魔王 ミヅチは、うつらうつらしている。

悪徳商人 エチゴヤは、遺言状をしたためた。

自称勇者 アナスタシアは、腰にさげていた剣を振り回している。

自称勇者 アナスタシアは、魔人 イングスにお辞儀をした。

病弱少女 リリウムは、自警団員 ボールドウィンをじっと見つめた。

自警団員 ボールドウィンは、病弱少女 リリウムの視線に狼狽えた。

重鎮 Ｗは、帽子の中から財宝（とぐろを巻いた金塊）を取り出した。

自警団員 ボールドウィンは、財布の中身を確認しているところに現れた金塊に驚いた。

重鎮 Ｗは、悪徳商人 エチゴヤの額にとぐろを巻いた金塊を乗せて爆笑した。

悪徳商人 エチゴヤは、重さから考えて混じり物のない金であることに気付いて驚愕した。

病弱少女 リリウムは、悪徳商人 エチゴヤから顔を背けて笑いを堪えている。

病弱少女 リリウムは、金の純度を額で測れるエチゴヤがツボに入った。

彷徨える哀の運命 サダメは、悪徳商人 エチゴヤの頭上に燦然と輝くそれを、天使の福音と感じて感極まっている。

魔人 イングスは、そっとミヅチへと視線を向け、微笑んだ。

悪徳商人 エチゴヤは、丁重な手つきで純金のそれを重鎮 Ｗへ返した。

重鎮 Ｗは、帽子の中に財宝をしまった。

魔王 ミヅチは、の視線に気づいたが、やはりその意図するところがわからず「む？」と小首を傾げた。

魔王 ミヅチは、魔人 イングスの視線に気づいたが、やはりその意図するところがわからず「む？」と小首を傾げた。

彷徨える哀の運命 サダメは、悪徳商人 エチゴヤが実は悪徳でないという現実の美しさにうちひしがれている。

自警団員 ボールドウィンは、サンドイッチを公民館に運んだ。

魔王 ミヅチは、少し困惑した様子で俯いた。

重鎮 Ｗは、三人のうち、誰にアレを仕込むか考えている。

病弱少女 リリウムは、魔王 ミヅチに頷き、優しく微笑んだ。

魔王 ミヅチは、病弱少女 リリウムの微笑みに驚き、その後、いたずらを咎められた子供のような顔で微笑んだ。

彷徨える哀の運命 サダメは、時計の針に架した呪縛を解いた。

病弱少女 リリウムは、枕もとの「時間を進めるをセットした

魔王 ミヅチは、もそもそと寝具に潜り込み、リリウムとアナスタシアの手を握った。

重鎮 Ｗは、帽子から柱時計を取り出し、ぜんまいを巻いた。

重鎮 Ｗは、悪だくみをしている。

重鎮 Ｗは、帽子の中からひそかにロープを取り出した。

自称勇者 アナスタシアは、重鎮 Ｗに微笑んだ。

重鎮 Ｗは、自称勇者 アナスタシアの気配にビクッとした。（こいつはさいごでいいや）

重鎮 Ｗは、リリウムの右足とミヅチの左足にロープをくくりつけた。

病弱少女 リリウムは、寝相が悪い。

自称勇者 アナスタシアは、重鎮 Ｗにげんこつをお見舞いした。

魔人 イングスは、それぞれの足に巻かれたロープを断ち切った。

重鎮 Ｗは、病弱少女 リリウムの寝相を見て、大変なことをしてしまったと感じた。「アチャー」

自称勇者 アナスタシアは、病弱少女 リリウムから肘鉄をくらってしまった。

病弱少女 リリウムは、眠りながらロシアンフックを繰り出した。その暴虐の拳は、英雄ヒョードルを髣髴とさせる。

重鎮 Ｗは、魔人 イングスを仲間に入れることを考え始めた。

彷徨える哀の運命 サダメは、蚊帳の外でふて腐れている。寂しいのだ。

魔人 イングスは、病弱少女 リリウムの寝相を見て、苦笑を浮かべた。

重鎮 Ｗは、彷徨える哀の運命 サダメにロープを渡し、深く頷いてみせた。

病弱少女 リリウムは、戒めを解かれた右足を振り上げた。その神々しさは、英霊フグの踵落しに酷似していた。

魔人 イングスは、眠っているはずのリリウムから距離を取る。巻き込まれるのはごめんだね、と言わんばかりに。

自称勇者 アナスタシアは、病弱少女 リリウムのかかとをまともに喰らった。視界が揺れる。

自称勇者 アナスタシアは、重鎮 Ｗに少し強めのげんこつを喰らわせた！

重鎮 Ｗは、帽子から財宝（赤白の球体）を取り出し、弱るのを待つことにした。（これはしめたぞ！）

病弱少女 リリウムは、寝ぼけている。ギロチンチョーク！！　コイツは危険だァーッ！！！

魔人 イングスは、部屋の隅で毛布に包まった。

彷徨える哀の運命 サダメは、重鎮 Ｗから渡されたロープを四方に張った。即席プロレスリングの誕生である。

病弱少女 リリウムは、彷徨える哀の運命 サダメに向かってアナスタシアをブン投げた。レフェリーへの攻撃は反則である。

魔人 イングスは、そっと目を閉じた。目の前で繰り広げられているであろう惨劇は見えない。見ない。

病弱少女 リリウムは、布団に戻った。人類は勝利したのである。

重鎮 Ｗは、おおー！といいながらファイティングポーズで立ち上がり、身を乗り出した。

自称勇者 アナスタシアは、はなんとか立ち上がった。まだ死ぬわけにはいかないのである。

彷徨える哀の運命 サダメは、遠ざかる意識の彼方に3カウントを聴いた。レフェリー、まさかのフォール負けである。

重鎮 Ｗは、自称勇者 アナスタシアに赤白の球体を投げつけた。

自称勇者 アナスタシアは、薄れゆく意識の中で、時間だけはなんとか進めることに成功した。

重鎮 Ｗは、揺れる怪物玉を見ながら祈っている。

自称勇者 アナスタシアは、なんとか赤白の球体から脱出に成功した！　おしい！　あとちょっとだったのに！

重鎮 Ｗは、財宝を一つ失くしてしまったので、心の中ではアナスタシアを捕まえたことにした。