書き留めることにした。
今この手記を読んでいる君、不思議な孤児院を見つけるのは次は君かもしれない。
〜fin〜
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