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あ、えっと、1年前にメカマリオンの世界大会があったんだけど。
[と、エリー>>88に向けて説明する。
必要なら、メカマリオンが小さいメガマリオンである事も付け足すだろう]
その時、オレと決勝戦で戦うはずだった相手だよ。
今は――フェイトの方が知ってるんじゃないかな?
[フェイトから彼女の話を聞いた時、なんだか遠くに行ってしまった気がしたのを思い出していた]
[手短な説明をしている間に、通信機からも返答があった>>89]
えっとオレ、今、陣桜市って所に来ていて。
この通信機は、そこの市長さんからの借り物なんだけど……。
[どこから説明したものか。
迷っている内に、相手の喜びの声が聞こえて来て]
うん。そっちも、無事で良かった。
あ、でも、話は聞いてたんだ。フェイトさんって人から。
[と、傍らの青年に視線を向ける]
[銀の懐中時計から、
一度聞いたら忘れられなさそうな女性の声が聞こえた。]
この声、どこかで聞いた事があるよーな。
[束の間、頭の上に?マークを出したものの。]
陣桜、市?
救援じゃないよ。
単なる通信。
……通信先は合ってる筈なの。
それなのにさっきから、目的の通信先に繋がらなくて。
そちらの陣桜市の方には、何も通信問題は起こっていないの?
[事情を確認するように更に問いを。]
いや、……おにいちゃんって、誰のこと?
[重ねられた問い掛け>>90に、既に答えたものは省いて逆に聞き返す]
この通信機を貸してくれたのは、女の子……人だよ。
今、聞こえたよね?
[間に挟まるように、明朱佳のはっきりとよく響く声>>91が通信機を通った事だろう。
少年はそれを示して言った]
んーと、…………んと?
……勝手に割り込めるのね。
[とりあえず、市長の言葉から使う許可とか専用とかじゃなくても割り込めるものだというのは、何とか理解した、ようだ。
で、妙に噛み合わない気がするのが――]
戦うはず?はずって一体……。
いや、それよりも、メカマリオンがメガマリオンのパイロット探しのためだったんだから……
……ハカセ以外にソレを知ってる人がいれば、似たタイプのロボのパイロットとしての引き抜きとか、同業者が先に青田買いしたとか、そういう可能性……
もし、そうするとよ?
………とすると――――
[最悪の場合を少し想定する。とはいえ、想定の前提自体が色々アレな事になっているのだが。そんな話をテルオに吹き込みかけている]
最悪、侵略側についてる可能性も、ないわけじゃあないんじゃない?
商売敵と対立した方がいいって話は良く聞くしね。
それとか、出し抜くような相手なら、叩き潰したい、とか。
[眼を丸くする相手、様子から見るに《パーツ》にそんな役割があるとは、知らなかったのだろう。
知らされていなかったからか、それとも──。
相手の事情を、完璧に図り知る事など出来ず、憶測は思考ルーチンを活性させる。
続けて、頷く様子を見て、生への願望を聞いて──]]
──じゃあ、もっかい直さないとな。
通信機も……右耳だな?
[──続いた言葉は、少し意外な物だったりするが、相手が良いのならと。
頼まれた其処へ通信機を埋め込む為、元あった場所へ《パーツ》を戻す為]
魔法少女 エリーは時間を進めたいらしい。
フェイトくん!
パワードスーツ科のフェイトくんも?
教官がフェイトくんに対して怒ってたよ。
[フランは、くすくすと明るい笑みを零す。]
あのね、あのね…!
おにいちゃんが、おにいちゃんが見つかったんだ!!
見つかったんだよ!
[嬉しさが弾けるばかりに。思わず声が高くなった。
けれど、テルオくんが引いてるような声>>96に謝る。]
──作業室──
[以前と同じ様に相手を台に寝かせ、以前と同じ様に相手の背部を開いてみせる。
以前と同じ一連の流れ。
しかし
前のそれとは違う、相手を気遣う様な、それ。
以前とは幾らか扱いが違うその作業は、その分、相手への負担を減らす為。
──その他、以前とは違う蝙蝠羽の様なパーツが着いていたのは、また別の話だったりする。
親和しきった《裏パーツ》を外し、《元のパーツ》を取り付ければ。
同規格の《裏パーツ》がそうであった様に、ゆっくりその部位との親和を始めただろう。
以前と違うナノスキンを貼れば、今度は衝撃を与えずとも、その部分は、背面と同じ肌の色へと──]
ごめん、テルオくん。
わたしね、おにいちゃんが一人居たの。
入坂結理人って名前のおにいちゃん。
ずっと離れ離れに住んでて、あのメカマリオンの大会の日、おにいちゃんと会う約束だったんだ。でも……宇宙怪獣が降ってきて……結局、会えなくて。
おにいちゃんは、行方不明になってたの。
[僅か、沈んだ声。けれど続ける声は、]
でも!そのおにいちゃんと今日会えたんだ!
ソフィア・パークで待ち合わせして話そうって。
そう言ってくれたんだよ!
[その声は、ジンロボパイロットを感じさせない年相応の少女の声だった。]
あ?
何。誰と通信してるって。
今フランとか聞こえたけど。なんでまたその通信機であいつと連絡取れてんだ?
[ほんの少し目尻に涙すら浮かべていただろうそんな時。
テルオを中心に何かがあったか騒がしくなったのを覗き込む]
そっか、あいつ無事なんだな。
テルオー、話に区切りが付いたらフランにおつかれさんって言ってやってくれー。
[本当は自分の口から言えたら良かったのかも知れないが、
今の自分にはとても言えるような言葉ではないと
傍のテルオに身振り手振りを交えて伝えた]
──っし、出来た。
さあ、後はこっちだな。
[言って、手に取るのは相手の右耳の耳朶。
耳朶をさわり、少しの感触を感じた後。
──以前の様な《オマケ機能》ではなく。
確りと、それを目的とした《通信機》を耳朶の部分に、埋め込んだ。
耳にナノスキンを貼って暫く経てば、耳朶の埋め込んだ部分の傷も、キレイに消えたろう]
[修理が一通り終わって、尋ねられたその言葉には]
──馬鹿、直してやるって言ったんだからな。
後々どっかで壊されても、夢見が悪いだろ。
…得とか、そう言う話じゃ無えんだよ。
[ぶっきらぼうに、そっぽを向いて答えた]
…少なくとも救援じゃなさそうね。
テルオ君に任せといたほうがよかったかしら?
[テルオ少年の呼びかけに答える声は嬉しげだった。
邪魔をしただろうかと引き下がる]
そう。フェイトの知り合いってことはやっぱりシルヴァクロックの主席ね。
相手と状況が分かってるんだったら問題ないわ。
テルオ君、移動だけは遅れないようにお願いね。
[話の邪魔をするのも野暮な気はしたが、話し込んでいて逃げ遅れ、結果怨念ゴーレムの犠牲になるのは避けなくてはならない。テルオ少年にそれだけ告げて]
こっちは基本的に短距離通信と内線だし、今のところ通信障害の報告は上がってないわ。
『お客さん』…怨念ゴーレムの襲撃が近いけど、連中の性質からしてそっちの通信を拾う原因としては考えにくいわね。
目的の通信先があるんなら別の通信機試してみなさい。
あたしから言えることはそれくらいよ。
[通信先の相手にも、そう声をかけて、通信機からは身を引いた]
え? ち、違うよ。
メカバトルの決勝戦は、本当なら1年前にあるはずだったんだ!
宇宙怪獣が現れたせいで駄目になっちゃったんだよ。
[エリー>>97の誤解を解こうと躍起になる。
少年にとっては、ゼペット社は今でも『正義のおもちゃ会社』なのだ]
それにさ、フランが侵略側って、そんな訳ないだろ!
頭がいいから、オレじゃ思い付かないような事は考えてるかもしれないけど。
でも、悪い事するような奴じゃないよ!
[根拠などなかった。
が、同じロボットバトルに熱中した身としては、最大のライバルが悪の道に進んだなど考えたくもない。
だから、少しばかり憤った顔で、エリーを見詰める]
[甘ったれた様な声、煽っているのか、それとも]
──お前さんよお……いや、やっぱ良いわ。
[無自覚なのかもしれない、と。
尋ねても、疑問符を浮かべられるだけの状態が容易に想像出来たりもして]
謝らなくていいわよ。
さっきも言ったけど適性の問題。
誰もあんたを責めないって言ってるのに、申し訳なさを感じるとしたらあんたが自分を責めてるからよ。
だから―――
[すっかり意気消沈した様子のフェイトの頭を、不意打ちでなでた。小さい子どもにするように、ゆっくりと手を往復させて]
これでよし。
[用は済んだとばかりにパンパンっと手を払った]
気に病むことはないわ。
さっき言ったとおりシェルターに避難してくれてたってかまわないし、哨戒の手伝いしてくれるんなら市庁舎二階の危機管理課で課長にそう伝えて頂戴。あたしの名刺、一応渡しとくわね。それ見せれば話は通るはずよ。
[ぽんっと手馴れた様子でフェイトのその手に名刺を置いて]
さて、と…こっちはこっちでやらないとね。
[少女の意識は、もう目前の敵に向き直っていた]
─裏宇宙:母艦ワーウルフ─
……はあっ、はあっ……。
[青年たちは、支援機2機を犠牲にして、トカゲのサイズを半分にすることに成功していた。
が、ここで手詰まり。有効な攻撃法はないのに、相手の攻撃は着実にこちらの装甲を削っていく。
土地勘のない母艦内に踏み込むのは危険だが、そうも言ってられないかと思い始めた時]
ねえ、気になってたんだけど、ちょっと聞いてくれる? ジュリエットさん。
<下着なら装着してないと言ったはずですが>
それ、萌えポイントだよね!!
でも、今回はそこじゃなくてさ。
コイツはなんで一匹だけ、ここに住み着いたんだろうかって。
え?あ、あー。そういうことか。
だからメカマリオンの大会が開催されなかったんだっけ。
[ん?あれ?と、何か勘違いしていただろうか、と首を傾げるけれど、今はおいておいた。
ソレよりも。]
……それ以前からもフランとは知り合いだったり友達だったりしてた?
それならごめん。
けどもさ。『怨念ゴーレムが来る少し前のタイミング』で、『偶然』、『本来繋がらないはずの通信が繋がりました』って何かしらあると思ったのよね。
[前々からの友達、というならば、すまないけれど。
そう、黒い杖を手のひらで握ったまま、指一本立て、冷静な表情と口調でテルオへと問いかける。
機械に疎い自分だが、この通信が意図的ではないだろうか?という思考は拭えないのだ]
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