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ところで、エアドラマーとは何だ?
空気でドラマを演ずる……一人芝居か?
[青木さんの助けもあり、すったもんだの末触手は撤去された。
再生するんだから途中から切っても大丈夫だったのだが
今はなんとか五体+二本満足に生還]
礼を言う。オマエのお嫁さんになってやってもいいぞ。
もしくは、喉が渇いているなら
とても美味しいブドウジュースを奢ってやってもいい。
ダチ、とは何だ。
……タチネコのタチが訛ってるのか?
それとも、ダチというのは奴隷の別称か?
[触手をうねうねべちょべちょさせながら。
エア剥がしなら手は汚さず済んだことだろう。色んな意味で]
どなたかしら?
逆光で良くお顔が見えないのですけど。
でも、大きく手を振っていらっしゃるし。きっと良い方ですわ。
[もう一度手を振った]
[ところでこのぬめぬめの床。
このまま放っておいたら誰かが
「キャー足が滑っちゃった☆」すってーんと
転んでパンチラしたりする
オイシイスポットになったりするんじゃないかな。
安土メイあたりならやってくれそうな気がする。
むしろ段差がなくても転んでパンモロしてくれそうでもあるが]
…………電波にノイズが混ざっているな。
[宙を睨んだ。
結局、床は掃除しない方が人類のためだろうか]
エアドラマーってのは、エアドラムをソウルフルに叩く男の生き様だ。
俺のハートが刻む熱いビートが、オーディエンスたちを魅了するのさ。
[エアハイハットをエア鳴らした。]
ダチはダチだろ。
火傷するほど熱いソウルを共有するブラザー、それがダチだぜ。
[エアスネアをエア鳴らした。]
俺の嫁にしてくれだって?
そんな台詞は、二人っきりの時に俺の腕の中で言わねぇと、ハートに響かないぜ。
[エアバスドラをエア鳴らした。]
む、
かあいい。
[これで風が吹くからの良いレポートが書けそう、と一瞬頭をよぎったが、もう諦めたことに未練はないのだった。]
[再び大きく手を振りかえす]
[手を当てて耳を澄ましてみる。
熱気は伝わってきたが、エア鳴らされた音は
残念ながら聴覚で捕捉できなかった。
少し寂しそうに、顔を左右に振る]
ブラザーは、オスとオスの兄弟のことだ。
或るいは、兄弟の盃を交わした者。
あたしはまだオスじゃないし、オスの兄も弟もいないな。
えーと。
とりあえず、聞き届けて貰うには、
人気のない場所に拉致して、
懐に飛び込んでからということか?
承知した。
最近は嫁に奇怪な条件を出してくる者が多いな。
ソウルに押すも押さねぇもあるかよ。
エアドラムのビートも同じさ。
考えるんじゃねぇ、感じるんだぜ。
[エアタムをタムタム。]
花子、オマエさん、嫁入りしたいのか?
だが、焦っていいことなんてねぇぞ。
なぁに、好いた男に寄り添いたい気持ちがあれば、なんとかなるもんさ。
[本棟に入ると、階段を探して昇り始めた]
…ここでいいのかしら?
さっきは学長室までしか行かなかったから。
[階段を上がりきると、屋上への扉。開くと、まず青空が目に飛び込んだ]
ともかく、あたしと青木サンは
手を洗って来るのが先決だろう。
[ぬちゃくちゃ、ぬらり。
指の間まで糸引く粘液にうんざりした。
このままでは他のものが持てやしない]
その後は、ゆっくり優雅にブドウジュースでもどうだ。
……というか、石原裕四朗とやらはオスなのか?
[電波障害により、思考が少し入り乱れております]
はあ……。
んんーーーーっっ
[大きく伸びをする。
変な夢を、見たような…]
おかしいなあ。
私はこんなにかわいいのにどうしてまだバージンなんだろう…。
[スカートの埃を払うと、校内をワープしつつ移動することにした]
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