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[薄くなる意識、手放そうとする瞬間 ──その時。
"スコル自身"が、首に絡みつく触手を剥ぎ、その触手に牙を付きたてた。
《相棒》のそれと同じ様に、塵と化す"影型"の怪獣を睨み]
──悪ぃな、幾らイカモノでも、喰らうのに遠慮はしねえんだわ。
行くぜ、《スタート》だ。
[吐き捨てて、《悪食の大狼/スコル》は、吼えた。
自身の中の"回路"を切り替え、《相棒》と同じ──
──否、それよりも獣に近い姿へと、変貌を遂げる]
いえ、悪くないと思うわよ?
[エリーが自信なさげに口にした計画>>190を吟味し、軽い口調で告げる]
加速度の緩和を二段階でやってる辺り、あたしの考えと同じだし…難を挙げるとするなら、フェイトと砲弾の合流タイミングね。
飛行ユニット、確か今外してたでしょ?しかも、通信妨害で新しく追加できるとも限らない。
そうなると砲弾との合流が『ジャンプ』以外になくなっちゃうんだけど…それ、もうほとんど曲芸の領域だもの。不可能じゃないけど、ちょっと厳しいんじゃないかしら。
[そんなことは言いつつ自分が陣桜市に戻ってきたときはまさしく曲芸のような真似をしていたのだが。この場にいる誰も、その瞬間を見ていなかったので、しれっと棚上げしておいた]
そうねぇ…こっちの通信機で受信できたってことは電磁波で間違いないと思うけど。
電磁波が伝わる過程についてはさっきのフランとの通信の例もあることだし、不確定要素が多すぎて推測し切れないわ。
ただ、双方向の移動ができる可能性が見えただけでも相当大きな収穫よ。
[黒い球体や裏宇宙について手がかりはまだまだ少ないのが現状だ。エリー>>192と同じく、少女にもその程度のことまでしか分からない]
……多分私の意見より省いて他の意見を纏めた方がいいよ―――あ、待って火種…あ、無理ですか。んじゃこちらでやっときます。
[ルッカに、自分がだめっぽそうなので、とりあえず自分の意見を取り消してもらおうと声をかけつつ、職員さんを追いかけてと、色々と大変な事になりながら、通信機はとりあえず受け取れたらしい。
なんとか、インカム型のそれを左耳に取り付ける。チャンネルを操作できないのは難があったが、連絡が取れないよりはマシだろう。
だが、問題は火種であった。
できればあるものを操作したほうが加減が楽なのだが、今から用意するには遅すぎたようだ。
それに、自力で作成できるならしてもらったほうが、良い、という事もあるのだろう。
資源は有限である。というお話。]
めんどくさい。
めんどくさいから、泥棒 スコル は 改造人間 イル に投票任せた!
せっかくだから、主席候補生 フラン・A・入坂 は 調達屋 ルッカ に投票するぜ!
えぇい、お帰り!
[通信機を受け取り、せわしなく戻ってきながら、テルオが戻ってきたのを見れば、先ほどまでのテンションが残ったままの返事を返す。]
どうするかは――決めたね?
[そして、一間空けて。
どうするかを問うのではなく、きちんと決められたか、それだけを問いかけた]
/*
と言われても、空気を読んだ襲撃先が無いんだよねぇ。
イルはフランとセットだし、フェイトはこれから見せ場だし、テルオ君市長は論外だし。(市長落としたら一気に静かになる気がする
*/
―陣桜市・市街―
あの子は…
[テルオ少年が戻るのとすれ違ったことを知る間もなく、少女はジンロボの足を走らせる。その道すがらに市の職員から、エリーが通信機を忘れた旨が内線で伝えられた。思わず苦笑いをこぼしつつ、その通信機の回線を確認。回線テストがてらに通信を入れる]
インカム型っていうのはいい判断だったわね…
『もしもし、エリー?聞こえてる?あなたには中央通りの封鎖を行ってもらうわ。もし道が分からなかったら手近な職員にでも尋ねて頂戴。
どの程度の出力をどの程度維持できるか分からないから、加減についてはあんたに任せる。
予備人員としてそっちに作業ロボットに乗せた職員を二人つけるわ。
必要なら連携して、北と東の通路を封鎖して頂戴。
南から追い込んだ『お客さん』を西に誘導するわ。
地表部の主要幹線道路だから『お客さん』が集中することになるかもしれないけど、接近さえしなければせいぜいちょっとしたお化け屋敷程度よ。落ち着いて対処して頂戴。
こっちも、追い込むタイミングはずらして負担は増やさないように気をつけるわ。それじゃ、よろしく頼むわね。以上、通信終わるわ』
[告げて通信を切る]
さて、と…。あたしも急がなきゃね…
[少女も、自らのジンロボに無数のクラッカー(ジンロボサイズ)を背負い上げさせ、現場を移動する。目指すは陣桜市の北東、怨念ゴーレムの群れがもっとも集まっていると報告を受けた辺り]
──それから暫く後の事、ソフィア・パーク跡地付近──
[2体の機獣が、怪獣を散らしながら、駆ける。
闇雲に走り回って、巨大な怪獣の近くまで辿り着いた、その時]
見つけた!
[探していた相手が上空にいるのを見つけ、自身の"回路"に指示を出した。
人の姿へ戻り、相手へ声をかけようとした、その時。
再びの後方からの攻撃の気配、に振り向くと──
──局所的な孔、だろうか。
空で開いているソレと同じ物だと、直感的に感じられる、漆黒の……]
ば…ッ!?
[避ける為の動作を許す事も無く、自身を飲み込もうと口を開く、ソレは。 自身を無慈悲に、遠慮の欠片も無く、*飲み込んだ*]
[──スコルの意識は、其処で途切れている]
[その場は喧々諤々とした雰囲気が残っていたが、エリー>>207の問い掛けに、一瞬その空気が取り払われた気がした]
――うん。
[少年は、しっかりと頷く]
オレ、行くよ。
──飲まれる前、声にならぬ叫び──
["闇"が口を開き、自身を飲み込もうとしている、まさに、その時]
──イル、イルッ!
[届かないと知りながら、けれど、送らずにいられなかった通信。
それを最後に、通信は途切れた──]
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