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[受け入れると答え、更に寄り添う彼女に、目を伏せるように細めた]
ああ、……判った。
[この一年で彼女が見てきた世界の経緯。パイロットになった経緯。その動機、志、覚悟。……新しい友達もできたんじゃないだろうか、なんてこと。
自ずから尋ねようと思ったことはいくつもある。
けれど、そのいずれも、ここでは言葉にできない。
まだ続く苦しみで、自分のことを吐き出すことで精一杯で]
[そして、自分の内側のパーツを抑えるのにも、精一杯だった]
俺は、……怪獣の来た、あの日の後に。
機械の、悪魔の身体に、された。
俺は、もう人間じゃ、ないんだ。
[悪魔の翼を、ばさり、大きく広げて。そして身体を少し離した]
……とりあえず、今はそれだけ、だ。
詳しいことは、後で、話したい。今は、少し、拙い。
[少なくとも、両手に凶器を持っている今の状態では、何をしでかすか判らない]
シティ……詩論シティの、少し外れ。
『ソフィア・パーク』――古代遺跡か何かの公園、あったよな。
そこに、後で来てほしい。
[言い終わった後、顔を、背けた**]
/*
あー、うーん。
やっぱり焦って余計な設定入れるんじゃなかった。
目の前の事に集中しとけばよかった。
えーと、どうしよう……。
改造人間 イルは時間を進めたいらしい。
─陣桜シティ近空 〜人同士の戦い─
[より速く。
実際に飛行しながら、飛行に最適な形を「学習」する……。「持ち運べる武具」であれという、己に与えられた3つの至上目的を、メイドは実戦し、空飛ぶ「トランク」は、飛び立った時からも更に姿を変えていた。
……もちろん、生身の乗務員の安全性なんか、完全無視で]
「……!!」
[そこで見つけたのは、己たちが後にしてきたシームルグ。
すでに、艦長ルッカに戦力がほぼないことは分かっている。「戦闘テスト相手」としての価値はない。
が]
「強襲します。……ご主人様、何呑気に寝てるんですか」
寝てないよ……ただ死にかけてるだけだよ……!
「どうでもいいので、早く準備して下さい」
奇跡も、魔法も、
愛も、希望も、あるんだよ。
[入坂結理人の胸に顔を伏せ呟いた時、フランの顔はどんな表情を浮かべていたのか。両手を兄の胸に当てていたけれど、妹を前に悪魔の翼を広げ、身体を離されれば自然に手は離れた。
……少しだけ、直径3mのコックピット内では羽を伸ばすのは大変そうだなんて事は思ってはいない筈だった。きっと。必ず。]
分かった、おにいちゃん。
きっと、来てね。
あっ、そうだ……えっと、これ。
わたしは一度アカデミー本部に帰るから。
必ず、行きたいけど……もし、また宇宙怪獣達の第二波が来たら。
[少しだけ表情が曇る。]
これで、連絡取り合おう?
わたしから、後で連絡するから。
[取り出したのはフランの銀の懐中時計。フランに与えられたアカデミーの物で、様々な機能が付いている。通信機能もその一つだ。
フランは、新たにアカデミーから拝借するから、兄はフランの懐中時計を使って連絡を取り合おうと持ちかけた。入坂結理人が別に通信機があるというなら、銀の懐中時計はフランが持ったままになる。]
さて、ちょっとばかし――フェイトの実力を試してくるわ。……”因子”をつかって。
調子がちょっと悪いけどまぁいいでしょ。
[そう、連絡を入れておく。]
おにいちゃんが、機械の身体でも、悪魔の身体になったとしても。
おにいちゃんは、フランのおにいちゃん。
家族だから。
おにいちゃん、忘れないで。
/*
ねんねこタイムになったので今日はこのまま…と思ったら!
あやややややや、移動しなかったのがいかんかったか!
一旦アカデミーに戻るって手もあったんだけど、市長のお仕事があるから…あちゃあ。
[通常状態の装甲でも、抱えるサイズだった銃は、改造により人間にとっては大砲サイズになっている。
青年は、既存のどのタイプの戦闘機でもない、異形の飛行機の床に伏せ、部分装纏で強化した腕で、それを押さえていた]
ジュリエットさん、配置完了。
ターゲットロックオン。
カウント開始して。
「3.9・3.8・3.7……」
まさかのコマ単位?!
[メイドのカウントが、0.0を数えた瞬間……。
飛行機から、シームルグへ向けて、砲撃の光が走った!]
――さぁ、て、と。
外に出たはいいけど、なんにも――。ん?
[首をかしげて艦内を見る。内部で何か物音がしたような気がしたのだ。
異質な感じ、に思えたが。中に戻って確認しにいこうとして]
フェイト、ちょっと向こうの方で何か物音しなかった?
[そう、近くでみつけたフェイトへと首をかしげ、たずねる。]
また後で、ね。 わたしの、たった一人の、…おにいちゃん。
[開かれたコックピットから入坂結理人が飛翔するのを見送った後、フランはグノーシスを操縦しアカデミー本部へ向かった。**]
―陣桜シティ近空―
[予感、という程のものではない。
言うなればちょっとした興味で、少年は甲板へと歩み出ていた]
…………?
[何かが光ったような――気がした]
えっ?
う、うわぁぁぁぁ!?
[攻撃を受けている。そう気付いた瞬間、叫んでいた。
しかし、逃げ場はないし、逃げる訳にもいかない。
少年は、格納スペースへと走る。
両手のリングは、片時も外した事はない]
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