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[…暫く倒れたままじっとしていたが、
空気的に割りこまない方が良さそうと判断し起き上がって端の方へ行く。
適当な残骸に座って、会話が一段落するのを待つ事にした。]
[現れたメカマリオン――メガマリオンは、見たこともない槍か細剣かのような獲物で"影"を仕留めていた。
その姿は、あの時の様にただ打撃だけで立ち向かっていた姿からすると、進歩だと思えるもの。
その人――テルオの声は確かに聞こえた筈なのに、その姿は見えない。
思えば、強く響いてきたその声は、機械越しの色を帯びていたように思う]
……まさか、中に、
["あこがれ"、"ときめき"、"成長の喜び"、
そして"無事でいた、嬉しさ"を封じ込める胸の奥の闇]
[もうひとり、今度は確かにその全身が目に見える少女……最後にテルオと会った時、卯月に乗っていた少女。
今はまだ、ぱっと見ではただの人間にしか見えないまま]
──放送?そんなもんあったのか?
[見事に聞いていなかった、その時自身は、イルを探すのに必死だったから──。
続く説明は、ある程度を掻い摘んで理解する]
要するに、大本である『巣穴』を叩いてしまおうって訳だな?
[大雑把過ぎる要約だが、大体の内容は把握していただろう、多分。
最後の最後、眼前のメイドが艦長と伝えられた事も、一瞬うろたえこそするも、頷いて見せたろう]
せっかくだから、少年 メガタ・テルオ は 調達屋 ルッカ に投票するぜ!
[眼前のメイドからの微笑みと共に伝えられた言葉は、相手の性質的に信じて問題は無いだろう。
それに安心して、幾らかの緊張がとける。
人間に興味が無いとの話だし、もう襲われる事も無いのだろうと。
──最後の呟きが耳に届く事は無く]
その声……テルオ、くん…?
[涙は溢れすぎて枯れ切る程なのに、また涙が零れる。
煤に塗れて汚くて、一年前のそれとは全く格好も違うけれど。]
………。
[ぼろろっと、涙を零しながら。
助けに来た事、一緒に戦うという意思へ対して、]
ありがとう…テルオ、くん。
すごいね、おおきなメカマリオン……。
わたしは、無事…。
無事だよ。
……うん、一緒に…戦おう…。
[テルオの、メガマリオンの力はどれくらいかは分からなかった。
でも、真っ直ぐな声、陣桜市から大変だろうに駆けつけてきた意思、そして今機槍で”影”を切り裂いた力。―――…その心も力も、あまりにも助けになると思えるに充分だった。]
[って、ちょ、と。たどり着いたのはいいけれど、まさか間近で連絡していたとは思わなかった。インカムのマイクを上に上げてフェイト向け受話器を受け取る。
裸なのには視線受け取るときに視線を向けたくらいで、アザもちら見した程度。
今はおいておいた。今は、それよりも――]
『おいこらフェイト、エリーだけど、聞いてるな?聞こえてるな?
さっき聞いたから言っとくけど、
無茶する奴は無茶してるんだから止めるには力量に差がないなら無茶が必要になる。
それこそ手加減なしの無茶やってるんだろうから、下手したら余力も残さず共倒れなんて事にもなりかねない。
止めるのはいいけど止める為に無茶するくらいなら、止めずに無茶してる奴も自分も助かる道を探し出せ!解ったわね!』
[さっきよりも多少間が空いたおかげで思いつけたもう少し良い方向の言葉をつむぎ出せた、気がした。
後はある程度望む答えが帰ってくるのを待つばかり]
[…ふと、向こうに置いて来たシームルグの事を考える。
穴の向こうで回収できるとすれば、武器庫ぐらいにはなるだろうから…。]
-シームルグ機内-
「えーと、テステス。
コレは警告です。繰り返します、コレは警告です。
もうしばらくしたら、当機は裏宙…『穴』の向こう側へと落下します。
機内にいる人は直ちに退避してください。
繰り返します、直ちに退避してください。」
[自分の専用回線を使って、シームルグに通信を送る。
…テルオを送る餞別代りに、シームルグも共に向こうに落とす事にした。
どうせ、ここから向こうへは帰れない。
だったら、向こう側へ送って後で回収した方が楽かもしれないから。]
大本を叩く?
[泥棒の返答>>+16には、やや不思議そうな声を返して。その後、ああ、と手を打った]
あ。そうだね! うん、そうそう。
そういうこと。
[わざとらしくうなづいていたが、この相手には隠しても無駄か、とひとつ肩をすくめた]
……僕は正直、宇宙怪獣退治には興味ないんだよね。
[現れた少年と、そして、たったひとりの妹。
ふたりの存在が、心の闇を、ぐらりと揺らす]
……っ、
[そして今、まさに、フランに、止められている状態。
メガマリオンに気づいてもなお此方から外されない視線に、縫いとめられているかのように]
勝手にしろ。
……どうなっても、知らないぞ。
[とめる。やめない。そう告げた彼女に、少し小さめの声で。
……へなりかけた姿に気付いて、一瞬だけ駆け寄ってしまいそうになったのは、今だけの秘密]
僕はジュリエットさんの完成を見たいだけ。
そして、ジュリエットさんは、「より早く、より強く、より堅く。なおかつ武器に見えないままで」っていう自分の作られた目的の為に、自分を進化させることが目的なんだ。
それが今は、宇宙怪獣と戦うことに向いたってわけ。
……まあ、ジュリエットさんは一途だから、しばらくは宇宙怪獣以外には目を向けないと思うよ。
たぶん。
[そして、にこりと微笑んで]
まあ、表向きは、
「正義の修理工とそのメイドが、悪の宇宙怪獣を倒す為、巣に向かう」
ってことにしといて?
僕も、ディガー……いや、スコルが犯罪者だってことは、黙っておくからさ。
……なに、大丈夫。
もし、うまく巣を叩く事が出来れば、僕らはヒーローだよ。
その結果の前に派、過去の犯罪歴や、本当の理由なんて、誰も気にしないさ☆
いいこと言うじゃない。
[エリーが返事を待つうち、シェルターに備え付けられていた簡素な着替えを身につけ、濡れ髪を結い上げた少女がシャワールームから出てきて声をかける]
けどま、その辺の心配は要らないと思うわよ。
あたしが見て、話した限りじゃ、フェイトは無理や無茶の一線は弁えてる感じだったもの。
たまに抜けてるとこがあるのと、真っ正直なのが不安なとこではあるけどね。
"うん。ジャミングのせいで遠隔操縦出来ないから、今は中に居る。
それにさー、やっぱり中に乗って戦った方が、かっこいいよな?"
[イル>>114の呟きを拾って答える。
とはいえ、今も全身にべたべたと纏わりつく脂汗は、『かっこいい』で済まない現実の痕でもあった]
"そーだよ。
久し振り、フラン"
[フラン>>115に向かっても、メガマリオンの片手を挙げさせ]
"へっへっへー。すごいだろ?
メカマリオンの大会に行ったら、使わせてもらえたんだ。
でも、オレがそんな事やってる間に、フランはもうジンロボに乗ってたんだ。
やっぱり、フランには敵わないよ"
[メカバトル大会でも、彼女は”天才”と評されていた事を思い出す。
ずっと追い付けないと思っていた。
けれど今、少年はメガマリオンの中で、少女と同じ視界を知った]
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