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まあええ。
上手くいったら全額はたいてお祝いもんやな。
[銃撃音が連続する。
触手は狙う必要が無いと判断。接近しつつ頭部になるべく狙いを定めた]
[まるで夢を見ているような心地だった。...の身体はすっかり肉の塊に覆い隠されいる。肉の壁に阻まれ、何も見はしないし、何も聞こえはしない。...は 静かに涙を流していたが、その涙に誰も気付く事は無かった。
「ねえ、神父様」誰かがと呼びかける声がした。その声は昨晩聞いたものと同質のものだった。「淋しいのも痛いのも辛いのも苦しいのも――」
「とてもとても、さみしい」
「自分の命」が一番な人間によって 優しくあらへ 身勝手なの 人 思
爪痕は消えなくても、大事なものが傍にあったこと、今もあることは変わらないって――、
奪われたくない。
木霊する声。]
[走りながら、考える。
淋しそうに、それでも笑う少女のことを。
兄の生存を確かめない、信じている彼女のことを。
医療物資を運んできてくれる小柄な姿を。
――向日葵のような笑顔を。]
[浜辺に銃撃音が連続する。男の銃弾が肉塊に当たるとダメージは受けているようには思わないが、少女を手放した。]
ーーーーー、
ーーーーーーッ!
[肉塊が吠えた。
聞くにも耐えない、おぞましい声が、周りいる人間の耳の鼓膜を突き割くだろう。
しかし不思議にな事に、聞く者によっては、肉塊があげた叫喚は、泣いているようにも聞こえただろう。]
[落ちてくる、
のは、一瞬の、こと。]
――、――――!
[なにかを叫んだ気がするが、聞こえない。
なにも聞こえない。]
[近付く影が次第に大きくなり、
質感と重量を伴って身近になり、
手の届く範囲にまで戻ってきたのを――
全身で受け止めた。]
嬢ちゃんっ!
[銃撃を受けて少女を手放す肉塊。
自分に対してでかした、という思いは来なかった。
まだ終わってはいない。
肉塊が吼える。
膝をつきそうになるのを堪え、再度肉塊に照準を向ける]
次はその便利そうな触手吹っ飛ばして、
[かちり。
通常弾が切れた音]
っ!
[次弾装填までのタイムラグを思い、
青年と少女を思い、
吼声に意識を向ければまるで、ないているかのようで]
う――
脈、よし。呼吸……よし。意識、なし。
あはは……は。
[少女を抱えたまま、安心のあまり。
いくらか、気を失っていた。]
………………逃げろっ!
[それは誰に向けた言葉か。
がしゃん、と音を立てて銃底がスライドした。
だが、弾が収めてある手提げ鞄までの距離は僅かに遠い。
その距離を一刻も早く縮めようと全力で背後に跳んだ]
[「とてもとても、さみしい」と言った彼女を救いたいと一度思った。しかし所詮それは自己愛に過ぎなかった。奪われたくないと言える事が羨ましかった。何も持たない…には言う事は出来なかったから。]
ーーーーー、
ーーーーーー!
ーーーーーッ!
[肉塊は吠える。
断絶魔のような叫びをあげ続け、触手を伸ばし、触手の矛先は――。]
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