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…、
[唐突に触れられるとびくりとしたが、
それが悪意の無いものと分かり、大人しくなった。]
……うん。また奇縁と気炎があれば。
[振り返った顔は、上手く笑えていただろうか。
分厚いノートを抱え直して、今度こそ別棟へ歩き始めた。]
[誰かが居眠りしている脇を通って本棚を物色。]
乙女心……乙女心……。
あーもう、わからねぇ!
[激しくエアドラムを叩き始めた。]
―別棟:図書室前―
[図書室前に辿り着いた青木さんは
中に入れず隙間から覗いていた。
何故なら]
………新手のブートキャンプか?
[図書室には謎の動きが一名、居眠りをする触手が一名いるようだ。
1.入る
2.面白い一言をいいながら入る
3.青木は黙ってドロップキック
4.見ないふりをして入る
5.入らない
2(5)。]
[新たに入ってきた人物に気付いてエアドラムの演奏を止めた。]
そこのアンタ、誰かを犠牲にして手に入れた幸せなんざぁ、長続きしねぇぜ。
パックンフラワーとやら、大切にしてやんな。
[び、とサムズアップ。]
んー……もう食べられないので、
苦情があるならアルハンブラ宮殿までいらっしゃってくらさ
(寝言)
[寝相の悪い触手が
1.青木さん
2.石原さん
の方に伸び伸び侵略開始 2(2)]
だがパックンフラワーは言っていたのだ。
今まで数多の股間を血に染めた報いが、
ついに下ったのだ――と。
[サムズアップする男に、不敵に笑ってみせた。]
だがしかし、確かに報いと幸せは別だ。
同じ漢字を含みながらもな。
[視界の端には、寝息を立てる見慣れた姿。
青木さんは、木ぐるみを布団代わりに被せ
隣に座ってみた。]
……
[触手が手を伸ばせば届く位置。
頭を振って抑制した。バッドエンドの香りがぷんぷんする。]
血濡れの股間に罪はねぇ。
アンタ、なかなか話せるじゃねぇか。
……っと。
[うねうねと近寄る触手をエアドラムのエアスティックでエア叩き落した。]
― 講堂 ―
[適当な講義にこっそり紛れ込んで、自前のノートPCで猛烈な勢いでレポートを仕上げていく。]
[ちなみに、『あきなが講義で寝ないのは、内職しているときだけだよね♪』とは友人の言。
失敬な、と心の中で思うのだが、素晴らしく的確な観察眼だとも思ってしまう。]
ああー、たくもう。
最後がうまく纏まんねえ。
なんで風が吹けばカラオケ屋が儲かるかなんて、知るかってーの。
[風が吹くとスカートがめくれる。だから私はスカートを履かない。…から始まって盛大に脱線していった。]
……
[見てはいけない物理法則を見た気がする。
青木さんは触手が失速したと思い込むことにした。]
股間が朱に染まる方法など幾らでもあるからな。
それに、フラワーはフラワーの日常を過ごしただけのこと。
親父心を読めずに誤って急所に激突しようとも。
フラワーと親父は、もっと話し合うべきだった。
ならば土管上を通過する際の条例も
きっと制定されたことだろう。
悲劇は起こらなかったのだ。
[ノートをパラパラとめくっている。]
むにゃあ。
[エアに怯む触手ではないのです。
鋭く空を裂く気配を感じながらも、見知らぬ男の
1.頭
2.胴体
3.腕
4.足
5.股間 1(5) に触手は巻きつかんと]
やっぱ下調べ不足だよな。
図書室へいくしかないか…
[ノートPCを鞄に仕舞って、紛れ込んだとき同様にこっそり抜け出す。思いとは裏腹に、足は図書室のある別棟には向かわない。]
嫌なんだよなあ。
本を読むと意識が衰弱するから
よっし、後回し決定!
[黄金の駄目パターンである。『これで大学に入れたのだから人類始まって以来の七不思議に入るよね』というのも友人の評価。]
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