髪結い イズミは、すでに死んでいたはずだ。だがいま、その亡骸がない。

呑んでない オオバは、叫んだ「女学生ェェェーーーーッッ！！！！　ヤッタァーーー！！」

物売り ネコヤは、難しい顔をしている。

遅刻少女 ナナは、裏声で、そう言った。

遅刻少女 ナナは、背中越しに防犯ブザーを握りしめながら、そう言った。

物売り ネコヤは、屍鬼、と呟いた。

漂流者 ナナシは、髪結い イズミに声をかけたが、返事はない。一体どこにいるのだろう。

書生 トマルは、考え込んでいる。

遅刻少女 ナナは、家に帰るべく集会場の扉を開け、飛び出した。しかし、どうしたことか建物の出口が見当たらない。

後家 カスイは、遅刻少女 ナナが出口の辺りでうろたえているのを怪訝そうに見た。

≪_匿名_≫は、匿名メモを貼った。

物売り ネコヤは、髪結い イズミの残した文章に触れた。インクが指の腹につく。

後家 カスイは、出口を探している。

物売り ネコヤは、集会所の入り口を振り返った。――そこには壁しかない。

物売り ネコヤは、入り口だったはずの壁に貼ってある、髪結い イズミのメモを見つけた。

呑んでない オオバは、貼られたメモをじっと見ている。

書生 トマルは、憤慨している。予告状は美的感性に訴えるものでなければならないのだ。

物売り ネコヤは、呑んでない オオバのすぐ後ろの壁を指差した。髪結い イズミの字だ。

後家 カスイは、更に新しいメモを見て息を呑んだ。

物売り ネコヤは、髪結い イズミが残した2つ目もメモに視線を戻した。

呑んでない オオバは、背後のメモを一瞥して吐き捨てた。

遅刻少女 ナナは、集会場の茶碗にアイスティーを満たしながら、目の前の茶碗劇に呆れた素振りを示した。

物売り ネコヤは、髪結い イズミが残したメモの、2つ目と3つ目のメモを重ねてみた。

書生 トマルは、髪結い イズミに気づかず、あんぱんにピンときている。

漂流者 ナナシは、髪結い イズミに自身が書いたと思われるメモをつきつけた。

遅刻少女 ナナは、猛ダッシュで髪結い イズミにタッチした。鬼の交代である。

物売り ネコヤは、髪結い イズミ（？）の残したメモを、三枚とも重ねてみた。

髪結い イズミは、漂流者 ナナシの髪を興味深げに触った。

書生 トマルは、メモを重ねて何度も確かめ、事実を悟るとがっくり肩を落とした。

髪結い イズミは、の背後から、肩の上に顎を乗っけるようにしてメモを覗き込んだ。

呑んでない オオバは、傷ついた。

髪結い イズミは、呑んでない オオバをとりあえず慰めた。

遅刻少女 ナナは、呑んでない オオバとのテレパシー回路をねじ切った。

呑んでない オオバは、怪人・丸うさぎの尻を撫でた。

書生 トマルは、顔を真っ赤にして、知りんぷりする努力をしている。

書生 トマルは、気づかれないように、漂流者 ナナシをハリセンで殴った。

漂流者 ナナシは、慌てて後ろを振り返ったが誰もいない。気のせい……ではないはずだ。

書生 トマルは、さすがの身のこなしである。

書生 トマルは、ニヤニヤが止まらない。

書生 トマルは、ため息を吐いた。

≪_匿名_≫は、匿名メモを貼った。

漂流者 ナナシは、集会所を一通り見回った。

漂流者 ナナシは、とりあえず寝ることにした。

≪_匿名_≫は、匿名メモを貼った。

呑んでない オオバは、壁を叩きながら集会所を一周した。　コンコン、コンコン……

呑んでない オオバは、ひとりアハハと笑った。

呑んでない オオバは、懐からスキットルを取り出し、呑んだ。

髪結い イズミは、ぼんやりと周囲を見回した。

後家 カスイは、呑んでない オオバを睨みつけた。