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[>>403、肩をすくめて]
俺の高校生活が楽しかった半分は、お前が居たからだよ。
[優しく抱きとめる。キスにキスを返して、
小首をかしげて]
…? ああ。
[興味深げな目線を送りつつ、耳を彼女に向けた]
あのね…
[両手を当てて、耳元に囁く]
もしもの話じゃなくって。
本当に、子供が出来たって言ったら…どうする…?
[言い終わると離れて、赤い顔で俯いた]
[ポケットから取り出して手渡したのは、1つの写真立て。
自分の命を繋いできた、タチバナの葉が描かれた、自分にとっての最後の一葉の絵――]
これ……。
僕が本当に危なかったとき、お守りがわりにと自分で描いた絵なんだ。
最後の一葉が散ったら死ぬ――だから、絵を描いてずっと残せばだいじょうぶ、って。
この絵を、朔ちゃんに渡したい。
ううん、悲しい意味じゃないよ。
僕の拠り所は、もうこの絵じゃない。
辛いときでも苦しいときがあったとき、もうこの絵じゃなくて朔ちゃんの笑顔を想い出すだろうから。
僕が、ずっと朔ちゃんを見ていられるように。
朔ちゃんがいる限り、僕が傍にいてあげられるように――ずっと、一緒にいられるように。
朔ちゃんをずっと好きでいて――
朔ちゃんに笑っていてもらえるように。
お母さんがね、言ってたんだ。
物じゃない、元気な姿をずっと見せることが僕からのいちばんのプレゼントだって。
そして僕は、朔ちゃんに喜んでほしい……その願いが、僕の誕生日にほしいもの。
だから、僕がずっと元気に生きて、朔ちゃんを幸せにしたい――それが僕の望みだから。
[ゆっくりと告げ終わると、写真立てを受け取った朔の手を両手で包み込んだ]
[>>408、何か言いかけて、やめた。そっと包むように抱いて、
彼女のお腹に手を添える]
そう、か…。 俺と、お前の……。
[愛しい人の肩を、強く抱いて]
…名前、決めなきゃな。
お前が俺にしてくれたみたいに。
自分の名前が、好きだって思える様な。
お前が良い嫁さんだから、良い旦那だ、って思える様に頑張って来たけど。
これからは、良い親に…一緒になって行こう、な。
[頬に口付けて、微笑んだ**]
そんな…大事なもの、もらってええの……?
[見上げた紅は優しく微笑んでいて]
ずっと……。
[胸の奥に封じ込めてみないようにしてきた不安が、その言葉で消え去る思いがした。ずっと、側に。]
太陽は……ずっと存在し続ける……。
どんなときも、輝いて、ウチのこと照らし続けてくれるよね
月もずっと太陽の近くを回り続けて、太陽のこと大好きでいる
ウチも清寧くんのことずっとずっと大好き
いつもそばにいて、笑い続ける ──
[頬をよせるように清寧の首の後ろに腕を回して]
>>410
うん、なによりそれが一番嬉しい。
ほんまに、どんなものよりも、清寧くんが元気でウチの隣で笑ってくれることがなによりの宝物。
せやから、ウチにできるお返しは涙違て……
[笑う。どんなことも二人で乗り越えられるように]
でももうひとつ、プレゼント。
[いつもと違う大きめのバッグから取り出したのは丁寧に包装されたもの。
中身は自分がしていたマフラーとは色も違うスヌード]
パッと見でおそろいってわかったらマズいかなぁと思て。
色もスタイルも違うけど、編み込んである模様だけはお揃いにしてん。
少し誕生日にははやいけど、サプライズしたかったから。
[気に入ってもらえるとええけど、と]
― 数年後 ―
[あの日と同じ、紫陽花の着物を身に纏った。
あの日貰った花菖蒲を、結い上げた黒髪にそっと挿した]
……天城遊雪、か。
[目を伏せ、柔らかな笑みを口元に。
その響きが耳を掠めるたびに、心に温かなものが降り注ぐ。
彼はそれを分かっているのだろうか]
わっ。
ありがとう――。
うん、僕の誕生日は家族で祝うことになってるからその日は会えないし。
[家族にとっては毎年毎年がこれが最後の〜と覚悟してのものだろうから、いくら朔がいても優先は無理だった。
断るのも気まずかったので、この日にプレゼントしてもらえたのは何よりだった]
うん、コートとこれでこの冬はバッチリだね。
……でも朔ちゃんのぬくもりも要るからね?
[防寒対策万全の姿で、隣にいる愛しい人と共に歩く姿を想像して、顔がほころんだ。]
[今年で大学を卒業する。
入学するときから決めていた日まで、あと少しだ]
……結婚式、報道されたりしないわよ、ね?
[今更考えたりして]
ま、いいか。
雪とふたりなら、どうにかなる。
[してみせる]
ええ、そう、翔子と待ち合わせしているの。
結構長い演目だから……帰りは少し遅くなるかもしれないわ。
行ってきます。
[背筋をしゃん、と伸ばし。
背の伸びた妹と母に手を振って、――“彼”に逢いに**]
うん――
僕も朔ちゃんのことずっとずっと大好き。
ずっと、いつもそばにいるよ。
[同じく首の後ろに腕を回して、じっと、じっと見つめて。]
朔ちゃん……。
朔ちゃんの誕生日プレゼント――僕にくれないかな。
……同時に、僕からもお返しできるやつ。
[自分の誕生日を祝うプレゼントじゃなくて、朔の誕生日を記念してのもの。
愛しい人が生まれてきた記念の日、その大事な一日を冠したとっておきのもの。
それを求めるのは傲慢かもしれないけれど、相手を想い合って――自分がもらうのではなくて、自分のいちばん大事なものをあげることにした。
同じことを朔に強制できるわけではないけれど……朔にも同じ気持ちでいてほしかった]
朔ちゃん――大好き。
ずっと、ずっと……これからずっと。
[朔の頭を引き寄せて、唇を求めた。
限られた時間ではない、これから長い時を――特別な人と共に過ごしていける生命の自信をもって。*]
清寧く…。
……ん。清寧くん大好き……
[この白雪はとけてなくならないのだと、その存在を確かに今までで一番近い距離で感じて。何度も確認するように「特別な誕生日プレゼント」を送りあった*]
― エピローグ ―
[病状は奇跡的に回復し、両親や医師を驚かせた。
2年の7(12)月にはもう杖を必要としなく、体育の授業にもぽつぽつ参加するようになった。
ふたりの歩みのバロメーターともいうべき、文化祭での野球部の催し物にも継続参戦し、時のエースと対決。
2年のときは*09ファウル*、3年のときは*07ボルチモア・チョップ*だった――もちろん大きな特別な声援に後押しされてのものだ。
学業の方も勉強に費やせる時間が増えただろうか、3年間の平均は411(500)点となった。]
[進路は美大へ進学希望し、芸術の道を歩むことを選んだ。
自分の人生に大きく関わったもの――最後の一葉を描いた絵画、そしてタチバナの意味を教えてくれた人へいつか完成した木彫りの像を贈ろうと。
朔とはスケッチを描きながらいつも会った。
よりいい景色をよぉけ(↓)見るために、努めて屋外を選んで。
スヌードをした白雪の絵師は、やがて評判となっていくだろうか。]
朔ちゃん――
いつか言ってた、心でないところの指輪――。
[そう告げて手渡したのは何歳のときだろうか。
そして、その先の未来は明るく長く続いていた――ふたり照らし合い惹かれ合って。**]
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