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み、耳が…頭が…
[暫くくらくらとした後、のびても居られないので機体を立て直す。
それでも若干意識が朦朧としていて、前がよく見えて居なくて…
機体をたたせた後は暫くエンジンを切って突っ伏して居るだろう。
動いて事故るのも嫌だし。]
[光弾の炸裂を見届けたのも束の間、上空から何かが落下してくるのが見えた>>24]
あ、危ない!
メガマリオン!!
[咄嗟にメガマリオンの掌を、落下するものの真下に向けて動かす。
しかし、指先を細かく動かせないメガマリオンにはそれが限界だった。
キャッチはおろか、鋼鉄の体ではクッションにもならないかもしれない]
あ。
[影は消えたらしい。それは、よかったのだけど]
まず。
[上空から、何かが、天使が、墜落してくるのが見えた。
…即座に、ジンロボの加速度の限界に出力を合わせる]
…間に合わなかったらごめんねっ!
[伸ばした手は、天使の体を受け止めようと―――]
――――ふー…………
[市長の馬鹿でかい叫びに頭がキーン、と鳴り。
光弾ぶっぱ終わったところで、影を飲み込む様がみえたところで首を振って一息つく。
まだ頭が痛い。眉間にしわを寄せてため息二つ。]
とりあえず、は、大丈夫かしら。
[と、耳の影響を取り払う為に下を向く。そしてフェイトの落下にはまるで気がついていなかった――]
「シームルグがいいです」
[と、メイドは言い張ったが、青年は必死に説き伏せた]
あのね、人間には執着というのがあってね……!
たぶんね、シームルグを食べたり、奪ったりしたら、あの艦長さん、地の果てまで追ってくるよ。鬼の形相で。
だから、ダメ。シームルグはダメ。
その代わり、この辺りの戦闘区域を通ってれば、爆撃機なり戦闘機なりの残骸はあるだろうから、見つけたら食べさせてあげるから、我慢してね?
[というわけで、結局はラジオ・チューナー・炬燵・空気清浄機など、「あったら嬉しいけど、なくても困らない」家電関係を「拝借」して、「食事」としてメイドに与え、青年は倉庫を漁って見つけたバイク>>0:278を引っ張りだした]
……僕、すっかり犯罪者だなあ。
― 現在/詩論シティ/シルヴァクロック・アカデミー屋上 ―
[屋上の柵を両手で握り、空を仰ぐ。
一年前のあの日あの時から、
地球の空には宇宙怪獣の姿がない日は殆どなかった。
フランが見つめる先には激戦空域、それに、通常空域に近い空。
魚眼レンズのように広がる空は様々な顔を一度に見せている。]
―――――
[音が聞こえた。
空の罅割れる音が。
戦いの音は何処からでも聞こえてくる。
街の喧騒も聞こえてくる。その中に混じる、澄んだ音。
空が渦巻く、空が歪む、空が色を喪い暗渠のような孔が生まれ始めている。]
―― そして、拡声器と光弾は放たれた ――
[改造人間 イルが、黒い影が消えていく瞬間を確りと見ることはなかった]
だれ、だ、ばっかやろう……っ、
[銃器も手放して、両耳を塞いだ状態で、青年は蹲っていた。言葉の内容はよく把握できていなかった。
聞こえない……気づかない、というのも恐ろしいことなのかもしれない。
拡声器の少女が、あの影に向かって「死んでまで」と口にしたことも把握できてなかったのだ。
辛うじて面を上げれば、その場に残された呪符のようなもの>>23が見えて。
上空から落下するものにも気を払えないまま、ぼろぼろのそれに、手が伸びる]
それじゃあ、艦長さん。
せっかく掃除して貰ったのに、泊らず仕舞いでごめんね。
……これに懲りたら、会ったばかりの他人に、留守を預けるのはやめた方がいいよ。
[罪悪感を慰めるため、聞こえないと解ってる忠告をして、後ろにトランクとメイドを乗せると……土ぼこりが上がり、戦闘が行われていると思わしき場所へ背を向け、走り出した。
行き先は……詩論シティ」
[咄嗟に動かしたメガマリオンに、明朱佳の操るジンロボ>>29がぶつかってくる]
え、やば……!?
[咄嗟に反対方向へ動かそうとするが、これだけの質量をもつ物体が即座に切り返せるはずもない。
激突の音が響き渡る――]
あ、明朱佳さーん!!
[あのジンロボには人が乗っている。
そう思ったら顔面蒼白になって、危険も忘れたように駆け寄る]
ちょおおおおおお!?
おま、おまえらの方がアブネってええええええ!!
すっげぇ嬉しいけどさあああああああ!!
[メガマリオンの身の丈遥か上空から墜落しているのを
受け止めようとしてくれている2機がぶつかったその上へ、大きな音を立てて背中から落ちた]
〜〜〜〜〜〜〜………っ
ってぇ……
じゃなくて…市長、えーと…メガマリオンの!
わ、悪い。足手まといになっちまったみたいだ、な。
う、うぅ…まだ頭痛ひ…
[若干よろよろと起き上がる。
周囲を見渡せば、溜息をついて居たり焦っていたり何かに手を伸ばして居たり。]
…コレ、先シームルグ行ってたりしたら駄目かなぁ。
[現実逃避ぎみにそんな事を呟いた。]
メガマリオン 20m
ジンロボ 20m
エンジェル 3m
ユージィン 1.8m
……いやいやいや、どうやっても、ユージィンで市長を倒せる気がしない……!
魔法少女 エリーは時間を進めたいらしい。
[詩論シティ――内陸部平野に位置する、混乱も混迷も発展も黄金期も魔法もメカも超常現象も秘密結社も古代遺跡もある全てを一緒くたに混ぜ合わせたような中心都市。
極亜地区における首都。
優しげな表現として「しろんシティ」と平仮名でも書かれる。]
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