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[そして、鬼の影と共に神殿も、そしてベリアルも消滅していく。
既にソロモンの魔力も尽き、空は雲ひとつ無い夜空となり。
校庭の中央には、ソロモンとユダの二人だけが立っていた]
[ユダは大きく開いた目に
荘厳なる神殿が現れるのを見た。
それはおとぎ話の具現。
遠い聖地。]
……― יְרוּשָׁלַיִם ――
[呟いた、かすかな声。
聖盃に与えられた知識ではなく、
聖書の時代、あの頃のままの言葉で。]
[ぶつり
と。
深く澱み絡み付いていた「穢れ」が
酷く巨大な力で引きちぎられるような感覚がある。
それは一瞬。
されど確かなもの。
おとぎ話がほどけて消えれば
現れ出でる現世。
嵐が嘘のように、
静寂の夜が満ちている。]
…っ、
[ぐらり、と眩暈。
崩れ落ちるように膝が折れた。
指先も上手く動かせない位に、尽きて。
絡みつく穢れの感覚も、声も、ない。
言葉通り。
王は己が意志を貫いたのだ。]
アサシン イスカリオテのユダが「時間を進める」を選択しました。
…、……
[頷く。]
……
は、…はは。… ああ、
ほんとう、に。…やって しまう、なんて。
[ソロモンの腕に、額を寄せるようにしながら。
そうしないと上手く体を支えられないようだった。]
ユダ・・・・・・ これ以上、罪を背負うことは無い。
[力が抜けていくユダの体を抱きしめる。
気が付くと、頬を涙が伝っていた]
君は、君の道を見つけて歩いていけばいい。
英霊の座に戻っても、それは変わらぬ。
我も英霊の座に戻れば、君との約束を果たそう。
[――本来呼ばれる筈のない己、
英霊の座はきっと酷く遠い。]
……、 ―― あえて。 よかった。
[酷く緩やかな動きで貌を上げて
伝う涙を見れば半ば消えかかり
透ける指を添わせようとした。
そのまま、寄せる。
死を呼ばない、
畏敬と、厚情のくちづけは触れられたか否か。
力失せ、腕がだらりと落ちる。
罪びとはそのまま眼を閉じて
腕の中で幻のように消えうせた。
*後に、銀貨の音はもう響かない*]
[失せる、前にも。
魔力は、途切れたわけでは、ないから。]
生きている?
…生きている、よな?
ギイチ
…―― 、…
[使徒だったもの、は。 祈る。祈りの真似事。]
[腕の中で夢と消えたユダを見送る。
その温もりだけがソロモンの中に残り続ける]
・・・・・・ また会おう。
[すくりと立ち上がり、聖盃を廻る戦いが幕を閉じたことを察した。
涙を拭き、アンネリーゼがいる方へと視線を移した**]
キャスター ソロモンが「時間を進める」を選択しました。
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