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……珍しい、ですね。
こんな街に、こんな時に。
それも、集積体が現れるというのに。
[皮肉と、疑いから度を越したような詮索。
答えが返る前に、食事を作りに踵を返す。]
あと、僕はドクターじゃありません。
ただの医学生です。
[この擬人と食事するのか、と思うと少し憂鬱になった。]
それと……。
フランを、あまり刺激しないで下さい。
[医療従事者として出過ぎた台詞かもしれない。
だが、釘を刺すくらいはいいだろう。]
…………どうぞ。
簡素な食事ですが、一通りの栄養は摂れます。
[飾り気のない金属のテーブルに、
二人分の食事を置いた。
席に着くと、思い出したというように
リュミエールにも着席を勧めた。*]
◯月×日
お父さんが帰ってこない。おかしな物が飛来してきたってニュースを聞いて、海を見に行ったまま。
お兄ちゃんは、巡回船には帰還プログラムが積んであるから何かあっても帰ってこられるというけど、それにしたって心配になるのは仕方ないと思う。
お兄ちゃんだって平気な顔装ってはいるけど、いつもは甘い卵焼きが塩辛くなってる。
明日は私が当番だから、お父さんの好きな物を作ろうと思う。
(以下、数日分の空白)
.
.
.
―自宅・夜―
[元の通りに整えたのは、自分の部屋と台所など、生活に必要な場所だけ。
他の場所は、嵐が過ぎ去ったあとのように乱れている。ガラスが割れた跡は、板が斜めに打ち付けて無理やりふさいである。
このとおり世話が回りきっていないし、街の中心においでと言ってくれる人もいるけれど、帰る場所・留まるべき場所はここだけだ]
ちょっと、しょっぱすぎたかも……。
[軽く夕食を済ませて、家事をやりおえてしまえば、あとに残るのは魂が抜けたような家と、自分だけ]
一人分も二人分も、たいして違わないと思ってたけど、全然だなぁ……。
―夢と現の狭間―
狂った瞳が、一瞬だけ私を射抜いた。
そのまま駆けていく父にハッと気付き、凍った体を動かしてあとを追う。
海と。
確かに、海と言った。
思った通り、半ば本能のように巡回船を操る父の姿が海上に見えた。
予備の船をおろおろ起動させて追いはじめた時、小さな人影が大きく手を掲げ、ふっと消えた。
今度は、船さえ帰ってこなかった。
今でも、夢か何かではないかと考えてしまうほどの、呆気ない喪失。
船があったはずの場所まで行って、変わり果てた海の中へ、呆然と手を伸ばす。
[ぱっと飛び起きる。右腕がザワザワと騒ぐ。
涙が出たりはしない。未だに、本当に起きたことなのか実感がないから。
ただ、心臓だけがばくばくと脈打ち、冷や汗を滲ませる。
奇妙な集積体の来訪を聞き、巡回を強化した父がしばらく帰ってこなかったことがあった。巡回船が燃料切れ寸前に帰還プログラムによって戻ってきた時、父の心は壊れていた。
ルートを辿るに、どこかで集積体にゆきあったのではないかと兄は言う。
狂った瞳はなにものも映さない。
泡を吹きながらガクガク動く口からは、意味ある言葉は生まれない。
父は、老人のようにベッドに横たわり続けたかと思えば、信じられない力で暴れだし、家を荒らした。
……一つ一つ、日常が壊されていく発端だった**]
◯月△日
お父さんが、ようやくご飯を食べてくれた。
あちこちかきむしった跡が痛々しくて見ていられない。
時々部屋を荒らす以外は、ベッドでぼんやり宙を見据えて言葉になってない声を漏らし続けている。
どうしてこんな。
訳のわからないアレは、あちこちに被害をもたらしているらしいと、エリィに聞いた。
早く、なんとかしてほしい。どうか、元通りに。
――廃ビル3F『エヴァーグリーン斡旋所』――
[懸念を抱かれたところで痛くも痒くもない。斡旋屋なんてやってればよくあることだ。
神父>>13の問いに力強く頷いて、彼を事務所まで連れて行った。
さてそれからどうなったかというと]
4Fの一番奥………そこが空いとる。
[この廃ビルの4F〜5Fは居住区画になっており、
訳ありな者達が息を潜めるようにして過ごしている。
ガラスの既に絶えた窓から外を眺める神父に、
男は定位置たる長ソファーから声をあげる]
斡旋はしたが管理まではしとらん。勝手に入り込んで勝手に寝泊まりすればええ。
まぁ………今日はここの応接室で寝泊まりしてもええで。
ソファーしかあらへんけど。
それでも、この街で医療を行っているのは貴方だけなのでは。
ドクトールと呼ばれるのが嫌なら、ごくシンプルにフラットさんと呼びますね。
[ フラットの背中へにっこりと。フラットから表情は見えなくても声音は分かるだろう。
振り返り様に、不信の目を向けられれば、再びにっこりと笑みを返して。それから、おもむろに言った。]
―医療所―
それでも、この街で医療を行っているのは貴方だけなのでは。
ドクトールと呼ばれるのが嫌なら、ごくシンプルにフラットさんと呼びますね。
[ フラットの背中へにっこりと。フラットから表情は見えなくても声音は分かるだろう。
振り返り様に、不信の目を向けられれば、再びにっこりと笑みを返して。それから、おもむろに言った。]
マドモアゼル・フランにも、知る必要があるでしょう。
集積体の接近を。
[ 着席を勧められると、ありがとうございますと席に着く。
フラットの分よりも少ない食事、それで事足りるのかエネルギー変換効率が良いのか。フラットが食べ始めれば、同じく食事を始める。
食事の間、特に会話らしい会話もなく、食器とカトラリーが当たる小さな音だけがする。]
特に、気にすることはありません。
……ああ、食器はそこでいいです。
見ず知らずの擬人が、担当の患者と接触していれば
誰だって気になるんじゃないんでしょうか。
[わざと、突き放して答えた。
素性が知れない擬人だ。]
[ それから、思い浮かんだように言葉を続けた。]
フラットさんは、擬人が苦手ですか?
集積体が訪れる前、都市部でよく使役されていた筈なのですが、都市でも辺境地でも稼働中の擬人は少なくなっているようですね。
マドモアゼル・フランも、あまり慣れていた様子はなかったし、僕自身も、道中擬人にはあまり遭いませんでした。
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