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とりあえず変身解いて分身解除したとは言え、議事ゾンネルート終了で何のプランも無くこの時間か。
こりゃ、まともに死ねないな。
演説か……ならばそれは、
人としての姿ではなく……
NEXTの姿で、行うべきだな。
[ゆるりと周囲を見渡した後。
小さな声と共に姿を変えたゾンネは、空へと浮かび上がる。]
虐げられてきたNEXTよ。
虐げてきた人々よ!
[国会議事堂の上空。
周囲を見渡しながら、朗々と言葉を続ける。]
私は考え続けた……
NEXTとは何の為の生まれたのかと。
強大な力が現れるとき、
その先にあるものは種の繁栄か、根絶か。
つまりは、人を守るための力か、
人を滅ぼすための力である。
この答えが出ない問いを、
私は時に人にとって都合の良い正義の味方
また、人に悪意を振りまく影として考え続けた。
結論を言おう……ない、ないんだ。
人に、守る価値など一片たりともないッ!!
待っ――
[先に潜入したfacelessに議場を任せ、《TYPE-blade》と行動を共にしていただろう。
通信が落ちる。それは予期されたことだったが、直前入るヴィクトーリアからの通信に、慌ててそれを制止しようとした。
が、《TYPE-blade》自ら通信に応えるのを聞けば、ジャマーの起動を息を飲んで待った。
――――やがて通信は、ノイズに支配される。]
[風薙さんから、只今起動、と声が聞こえたかと思うと、通信がプツンと切れた。つまり…、]
もう我慢しなくていいって事ですね。
[天井を見上げ、十字を切り…]
例えば君たちは……
人を食らう猛獣たちを見た事があるだろうか?
彼らはその罪によって、人に敵視され、殺されていく。
その猛獣たちが殺した人の数の何十倍、何百倍もの数を!
人が己が欲や繁栄の為に殺しているにもかかわらず!
その事に対しては言及せずに、
ただその一部の猛獣が人を殺したという点のみを重視し!
知らしめ!殺していく!
この様な暴挙が許されているのはなぜか!
それは人という種が、この世の頂点にいるからである!
弱きを貶し!強きを引きずり落とし!
この世界を牛耳っているからである!
―――そして、人はNEXT……
我々をも同様に扱っていることは明白だ!
NEXT達が起こす犯罪を、過剰なほどに誇張、報道し!
逆に人が無抵抗のNEXTに危害を加えた事件など
新聞の片隅に追いやられる!
私はそれを、他でもないこの目で見続けてきた!
人という種にのみ都合の良い世の流れ……
これを作り出している事に、今更なんの疑問があろうか!
人とNEXTが平等に扱われる……
その様な未来はまやかし以外の何者でもない!
その道は、他でもない人自身が望んでいないのだから!
今こそ世界を変えるのだ!
この捩れ曲がった理を……世界を壊し!
次の世界の指導者……NEXTたる我々が
この世の頂点へと立たなければならない!
NEXTが、祝福され生まれ出る世界……
日の光を浴びられる世を作る為に!
[そこまで言い終われば、
静かに空を見上げた後……ナジームへと視線を落とす。]
さぁ、同士よ。
人の世の終わりを、始めよう。
[――あんたは 何を見たんだ?
月の猫で問いかけたことの片鱗が
恐らくはその演説にはこめられていた。――だが]
《――違うッ!!》
[光の名を持つものに
顔のない異形は、鋭く否定を放つ]
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