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[木材の運搬用の車は、慣れ親しんだ香りの残滓がほのかにある。
空には触れそうなほどの星があり、透明な闇夜があり、深く沈んだ山の形があり……そして、赤く舐めるような炎がある]
[ここを、ひなびた田舎だとか、墓場のような村だとか言う友人もいるけれど……。
──それでも わたしは ここが好き]
[……好きだった]
―翌日、日暮れ時、溝辺町市民病院の駐車場―
[ガシャン、という機械音と共にトランクのロックが外れ、中から突き出た手が蓋を持ち上げる。なんの前触れもなく起こったその現象に、この車を間近で観察していた駐車場の管理人を勤める老人は飛び上がった。
しかし、中からゆっくりと人間 ― 大柄な男だ。よくこのトランクに収まったものだ ― が身を起こして来たとき、管理人は職業倫理を取り戻した]
「ちょっと、あんた。そんなとこで何遊んでんの。あんた、この車、朝方からずーっとここに停めてたでしょ。困るんだよ、そんなことしちゃ…」
[しかし、起き上がってきた彼は、濁った目で老人を見据え、ただ一言答えただけだった]
……ハラガヘッタ。
[哀れな生き物――だとは思わない。
生き物はすべからくそうだ。忘れているのは人間の方。
昼が彼の生を否定しても、ここには夜がある。
夜を味方にして――果たしてどこまで]
そして、トランクから静かに地面に降り立つと、無造作に管理人の肩をひっつかみ、有無を言わさぬ膂力で自分の方に引き寄せた―――。
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