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一年に、一度だけ。
今年も聖なる一日がやって来た。
聖夜に訪れるのは、奇跡か。それとも。
時計塔の番人 ウートラは、むらびと になれるよういのったよ。
[番人は空を見上げた。]
[広がる夜空の下には、真新しく立派な教会。
庭先に綺羅綺羅と飾り付けられた大きな樅の木。
光の粒のように降り積もる雪は止まず。
しかし頬を撫でる風はふわりと暖かい。]
やじうまがやってきたよ!(カチューシャ)
カチューシャは、やじうま になれるよういのったよ。
まあ。
ここ、どこかしら。
[ ふわり ふわり
風に揺れる 揺れる
黒のフレア
すないろの髪 ]
とてもきれいなところ。
かみさまって、きっとこんなところにいらっしゃるのね。
酒場の女主人 イライダ がやってきたよ。
酒場の女主人 イライダは、ヒソヒソきょーじん になれるよういのったよ。
ここは…?
[気づくと教会の前]
これは…夢…?
[何かに導かれるように門に近づく。
ひとりでに門が開き、驚きつつも中に入ってゆく]
村長の娘 フィグネリア がやってきたよ。
村長の娘 フィグネリアは、きょーめいしゃ になれるよういのったよ。
[真新しい協会を見上げて不思議そうに首を傾げる]
ここ、どこ?
[きょろきょろとあたりを見回しても近くにあるはずの存在はなく――]
・・・ゆめ、だった?
[魂だけの存在となって親友のアナスタシアのそばで眠りについたはずだったのに――惨劇に凍り付いた日々も、となりにいてくれると告げた無愛想な男の言葉も?**]
修復師 レイス がやってきたよ。
修復師 レイスは、じんろー になれるよういのったよ。
[するり]
―― か ぜ?
[魂の声は無論、音にならない]
[細い絹糸のような何かが身を通って、一滴の もの になって]
[地に、ぽたりと落ちた]
うわ、…
[ずし、と重さを感じて、思わずよろめいた。]
[今、何を考えていたっけ。
何をしていたっけ。
記憶が、錯乱している]
[見慣れたはずの教会の気がするのに、違う気もする。
この門を知らないはずなのに、潜ってみたい。
自分は、強くどこかへ行きたいだなんて、思った事、は、]
……あ、…
[曖昧な記憶から、掬いだすのは、とても疲れそうで。
ともかく、どこかで休みたい。
…ウォッカの一杯でも飲みながら、ゆっくり考えようと
―― 少しだけおぼつかない足取りで、門を潜る**]
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