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…ゾンネ…… か。
[かれが座っていた席を見る。
不思議と、誰も座っていない。
偶然か、シャッテンと名乗った顔のないモノを
案内したのも、あの席で。]
…――
[覗き込む赤い眼を思い出す。
見透かすような赤。
選択は今宵、――、記憶から言葉を組み上げた時、悲鳴が上がった。]
私もいずれ華となるように
人もまた、いずれ華となるでしょう。
善意の華が変わる事のないように
悪意の華も、また萎れる事を知らない。
[腕に巻かれたベルトに、チェーン型の刃が巻きつく。]
華は、土を食らいながら咲き誇る姿こそが美しく
散り逝く様こそが美しい。
――あの世に咲くは彼岸の華。
この世に咲くは人の華。
いつの世も……咲き誇るのは華の毒。
[自然に発生することもなく
飢えを凌ぐ為に、祖先によって植えられ
使用される事もなく増え続ける、忘れられた華。]
私がお仕えするべき御主人様は見つかりましたゆえ
貴方に仕える事は叶いませんが――
毒の世話まででしたら、致しましょう。
華の世話は、メイドの役目でございますから。
[表情の見えない顔は――僅かに、笑ったように見えた。
鋼色の花は、都心に建つ電波塔の方角を向いた。]
「ゾンネが…!!」
「うそ、なにこれ…!!]
[引き攣った声が続く。]
――え…?
[淹れ終わった珈琲のカップを手にしたまま
ツキシロは目を瞬かせた。
――なにが、 あったというのか。
続く言葉が耳に入る。]
「――殺し てる…!」
[ぱりん、 と
上質の陶器が砕ける音がする。
カップを取り落としたのだ。
「ツキシロくん!?」
マスターが驚いたように声を上げる。
だがそれも聞こえないのか、足早に
テーブルに近づいて客へ声をかけた。]
見せてくれ
[「え?あ、ああ」
有無をいわさぬ一言に、携帯電話の持ち主らしき男が頷く。
テーブルに手をつき、金の眸で覗き込む。
――赤い目と影がこちらを見ていた。]
―― ビルの屋上 ――
[電波塔の方角を見つめたまま、おんなは傾げる。]
…………
明るいですね。
これだけ照らされていながら、小さな悪意に気付かない。
小さな善意の行く末に気付かない。
光ばかり見ていれば、闇を見落とすのは当然の事。
[おんなの形は向きを変え、ビルから下界を見下ろす。]
――――そうですね。
まずは、闇を見落とす事の無いように
闇に慣れて頂きましょう。
無様に千切れる事無く、綺麗に散って頂きます為に。
[おんなは、空を見上げる。
雲のかかった月影。
人の力が及ばない――消す事の出来ない、唯一の輝き。]
人は灰に、華は森に。
――――冥土型鎖ノ森_流麗。
[闇夜に咲く鎖の華は、土を必要としない。
人が大地を塞いだ頑強なコンクリより出で
道という道に咲き、
――可能な範囲の電柱を、電線を破壊する。
中には、電力供給源の破壊に巻き込まれた
通行人もいたかもしれない。
だが――おんなの形をした華も
鋼のいろをした華も、気を留める事などしなかった。
源を失った区画は電力を――光を失って行く。]
―喫茶:月の猫―
…“シャッテン”……
[呟いた名は、この場に居るものには
聞き覚えのないものであっただろう。
ツキシロは表情険しいまま。]
ありがとう
[短く言い置くとカウンターへと戻る。
なんなんだ、と客は顔を見合わせるが
すぐに話題は先程の凄惨な映像へと移る。]
―喫茶:月の猫―
[すいません、と幸恵に詫びて
割ったカップを片付けるためにしゃがみ込む。
そのまま、俯いて]
…―― “選択”を
って
こういう ことなのか …?
[低く、喉の奥から搾り出すような声。
赤い目がちらつく。
NEXTはやっぱりあぶねえんだ、と
客の声が聞こえる。
――“どちらなのだろう”]
―― ビルの屋上 ――
[闇の水底に沈む街から、メイドは目を離す。]
―――さて、次に参りましょう。
[停滞した街のどよめきは、おんなに届かない。
例え届いていたとしても――おんなの身ははがねに香る。]
…………。
[見つめた箇所は二つ。
少年が病院。そして――"月の猫"があった方角。]
次に参りましょう。
[その二つとは違う別の方角へ、跳躍する。
影に咲く華は
大地を、通過する電柱を食らいながら
蛇のようにおんなを追い
ビルの狭間に映える影からも
幾本かの鎖が増えて、窓を割り、壁を掘りながら
血ではないもので動くおんなを追って行く。
女が過ぎ去る遥か足元は
次々と光を失って行く――]
−ショッピングモール・お昼ぐらい−
[思わず、走り去ってしまった。別に走り去る必要もなかった気がするが、動転してしまったのだ。
走る途中、食べかけのアイスクリ―ムを地面に落してしまった。
アイスクリームを落としてしまったので、代わりにソフトクリームを食べていた。]
甘いものを食べると、やっぱり少し落ち着きますね。
[今日、久しぶりに普通の人間と話をした気がする。
正体がばれたくないが故に、あの日から今まで、人間の友達らしい友達を作らず、なるべく人の輪を避けていた。周りにいる人はNEXTか、NEXTに理解のある人ばかり。
無意識のうちに人間を避けていたのだろうか?それは良くない気もする。]
自分がNEXTとバレるような話題や発言は慎まないと。
[ソフトクリームをぺろり。気をつければ、いろいろな人と話すのも悪くないかも。あの人、すごく綺麗だったなぁ...、とか思いつつ、開場時間が近付いた映画館の入り口へ歩いて行った。
この後、テレビであんな事件が起きるとは知らず、普通の日々の最後のひと時を楽しむのだった。**]
―夕方/歩道橋の上―
ほう。それならば第二の要求は撤回せねばなるまい。
もともと「我ら」のものではないのだから。
[電力を失った区画。とある歩道橋の上に立つ。
そして、5つほど鎖を垂らす。
それはどこにでも売っているような太めの普通の鎖。]
もはやこの国の愚かな頭は「我ら」を黙殺する気か。
ならば、徹底抗戦―……神はそう仰った。
[垂れた鎖には血が滴っている。]
[垂れた鎖の先には、それぞれ死体がぶら下がっている。
ぼこぼこに殴られたようで、誰が誰だか判別不能。
3人は男で、2人は服装から女性のようだ。]
「第二の要求は撤回する。彼もまた影なのだから。
第一の要求については、愚かなる代表者は
哀れなる民衆を見殺しにするつもりのようだ。
最初の爆破を生き残った「不幸なる」諸君、
神は諸君らに受難を求めておられる。
それが豚どもの選択だ―……。」
[鎖の先にはそんなメモが付けられている。]
―喫茶:月の猫―
[「まあ、何かしら、停電…?」
幸恵が不安そうに口にする。]
…――ユキエさん、
できれば、安全なところに逃げたほうがいい。
[不意にツキシロがそう言うと、
幸恵は小さく笑った。
「ここが私の大切なお城だからねえ。」
ツキシロは、珍しく困ったように眉尻を下げる。
マスター・幸恵の店はきっと、叶う限り
通常営業なのだ。
にゃあ、とカウンターに座った
看板猫、モンが鳴いた。]
…――、…
[“どちらなのだろう?”]
…。
[叶うならば。
汚れたこの手を伸ばすならば。
にゃあ、ともう一度猫が鳴く。
看板猫の眸は金色で、ツキシロに少し似ている。]
…、……今日は、少し
早めに失礼します。
[客ははけてしまうだろう。
昼ならともかく、夜はきっとひどく恐ろしい。
幸恵は自分のこどもを見るがごとく
心配そうにしている。
モンをそっと撫でてから、
ツキシロは裏口から出ていった。
闇を睨む。]
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