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見下ろす。
それは、命を失った抜け殻。
人だった――物。
喉から嗚咽がこぼれだしそうになる所を、グッとこらえる。
これはきっと、素直になる事が出来なかった罰なのだと、自分に言い聞かせた。
でも、神様。
「この罪は、私には、重すぎる……」
自分の中でそれを自覚したのは、いつの頃だったろうか。
あぁ、そうだ、あれは確か――
「まるで砂金拾いのようだわ」
私の渡した新聞に、かけられた返答。
それが何を指している言葉なのかわからず、思わず首をかしげてしまう。
「わからなければいいのよ、ふふっ」
眼鏡を外しながら、七曜の魔女は柔らかい微笑みを浮かべる。
美人だなとか、可愛いだとか、女性を褒める言葉というのは世の中にいくつも存在しているのだが。
その時の私が思った感覚は、やわらかい部分を掴まれるような感じだった。
言葉の意味がわかったのは、数日後の事。
私の書く新聞記事の中に、黄金のような輝きがあるんだと、彼女は私の言葉に、記事に価値があるんだと言っていたのだ。
それに気付くまで少しだけ時間がかかってしまったのは、我ながら情けない事だ。
ずっと、訴えていた気がする。
私はここにいるんだと、私の見ている世界を感じて欲しいんだと、そんな気持ちを込めて新聞を書いていた。
でもゴシップだと言われたり、でっちあげだと言われたりして。
素直な心境で書いていたはずの私の新聞は、いつの頃からか歪みが生まれ、面白おかしい記事を作ろうと、勇み足を踏んでいたような気がする。
それを自覚してもなお、私の新聞は世間受けが良い言葉や、弾幕を撮影するという事に傾倒していたのだけど。
自分の中にあるわずかな気持ちの全てが消えている訳でもなく、どこかでずっと悪あがきしていたと……思う。
そんな私の新聞の中に落ちていた気持ちを、彼女が拾い上げてくれた。
ささやかな出来事ではあったが、それは私の中で彼女を信頼させるに十分な要素として感じられた。
ゆっくりと幻想郷を漂うだけだった私の気持ちは、彼女に救われたのだ。
――悲劇は、気付いたら始まっていた。
幻想郷に【人狼病】というのがはびこり、人妖を問わずに被害者は増大していった。
だが、それでも、事件の真相を究明すべく私は普段と変わらない生活を送る。
「事件が起きたというのに、その緊張感の無さ。案外、貴方が異変を犯人なんじゃないかしら?」
七曜の魔女は、水晶のように澄んだ瞳で私をキッと睨み付ける。
その中には、私に対しての不信と不安の色が見え隠れしている、とても不安定な感情がこもっていた。
「何おっしゃいます。清く正しい射命丸、正義の新聞記者として純粋に事件を解決しようと思っていますよ」
「正義の新聞記者とやらは、人の水晶球をさせないようにする妄言を吐き出すのが仕事なのかしら。貴方のそれは、村を滅ぼすわ」
「肝に銘じておきましょう。貴方が本物でしたら、ですが」
事件が起った初日、七曜の魔女は占いで人狼を探し出す事が出来ると、村の中の人達に告げていった。
私はそれを、真実なのだろうと感じ取っていた……が。
素直にそれを口にしてしまったら、私の中にある、彼女に救われた気持ちまで吐露してしまいそうで。
吐き出したらその気持ちは、雪の結晶みたいに、溶けて消えるような気がした。
だから、口に出す事なんて出来ない。
私はこの気持ちをそっと、抱えたままいようとして、ウソをつく。
「自称、占い師さん。あまり無理はなさらない方が良いですよ」
数日後、村の中でもう一人占い師を名乗っていた、大妖精の死体が発見された。
私はそれを見下ろしながら、軽くため息をつく。
無残ではあると思ったが、人狼を見つけ出さない事にはこの負の連鎖を止める事は出来ないのだから。
今は一刻も早く、村の中にいる怪しい相手を炙り出そう。
「どうしました、占いの結果が冴えないようですが」
「それは皮肉かしら? 私はいつでも貴方を占い、その化けの皮を剥いでもかまわないのよ」
どうやら言葉を選び間違えてしまったようだ。占い師候補が村の中で二人現れ、その片方が人狼によって殺されてしまったという事実。
それは、もう片方の信頼を下げるためだとわかってはいるのだが、中々それを割り切れない気持ちの人は村の中にもいるのだろう。
自称占い師の魔女をいつ始末するか、なんて言葉も出始めている。
そうはさせたくないのが私の本音ではあるが、本心をこぼしてしまえば、私も彼女も絞首台へと乗せられてしまうだろう。
狼と疑われた状態で、だ。
それを避ける為にも彼女には頑張って欲しいと思ったのだが、私はどうも口が過ぎてしまうようだ。
叱咤激励のつもりが、彼女が偽だと感じさせるような言葉を口にしてしまい、焦る彼女のナーバスな部分を刺激してしまったようだ。
謝りたいと思うのだけれど、どうも口下手で困る。
私は気の利いた言葉をかける事も出来ないまま、その日は退散する事にした。
翼を広げ、夜闇へと飛び立つ。
そんな私の視界の隅で、チラリと影が見えた……それは、彼女の家へと向かう、漆黒の悪意であると私は感じ取る。
身体の向きを変え、疾駆する。
漆黒の影を追い越し、私は彼らの前へと着地し、道を阻む。
「おやおや、どちらへお出かけですかね。今回の事件の黒幕さん? ですが、あいにくと今日の私は機嫌が悪いので、ちょっと手加減できないかもしれませんよ」
風を身体にまとわせ、私は彼らの無慈悲な侵攻に対しての反逆を開始した。
「信じられないわ。それは、貴方が人狼だからでしょ。私を人狼が襲い、それを守ったなんて妄言を口にするのかしら?」
「違いますッ! 私は……ッ」
貴方の事を、ずっと守ってました。
貴方がこの事件を解決してくれるキーだと信じて、表だって言葉にする事は出来なくても、ずっと、ずっと信じていたんです。
でも、表だって信用しないフリをしていたのだから。
それを口にする事は許されないし、言葉だけで信用してもらうのは無理だろう。
「私だって、貴方の事を信用しようとした。だけど、貴方はずっとフラフラして、真面目な事なんて何一つ言わないで。あげくの果てに、私を偽者呼ばわりばかり……そんな人の言葉を信じられるとでも思うの!?」
「ずっと……」
「ずっと、何? ずっと疑ってました、でしょ? 馬鹿にしないで!! 帰って、帰りなさいよっ! 貴方は人狼なんだから、もうここに近寄らないで!」
七曜の魔女と言われている彼女だったが、私を追い返すそうとしたその行動は、魔法ではなく、手元にある本を投げつけてくるばかりだった。
私はそこで気付けばよかった、彼女の真意に。
彼女はそれでも私を信じようと、してくれていたのだと――。
「正義の新聞記者が、笑わせてくれますね。射命丸文さん……いえ、人狼ですか?」
背後からかけられた凛とした言葉に振り向く。
長く透き通るような髪、凛としたまっすぐな瞳、自分を正しいと信じて疑わない、自信に満ちた表情を浮かべている少女が、明らかな敵意をこちらに向けていた。
「私が人狼? まさか、私はただの新聞記者ですよ。そう、無力な、ただの新聞記者でしかない……」
「もうそういう演技はやめましょうよ、見苦しいですよ。魔理沙さん、小町さん、ナズーリンさん。そして、大妖精さんに、パチュリーさん。たくさんの犠牲を出し、今日もまたあなたはレミリアさんを陥れようとしている」
「レミリアさんを? 何の事ですか、訳がわからない……」
「さすがは新聞記者、ゴシップ記事のでっちあげも得意としたら、冤罪作りにも長けていると。ですが私の目にはまるっとお見通しなんですよ、あなたがレミリアさんをスケープゴートにしようとした人狼であるとね!」
気付けば、私の周りはすっかりと囲まれている。
人狼騒ぎの中で生き残った人々の視線が、まるでおぞましい物を見るかのような、敵意に満ち、私の身体に絡みついてくる。
「ち、違います。私はだって、パチュリーさん狼の手から昨日守っ……」
「見苦しいわね、天狗。引き際を間違えた道化は、無様なだけよ。優雅に、そして潔く散りなさい、人狼」
「それに、パチュリーを偽だと言っていたあなたが、何を言ってるの? レミリアがパチュリーを守ったに決まってるじゃない」
静葉さんが視線をレミリアさんに投げ、そしてレミリアさんは演技がかった態度でうなずいている。
まるで、そう、これは彼女達の書いた筋書きのように――
「もう無理、諦めて」
いつの間に私の横に立っていたのか、こいしさんが鈴の音を連想させるような声で、無情な言葉を口にする。
だが、私は首を横に振る。
「諦める? 何を言ってるんですか!? 私がここで諦めたら、誰も守れなくなる、人狼から、この村を!」
「ずいぶんと演技が上手いですが。もうこれ以上スケープゴートを村で出させる訳にはいきません、年貢の納め時ですよ!」
「ですが、私が、私がパチュリーさんを……守ったって、そう言って……」
「それは、私がパチェを守った事と合致するわね。さすが人狼、今度はどんな言い訳を無様にのたまうのかしら?」
そこに浮かぶ勝ち誇ったレミリアさんの笑顔。
村全体の天秤が彼女に傾いているのを、私は肌で感じ取っていた。
あぁ、私のペンは、彼女を狼だと書きとめる事すらできないのか――。
「すぐに仲間も同じ場所へと送ってあげますよ。この現人神にお任せ下さい!」
「パ……チュリーさ……ん」
馬鹿だった、私は本当に馬鹿だった。
本当の事は何一つ口にする事が出来ないまま、彼女を失い、そしてまた、人狼の手によって私は陥れられてしまう事になるなんて。
嬉々として私を人狼だと告げた、早苗さん。
パチュリーさんを護衛したと演技をしている、レミリアさん。
その横でほぼ黙したまま、私を処刑する声を繰り返す静葉さん。
誰か……そう、誰でもいい
私の仇だなんて、そんな綺麗事は言わない。
だけど、私が守る事ができなかったパチュリーさんの魂を救う為、私の心を救ってくれた魂が安らげるように。
この願いが届けばいいと、私は最初で最後の祈りを、神に捧げた――。
と、おそまつ!
護衛の流れと、私が吊られる日の動き。
そして私が残した遅延メモの、微妙に真実を外してしまった推理を。
適当にごちゃまぜにしてみました♪
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