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―― 12月23日・峠の甘味処 ――
[むぐむぐ、団子をひとつ味わいながら。
お汁粉ひとくち差し出して、お茶を口にした]
美味しかったー。やっぱみたらしは、甘すぎないほうが好みだな。
……そっかー。うん、結華ちゃんの為に頑張ってるの見て、もしかして考えてるんじゃないかなって思ってたんだ。
誰かをしあわせにしたいって、きっと強い動機だもんね。
[湯飲みを置いて、ゆるく頷くように首を傾ぐ。
みつあみの先が、ちょこんと肩で跳ねた]
ぼくはまだ、将来ってか受験のことも全然考えてないや。あは。
かといって、夢はお嫁さんー なんて言ってた時期は、人生に存在しないので働くつもりではあるんだけど。
―― バレンタインのこと ――
ちゃんとケーキ焼いたりしようかとも思ったんだけどさ。
味はそんな酷いことにならなかったんだけど、やっぱり形がねー。片方不便だとイマイチ。
[なので、零斗に送ったマドレーヌは、結構歪だったりします]
それだったら、納得いかないの贈るよりは、いっそ形なくしちゃって、目的に忠実になろーかと。
どう?
[そもそも、あーんとかには全然羞恥しないので。
ただ、凌の顔が近く見れて嬉しい、とかそんなことしか考えていない。常に。
あと、まわりが大体桃色なのも、寝る前に把握済みなので、何のためらいも無く]
やった。ポテチとかも意外と合うんだよねー、食べて食べて。
ん。
[チョコを舐め取るのに、じー、と物言いたげな視線は送るものの。
マシュマロを差し出されれば、反射でぱくりと口にする]
おいしー。って、ぼくが食べてどーするの!
[飲み込んでしまってから、凌へのプレゼント! と主張。
やわく、差し出されたままだった指先を噛んだ]
/*
呪いの味がする初恋って、どんなトラウマがあったんだろーか。
てか、ぼくらもマイペースだけど、らぶらぶしてる時に限れば、みんなマイペースだと思う。
神楼学園教師 ナタリアは、おやすみ** ( B409 )
―― バレンタインのこと ――
それはそーだけど。
ぼくに食べさせて、凌は何か楽しいのだろーか。
[ありがとうと言われれば、満更でない笑みを浮かべるも。
指先に触れた感触に、ひゃっ、とちいさく悲鳴をあげて真っ赤になって、手を庇うようにちょっと身体をひきながら。
じとり、凌に恨みがましい視線を送ったり]
……びっくりした。ありがとうって言うひとの行動じゃないよ……!
/*
先生の初恋に、一体何が……
大丈夫だよ、きっとそのうちいい出会いとかあるよ……!
[あわあわと先生を見送った]
―― 12月23日・峠の甘味処 ――
まあねー。兼業主婦なんて、珍しくも無い世の中だしー……
[眉をしかめた凌へ、ぱふぇの抹茶アイスを差し出しながら]
んー? 着てる理由?
好きだから。
[本当は、従兄弟コンプレックスと面倒くさがりとマイペースをこじらせた結果だったりするのだが。
少なくとも本人はそう思っていたので、さっくりそう答えた]
―― バレンタインのこと ――
それは、とてもよく分かる。
[うん、ととても深く頷いて]
……ほほー。じゃあ、ぼくも仕返ししよう。
[じと目のまま、凌へ手を伸ばすと。
逃げられないよう、両手でしっかり、捧げ持つようにその手を掴むと、さきほど噛んだあたりを、ちろりと舐め。
ほら恥ずかしいでしょう、と言わんばかりの眼差しで、じ、と見つめてみる]
―― 12月23日・峠の甘味処 ――
そーだよ。エコ的な意味合いでも、もっと冬場の女子のスラックスは認められるべき。
[実際、以前よりは緩和されてるらしいが、いちおうお堅い学校とゆーことになっている神楼では、あんまり実感が無かったり。
自分も、黒蜜かかった生クリームをぱくりと口に運びながら]
そだよ。
[ほかにどんな理由があるんだろー、と不思議がるような様子で。
問いに首を傾げた]
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