698 あず村Ⅲ
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倖田 久美
大丈夫ならいいん、だけど。
[かざされた手を上目づかいに睨みながら。]
んー。
こうされることそのものが怖いんじゃなくて、そのままとって食べられるんじゃっていう感じだったの。
だからいまはそんなに怖く、ないよ？
森主 空
ほらー、たべちゃうぞー、がおー？
[童話の語り部のような口調]
相手の同意を得ずに食べようとする人は、警察に突き出していいからね？ 犯罪だからね？ いただきますとごちそうさまは大事だからね？
[...は掲げられた久美の手に、自分の手をそっと重ねてみる]
森主 空
僕はそんなことしないよ？ 相手の気持ちが大切だから。……ちゃんと行儀良く、「食べてもいい？」って聞くからさ。
[くすくすと笑って]
食べてもいい？
[もちろん冗談で]
倖田 久美
み。
[問われた言葉に目が丸くなる。
思わずこわばった表情はゆっくりと元に戻り口をへの字にするも、代わりにきゅーっと赤くなっていく。]
・・・。むー。
森主 空
くす。そうだね、ムードがないや。売店の前だしね。
……ん？ 顔が赤いよ？
[かざしていた手を、久美の額に当てる。今度の反応はどうだろうかと、少し興味を持ちながら+]
倖田 久美
うー。
[咄嗟に上半身が後ろへと。でも、逃げることはかなわず額へと手があてられた。
熱があるかなんてしらない。そんなの悪化中だ。]
なんかいじわるだ。
[森主空の伸ばされた腕を両手できゅっと掴んで、せめてもの不服を訴える。+]
森主 空
こわくない。怖くない、怖くない。
[一瞬だけ真面目な顔で言ったあと、すぐに微笑へと]
いじわるかなぁ？ きっと今日は万華鏡が静かにきらめいてるんだ。だから、ゆらしてみたらどんな色の光に移り変わるのか、見てみたくなるんだよ。
そしたまたたく光が綺麗だから、つい、またゆらしたくなるんだなぁ。
[...は、軽く久美の髪をなでた]
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