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[風が過ぎ去り、鮮明になった記憶]
別に探さなくっても良いんじゃん。
なんでずっと思い出せなかったんだろうなぁ?
――――…なぁんだ。
[浮かぶのはいつもの、子供のような笑顔]
……全く。
これもお前の仕業か?カエル。
俺が枯れるってのは、全部が全部ウソじゃないんだろ。
[オルガンの傍、今も尚愛らしい声で鳴くカエル。
その形は仔細までは見えなくとも、なんとなく解る]
まあいいや。
俺はまだあの森で生きていて、あいつが傍に居る。
それが解っただけでも儲けもんだ。
それじゃー皆の所にコレを配りに………
[幸せのたまごを皆にも、と
足を上げようとしてふと気付く違和感。]
あー……
[両足が根を張り、床と同化してしまっていて動けない。
男は困った風に頭を横に振って]
こりゃ時間切れっぽいかなあ、起きる時間だ。
「目覚まし時計」の真横に居て、聞いてたもんなー!
――なあなあカエル。
最後にあいつらに逢って行きたいんだけど、ダメ?
それが無理なら、せめてあの兄さん達に祝いと…
レイスに先行ってるって言いたいんだけど!
[カエルは相変わらず、愛らしい声で鳴くだけ。]
―――…ふーむ、お別れかー。
でもまあ、またどっかで逢えるだろ!
そん時まで色々お預けにしてもいいか、いいよな!!
全部、言いたい事は
[全部言い切らない内、
アリョールが消えた時と同じ風が巻き起こり
男の姿は掻き消える。
一陣の風はヨールカを通り抜けてその葉を小さく揺らし、
門を潜るとそのまま散って行った。
そして
揺れたヨールカの葉、よくよく見れば
小さなたまごの首飾りがいくつも掛かっているだろう。]
おお…
ヴァレリーさん枯れずにすんでよかった(=´∀`)人(´∀`=)
青仲間の2人も何処かで幸せになってほしいなあ…
みなさま混ぜていただき、ありがとうございます。**
[雪が降っていた
寒かった
白昼夢のような、目眩のような
僅かにふらつけば、背中がぎしりと傷む
3本きりの指を、空に掲げる
雪を掬うように、ひらりと回す]
忘れてるわけないじゃん、バカ犬――…
[街で見掛けた赤毛を、金髪を、探しに行こう
幼馴染達に、もう一度**]
おおきく……なったかな
そう、だとしたら
……おねえちゃんが
おねえちゃんのそばにいた人たちが
きっと、そうしてくれたんだよ
[それでも、まだ
わたしは ちいさなリーリャのままだよ
だって 目頭が こんなに熱い]
[姉が動けば、手を離して
冷めた紅茶を啜る姿を じっと見守る]
[笑い返す少女の目は、ほんの少し腫れていた]
そうだね
そろそろ、私も、
……………………
[別れの言葉
言いたくない言葉]
[さよなら とは 言わない]
またね
つぎに逢うときは、ほんとの姉妹だよ
[いまだって ほんとの姉妹だけど]
[キーラの背を見送りながら、呟く
やがて彼女の背が見えなくなって]
[籠を胸に抱えた少女は
くるりと振り返り、歩き出す]
[いつのまにか、そこは外で]
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