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[また指の隙間から覗いたら。
イザークの腕が目の前にあったので、
かぷ。
すーすー。すーすー。すーすー。]
[頭をぐりぐりしてくるアシュレイを見上げながら、すかすかして吸えてない音を立てている]
[>>17早くいかねばならない、と。
冷たい金属の落ちる――音。
先程までハンター達が集い、話していた声はもうない。静寂の中で。
…温めてください、と。震える――声。
その体の中で、鎮められた血が静かに眠っている。
返り血を浴びた黒い装束の袖から腕を抜く。
剣帯を帯びる腰より上、"許した"女のつけた、まだ新しい打撃の跡と、数多くの古傷の残る肌が露になる。
「救う」ことを願ってつけられた傷。
装備から手繰り寄せた毛布を、一枚。
相棒の背負うもの、全てを包み込むように、その体を*抱きしめた*]
始祖吸血鬼 ノスフェラトゥは、ここまで読んだ。 ( B3 )
[ズリ…、と何かを引きずる様な音。
それに僅か遅れて鳴る足音。
片手で腹部を押さえながら、肘で壁を掻く様にして、彼女は進む。
転移させられた小部屋にいたために、此処が何処かもわからない。
そのうちに、膝をつく事もあったか。
肩を、大きく上下させた。**]
/*
実はさっき気づいたんだけど
俺あのまま衰弱して死んでた方がよかったのかもしれん
ていうかナバールはそれを想定してきてた……んだよね 多分
ごめんね
ワタシ ハ ハンター ダ
吸血鬼ヲ 狩ル ノガ…… 仕事 ダ
納得ナンテ デキル ワケガ。
[あやすように頭を撫でられる。
その感触に、血色の瞳を丸くして瞬いた。
今まで、こんな風にされたことなんてなかった、と。
ずっと、ずっと戦って戦って、戦って。
両親とだって、同じ一門の仲間とだって…独りきりだって。
どんなにがんばっても、まだだと言われ。
どんなに自分を苛め抜いても、足らぬと言われ。
こんな優しい感触がこの世の中にあったなんて。
初めて知った、気がした]
/*せっかくだから最初の死亡案ぽい
[幾度も繰り返したシが、誰の声でか、読まれる。
耳元で、遠くから、壁に反響した声が。
それは決定的な口調で、それこそが男の感情なんだと
言い聞かせるように繰り返される]
――うる、さいっ
/*
[――『おお 和らげることのできぬ残酷な獣よ』
[うるさい、黙れ]
『おれはその 冷酷さえも愛するし』
[だまれだまれだまれ]
『冷酷だからいよいよおまえが美しい。』]
[――の姿が見えた気がした
三日月を描いた赤い口唇は見る間に内側からあふれ出る赤に多い隠される。]
―― う、っるせえええええ っ!
/*
だ、からっ 俺に頼るな って
言ったじゃないかっ
それを勝手に ……信用して!
俺 が、 違う、おれを
[そんなめで見るな]
[ そんな、そんなわけない。
ずっと、だって、
自分は悪くない なんて
思って、 ない [引き金を引いた]
そう研究違う死ぬんだ [狙いのつけられていないそれは]
思ってない [仮についていたとしても意味がない]
違う、死ぬためにきた [もう弾は撃ってしまった]
研究、死ぬ 死ぬために [何度引いても、軽い音]
死ななきゃ、
死ななきゃいけない
謝ら きゃ ]
ずっと、ずっと―― !
[鉄鎚を抱きしめたまま膝をつき、そこに地があることを知る。
恐る恐る目を開け、視界を染めた闇に驚きの声を上げた。]
……うわ、暗。
[物心ついた頃から地下墓所で暮らしていた。
大抵の闇を暗いと感じたことがなく、それは此度の探索でも同じだった。
なのに、ここは暗く、寒い。
闇の中、何か見ることができないかとせわしなく視線を動かす。
ずきりと頭が、肩が、今まで受けた傷が傷んだ。]
……おっちゃん、誰?
[闇の中に突如浮かんだ輪郭。
ずっと前からそこにあり、つい今見ることを許可されたとしか思えない唐突な視認。
立ち上がる事すら忘れ、その男に尋ねた。**]
/*
[見開いた翡翠に、うつったものは何だったか。
極限まで絞られた瞳孔は、きゅ、と更なる収縮を求めた]
……あつかったんだ
[振り払った手も][振り払わなかった手も]
[ぽつん と生じた言葉が、最後に涙の代わり。]
―B2F―
[外套に穴を開けて脇腹を突き抜ける灼熱]
っ……が、ぁ
[あの手の武器に、二の矢が無い事は知っている
前のめりに床に手をつき、その反動で更に前へ跳ねる]
[あるいは既に、翡翠は事切れていたのか
獲物の命を刈り取る獣のように
レンズの奥の深い色を鋭く睨んで、
仮にまた別の武器を抜こうとしてもそれより速く]
[――ガン!]
[銀弧を振り抜く鋭さは一撃で首を落とさんとする程
外側に張り出す湾曲刀は、切断に適した形状でもある]
[殺意以外の感情の色は見せない 仕事で斬るだけだ]
[脇腹が痛んで顔を顰めた]
はー あっ……
[刃を持ち替えて、ソードブレイカーを逆手に取る
胸部を抉るのに、切断用の刃は然程向いていない
折れた肋骨がめり込む胸部の中心に、
赤い肉を呈する刺し傷は、普通ならそれだけで致命の]
そうかよ
[眉を顰めるように目を細めた
刺し傷に指先で触れて、触れるだけで離す]
……あいつ死んだぜ。 吸血鬼に殺された。
[そう、その死に様は胸を抉られ、首を捩じ切られて]
[肉に切っ先を埋め、力を込めた
めり、と骨の鈍い感触が手に返り、痛みに耐えながら
血肉の中に埋もれている心臓は、
石の質感と重みを持ちながら生々しい精気じみた色
掴む、掌はぐちゃりと赤に濡れる]
[熱さ]
[ぶちりと繋ぎ止める血管を引きちぎり、身から剥がす]
[事を終えて手を拭うと、
カークの眼鏡を外して脇に置き、翡翠を閉ざした]
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