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― 四畳半 ―
[廊下より何かが転がり込んでくるのが見えた。]
オヤ?
[棚の上から、顔を出し下を覗き込む。
見えた姿に帽子を軽く掲げて挨拶をし、また被りなおす。]
やあ
何か悪巧みかい?
あらチクタクマン。ごきげんよぅ。
[帽子を掲げる挨拶に返礼として、ひらひらのスカートのすそをつまんで小さくお辞儀]
悪巧みなんて失敬な。
ベルたちは危なっかしいあるじちゃんが旅先でこわーい目に会わないように、お守りをしてあげるだけなのだわ。
なるほど、お守りか
キラキラ輝く君たちは、さぞかしご利益があるんだろうね
ボクもあやかりたいところだよ
[フフッと笑って]
けれど旅行に同行とは羨ましい
戻ってきたら是非とも土産話を聞かせてもらいたいな
んふふー。手を合わせてお祈りするならご利益のおすそ分けしてあげてもよいのだわー。
[自分にどんなご利益があるかはさておき、まんざらでもない顔]
お土産話はミリーとメリーに聞くとよいのだわ。
マリーは二人を送り出し、そして戦いに赴くのだわ!
チクタクマンは戦争には出ないのかしら?
では祈っておこうかな
美しいキミのご加護がありますように…
[手を組み祈りの形にし、軽い瞑目。
祈りを終えると、ハハッと軽く笑った。
土産話について聞くと頷いて。]
そうする事にしよう、それも楽しみだな
…おや、ボクが出ないとでもお思いかな?
美しい方々と戦うのは正直気は進まないけれど
お祭りゴトには乗らなくてはね
[ニヤリと笑う。気は進まないといいながら、ノリノリである。]
素直なことはよいことなのだわ。
チクタクマンのそういうところ、マリーはきらいじゃないのだわ。
んふふん チクタクマンのお祈りが報われるように、マリーもお祈りしてあげる。
感謝するのだわー。
[きらきらと硝子球の紅い輝きを湛えた片目をぱちりと閉じたウィンクとともに、祈りの形を真似るように手を組む]
そう、それなら戦いが始まったら敵同士なのね。
んふふ。気が進まなくても手加減なんてしないから心置きなくやっつけられちゃうとよいのだわ。
もっとも、なんだか楽しそうだから心配なんていらないかもしれないけれど?
[にこにこと浮かんだ笑みはなんだか好戦的だ]
オヤ
直々のお祈りを頂けるとは、これ以上に嬉しい事はないね
ご加護もありそうだ。ハハ、もちろん感謝するよ
[ウィンクににっこりと笑みを返した。祈りの様子を眺めた後、]
そういう事になるね、残念だ
そうだね、戦うと決めた以上手加減をする方が失礼だろう?
ボクとしても手加減などするつもりはないから――、
さて、やっつけられちゃうのはどちらになるかな。フフ。
[好戦的な笑みに返すのは、涼しげな笑み。
けれど目の奥に宿る色は、きっと同じようなものだろう。]
んふふん 残念なんてこれっぽっちも思ってないくせに。
けど、手加減無しのよい心がけに免じて許してあげるのだわー。
[言葉と笑みを交わすその顔は、心の底から楽しそう]
どっちがやっつけられちゃうかって、それはチクタクマンに決まってるのだわ。
優勝するのはマリーだもの。
文字盤磨いて待ってるとよいのだわー。
フフ――…
まあ、美しい方々との戦いも、また一つの交流というワケさ
[好戦的な態度や笑みに、こちらの様子も楽しげだ]
やあ、自信家な所も素敵だね。
その顔を曇らせたくはないけれど、勝負は勝負。
磨くのは文字盤ではなく――、 時計の針さ。
[フフフと笑うと、帽子を軽く脱いで、挨拶とする。]
それじゃあ、また後で。
[帽子をきゅっと被りなおすと、棚の奥に*ひっこんだ*]
まりーべる殿も、ばれりー殿も
意気軒昂でなによりであります。
[言葉を交わす二人を若干離れた位置から覗きつつ]
危険を恐れず、
勇往邁進ぶりを発揮する事を小官も願っております。
はりばこ アールグレイ がきたらしいよ(5人目……だったかなあ?)。
はりばこ アールグレイ は 余り物 になれるよう、天に祈った。
― 四畳半 ―
[四畳半の片隅に置かれた裁縫箱。
埃よけに被されたひまわり柄の手ぬぐいはずれて、漆塗りのふたも、ずれている]
くー
すぴー
[ずれた蓋の隙間から、規則的な寝息が漏れ続いていた]
楽しみにしてるのだわ。
けど、負けるその時になって、文字盤磨いてなかったことを後悔したって知らないのだわー。
[自信家という部分には頷きもせず否定もせず、ただ笑みを返す]
ええ、またあとで。
[棚の奥に引っ込む姿を見送り、ころころと転がるみたいになにをするでもなくその辺をうろつく]
……あら?今誰か?
[視線を感じたような、声が聞こえたような気がして、きょろきょろ。
こっちに敬礼している誰か>>15に気がついた。
ひらひらと手を振ってみる]
……あ、あるじどの。
余は、余は……
[寝言を漏らすのは裁縫箱の付喪神である。
現在完全に主の存在をあうとおぶがんちゅうであるが、うなされた様な寝言も主の足音より格段に小さかった]
……余は、玉留めを施した方がよいと思う……!
[ずっと言いたかったことを言った、とうとう言った。
寝言だったが。もちろん相手にも届いていないが。
ずっとはらはらし通しだったった裁縫箱の付喪神は、満足そうな顔で寝返りを打った]
お話しするにはちょっと遠いのだわ…よいしょ
[手を振った相手は、廊下を挟んで向こう側。ちょっと遠い。
せめて目線の高さくらいは合わせようと、そこら辺に積みあがったあれこれをよじ登った。その途中に針箱があったかもしれない]
あるじちゃん、時間掛かってるみたいなのだわー。
日ごろ片付けてない罰が当たったのだわ。
[よじ登りながら、ちらと風呂場のほうに目をやる。ごそごそしたり、時々ばたばたした音が混ざるのは洗面道具をまだ探してるのだろうか]
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