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―市庁舎内―
足音がするなら、少なくとも幽霊とかそういうもんじゃない。
多分大丈夫だ、大丈夫。
それにあっちはあっちで連絡とか人員の確保とか色々対応しなきゃならねーもんな、自由に動ける俺がある程度は片付けなきゃ。
――…だろ?
[いつの間にかハニエルと『会話』する事を覚え、問い掛ける。
また、ハニエルもそれに肯定の意思を示すかのように光で応えた後沈黙する]
しっかし、機体と意思の疎通っぽいものが出来るとはなあ。
お前、どんなプログラムされてんだ?
[その問いには光は灯されない]
機甲修理工 ユージィンは、ここまで読んだつもりになった。 ( b1 )
――来た。
[明らかに不自然な悪寒が走って、少年は敵の接近を悟った]
行くぞ!
[札の貼られた木刀を、両手で正眼に構えさせる。
メガマリオンもテルオも刀を扱うのは初めてなので、正しい構えかどうかはわからないが、とにかく気合いを入れるためだ]
うぐ……。
[それでもゴーレムは怯む事無く近寄って来る。
距離に反比例して負荷は高まる。
例えるなら、黒板を爪で引っ掻いた時の感覚を、全身で感じているような]
[繊細な動きを求められている指が、震える。
ごつ、と後頭部をシートに打ち付けて、はっと我に返った]
――蹴散らせ、メガマリオン!!
[野球バットのように振るわれた木刀が、怨念ゴーレムの即頭部にヒットした――!]
ごめん…ごめんね、おに ちゃ 。
[泣き虫フランと呼ばれても仕方ないほどに涙を零して。
身体の下に伸ばされた手に、身体を委ね、兄の胸に凭れかかる。]
ゆりと おにいちゃ
[兄の笑顔に応えるように浮かべた笑顔は、幾度か会った時に浮かべた笑顔と似ていただろうか?煤と涙で汚れたままで、幼い時に浮かべた笑顔と同じには見えなかったろうけれど。…でも、今出来る精一杯に笑顔を浮かべて。]
アカデミー に 行 なきゃ。
[それは、宇宙怪獣を倒さなければという言葉。
ここで待ち合わせしていた目的、兄の言葉を聞きたいとは思っても、今目の前に宇宙怪獣の姿が見える状況では……。]
…………
[くたり、と身を委ね目を閉じていたが、
兄の胸の奥の声>>22>>23か何かを感じたように微かに頭を動かす。兄を見上げたフランの目は、少しの不安とどうしたの?と問いかけるような目。]
各ブロック、状況を報告しなさい。
隣接ブロックと合流したなら人員を統合、余剰人員の半分は待機、半分は他ブロックの応援に回って頂戴。
[絶え間なく指示を飛ばすのは、職員の気を引き締める意味合いも込めて。ぱぱぱん、ドドン、と賑やかでこそあるものの、徐々に包囲を狭めていくという行動は確実でこそあれ、単調になりがちだ。自然、油断や散漫も起こりやすい]
強行突破を狙ってくるやつがいたら無理せず退がるのよ。
シェルターの方はどう?
[カラオケ大会が行われている第七コンテナシェルターへと連絡をつける。すでに満員といえる規模でゴーレムを収容してはいるものの、怨念ゴーレムは出現の仕方からしてあまり物理法則に囚われていない。
折り重なるようにして詰め込まれたところで、窮屈になるということはないようだ。あるいはその時点ですでに消滅してしまっているのかもしれない]
どう、ルッカは。ちゃんと歌えてる?
[軽い気持ちでそんなことを確かめて見たのだが、返事は意外なものだった]
…いない?
案内はつけたはずよね?
どういうことかしら…
[ルッカは、危険が迫っているときに、ふらふらとさまよい出るような人間だとも思っていない。可能性はいくらか思いつくものの、確かめる方法はなかった]
いえ、考えても仕方ないわね…
いいわ。そっちはそっちで続けて頂戴。最大限騒いで、最大限楽しむのよ。
……はあ、はあ……
[側頭部へのクリーンヒットでよろめいたゴーレムに、更に木刀を叩きつけ追い討ちを図る。
頭部に入ったひびが胴体に到達した辺りで、土煙が上がりゴーレムは土へと還っていった]
……気持ち悪……。
[精神攻撃によるものも多々あるだろうが、それに加えメガマリオンの動きそのものが、少年に負担を与えていた。
この状況で訓練もせずに乗るのは無謀だったと、今更後悔しても遅い]
……遠い、な。
[モニタ越しに本土の方向を見て、思ったほど縮まっていない距離につい呟く。
その気配を感じたか、木刀に纏わりつくゴーレムがいて]
おりゃぁぁぁぁああっ!
[気合いと共に、振り解いた]
せっかくだから、主席候補生 フラン・A・入坂 は 市長少女 明朱佳 に投票するぜ!
…そっか。
まあアカデミーに戻った時に聞くし、その時でいっか。
[沈黙は否定や拒否の反応、とメモに加えて再び警戒に当たる。
しばらく歩いていると、音が次第に近付いて来るのが解り機体が上げる警戒音に歩みを止めた]
―――…これは、何の音だ。
って何コイツ、怨霊ゴーレムの端っことかそんなか…?
[捉えた気配はハニエルの足元でチマチマ動くくらいの極々小さな姿ではあったが、男からすれば演習で見た程度の異形で]
[男は後方に3(10)m飛び退った]
/*
最終日ヒーロー展開的には、
今日落とすのは狼orヒーロー以外かな。
男キャラでヒーロー出来るのは、
テルオ>覚醒イル≧フェイト>イルかな。
そういう意味でユージィンさんもスコルさんは気になるキャラだったけど。
裏宙で宇宙怪獣が叩けてる展開なら、別に表にヒーローがいなくてもいー気もするけど、どーかなー。
……この泣き虫フラン。
お前が謝ることなんか、無い。
[同じ呼称を、遠い昔に口にしていた気がする。
もう本当にとおくなってしまった、と思っていた記憶。
今目の前で、すぐ近くで見える、煤と涙に塗れた顔。
その顔が浮かべた笑顔のかたちもまた、同じには見えない筈なのに、どことなく遠い過去の笑顔を青年に想起させていた]
って、ああ、そうだな。アカデミーに……
[言い掛けて、はっとした。その言葉の意味を漠然と思う。
……うんと頷けなかったのは、傷ついたその姿を目の当たりにしていたから]
後で、な。
[それだけしか口にできないままだった。
実際、未だに怪獣の吠え声はやましい程に聞こえてきていて。
第一、フランを避難させるにしても、すぐ近くの何処に行けばいいのか見当もつかなくて――。
どうすればいい。
己に身を委ね目を閉じるフランの側で、足りない頭で思考を巡らせようとしていた最中……その彼女が此方を見上げてきたことに気づいた。
まるで、内心を見抜いてきているかのような、視線の色]
/*
うわー、やっちゃった。ほんとごめんなさい。
更新前後の焦りっぷりから復帰したつもりで復帰してなかったっていう……。
[弱い心は、いつかの時と同じように、無意識にある男に向けて"テレパシー"を発信する]
《たすけて》
[そこで、そうすれば良かったのだと気づいたように。今度は意識して、発信する]
《きて》 《ソフィア・パーク》
《いますぐ、きて》
《おっさん―――》
[返事はない。
何度"テレパシー"を送っても、返事はない。
それは未だ上空に居るクジラのようなものの所為なのか、あるいはそもそも――]
落ち着け、あんなちっこいのにびびってどうすんだ。
大丈夫だって…俺が怖いのは幽霊であって、ポルターガイストとかそんなもんは怖くねぇ。どっからでもかかって来やがれ…!
[ぱ、とファイルを開き怨霊ゴーレムへの対処法をちらりと見やる]
しかしカラオケなあ。
ああ、確か鎮魂歌でも良いみたいな事言ってたっけか。
それとも違ったっけか。
つっても、鎮魂歌はパスしてーんだけどな。
姉貴送った時に散々歌ったし。
[何か良い歌は無いかと記憶を探る間、小さな何かは逃げるでもなく危害を加えてくるでもなく、その場をウロウロと彷徨っていて]
―――…なんか、子供みてーだな。
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